ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

トモハッピー出禁問題、令和の虎の林主宰・桑田総合演出は何を間違えたのか? 4つの間違い

ステークホルダーVOICE お客様
コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
令和の虎トモハッピー

登録者数150万人を誇るYouTubeチャンネル『令和の虎』で起きた、古参の人気出演者・トモハッピー(齋藤友晴)氏への「出禁」処分。この騒動は、単なる出演者の更迭劇にとどまらず、競合番組『REAL VALUE』との対立、そして視聴者からの猛反発を招く事態へと発展している。

なぜ、先行者として盤石の地位を築いていたはずの『令和の虎』は、このような混乱に陥ったのか。 時系列に沿って関係者の発言を紐解きながら、林尚弘主宰と桑田龍征総合演出の采配における「誤算」と、組織として何を間違えたのかを考えてみたい。

岩井氏から3兄弟と言われた林、桑田、トモハッピーの3社長。本業が令和の虎に依拠したものになってしまった林、桑田の両名は組織の論理を振りかざすようになったが、より大局的な視点でファンを見ていたトモハッピーと差がついてしまったようだ。

 

時系列を振り返り、泥沼化への道程

発端とトモハッピーの言い分(1月7日)

事の発端は、競合番組『REAL VALUE』(以下RV)の1月7日付の動画公開だった。トモハッピー氏は、溝口勇児氏や堀江貴文氏、三崎優太氏の前でプレゼンを行い、見事レギュラー(マフィア)の座を勝ち取った。 普段ふざけて見えることの多いトモハッピー氏だが、ここでは自らのカード事業の長期ビジョンや競争優位性、コミュニティとしての機能や社会的意義などを熱弁し、マフィアの一人であるオーマイグラスの清川忠康社長からの鋭いツッコミを鮮やかに切り返すなど、総じて演者としての能力の高さを遺憾なく発揮した。

この段階では、視聴者からも「過去最高の番組だった!」「さすが令和の虎のメンバー」「これから令和の虎とREAL VALUEの連携でどうなっていくのだろう。楽しみ!」といった称賛の声が向けられていた。 動画内で「(令和の虎には)内緒です」と語ったことが「裏切り」と捉えられたが、トモハッピー氏には彼なりの理屈があった。彼はXでこう反論している。

トモハッピー:「社長ファイトクラブや年収オークションに参加した時も何も言って無いし、令和の虎と各虎はフェアなパートナーであり縛り合うルールも無いので筋違いは一切してないです」

これまで他の番組や企画に出演する際、事前の連絡や許可取りは慣例として行われていなかった。今回もその延長線上で行動したに過ぎず、彼にとっては「なぜ今回だけ?」という思いが強かったのである。

 

林主宰の「顔文字」通告と決裂

しかし翌日、林尚弘主宰の対応は「排除」だった。公開されたLINEには、独特の軽妙な文体の中に、拒絶の意志が明確に記されていた。

林尚弘:「誤解があるみたいだからしっかり再度伝えるね\(^o^)/ 一月の収録から全部出禁 全部他の虎を探してます(中略)桑田さん細井さん株本さんに相談したり、最後、詠子さんの承認をもらった結果です! いままでありがとう!」

「詠子さん(故・岩井良明氏の妻)の承認」という言葉で外堀を埋め、顔文字付きで絶縁を告げる林氏に対し、トモハッピー氏は激しく反発した。

トモハッピー:「いいよ!そんな器小さい組織になったならこっちから願い下げ。後出しジャンケンうざい。(中略)余計な事に金も時間もかけてらんないから自分から去ります!」

この処分は、多くのファンを失望させるものだった。トモハッピー氏は覚悟を持ってチャレンジし、実際に視聴者をワクワクさせてくれていた。最近の『令和の虎』のマンネリ問題に対しても、誰より危機意識を持ち、アクションを重ねていた虎であるにもかかわらず、林主宰が陰湿で女々しい判断を下したように映ったからだ。

そして、他の「虎」たちにとっても寝耳に水だったようだ。茂木哲也氏は「最悪の状況になった」と嘆き、谷本吉紹氏らは林主宰の説得を試みるも、「俺には説得出来なかった。林さんは個ではなく組織で考えてるっぽい」と無力感を吐露した。

 

林主宰の覚悟と溝口氏の複雑な心境

騒動が広がり、林主宰への批判が集中する中、林氏は1月9日、Xで自らの決断に対する揺るぎない信念を表明した。

林尚弘:「いくら批判されても構わない。自分なりに考えた結論がある。(中略)でも、この決断が正しかったといつかみんなにわかってもらえる日が来ると信じてる。」

この孤立無援とも思える林氏の姿勢に対し、競合番組『REAL VALUE』のトップである溝口勇児氏が、意外にも深い理解と共感を示した。

溝口勇児:「まじか… ただ、林さんにも相当な葛藤があったと思う。(中略)それでも、出禁を選んだ。おれはそこに、『令和の虎』のトップとしての責任感と覚悟を感じる。(中略)だからおれは、出禁という判断を下した林さんを、簡単に否定することはできない。」

溝口氏は、林氏が「嫌われ役」を引き受けて組織の筋を通そうとしたことを評価した。しかし一方で、トモハッピー氏の行動も単なる自己都合や不義理ではないとし、両者の間に横たわるのは「正義と正義のぶつかり合い」であると分析した。

 

溝口勇児:「会社の社員やビジョンに忠実であろうとした結果が、トモハッピーの今回の意思決定につながってる。(中略)今回の林さんとトモハッピーの一件は、『正義の反対は悪』じゃなくて、『正義の反対には、また違う正義がある』その分かりやすい例だと思ってます。(中略)ただ、組織や団体のトップとして、どうしても林さんに感情移入してしまう自分もいて。」

この溝口氏の投稿に対し、林氏は即座に反応した。自身の心境を代弁してくれたことに深い感謝を述べつつ、トモハッピー氏に対する姿勢は緩めるどころか、さらに硬化させた。

林尚弘:「溝口さん、意見の表明、ありがとうございます。(中略)ただ、やはり、今回のトモハッピーの行動は解せないというか(中略)おそらくトモハッピーは令和の虎でもやらかしましたので、御社でもやらかすと思います。(中略)早めに出禁にされる方がいいかと思います」

林氏は、溝口氏からの共感を奇貨として、あろうことか競合番組のトップに対し、トモハッピー氏を「御社でもやらかす」存在だと断言し、排除を直接的に進言したのである。この一連のやり取りは、林氏のトモハッピー氏に対する根深い不信感と、手段を選ばない排除の姿勢を如実に物語っていた。

 

桑田総合演出の“燃料投下”とRV側の反撃(1月12日)

事態が沈静化に向かうかと思われた矢先、総合演出の桑田龍征氏がXを更新。「事実関係を整理する」として、トモハッピー氏を出禁にした“真の理由”を告発した。

桑田龍征:「リアルバリューといった一部の番組サイドでは、裏側で『令和の虎への出演や仕事を控えるよう求める』という動きが継続的に存在していました。(中略)圧力がかかるケースが複数確認されています」

さらに桑田氏は、「出資上位10人には出て欲しくない」と、これまで明文化されていなかったルールを根拠にトモハッピー氏の行動を断罪した。 この「圧力があった」という主張に対し、RV側は即座に猛反撃に出た。

 

RVのCOO西川氏は「事実無根」として証拠提示を要求し、堀江貴文氏も「そんな圧力があるって聞いたことない」と一笑に付した。 そして、林氏が「分かってくれている」とすがった溝口勇児氏は、最終的に以下の言葉で突き放した。

溝口勇児:「もしこんな話が理由でトモハッピーが出禁になって(中略)るんだとしたら、正直、ダサいし、まったく筋が通ってないとおれは思う。(中略)正直言って、かなり女々しいしダサいんだよ」

林氏の片思いは、「女々しい」「ダサい」という一刀両断によって終わりを迎えた。

林尚弘・桑田龍征は何を間違えたのか

 

一連の騒動を通じて、林・桑田体制は幾つかの致命的な判断ミスを4つ犯している。

自ら「対等」に降りてしまった失策

まず、最大の失策は『REAL VALUE』を自らライバルと認定し、格上げしてしまったことだ。林主宰はRVを脅威と捉えたようだが、客観的に見て、勢いこそRVにあったかもしれないが、トータルの体力で見た時は『令和の虎』がまだまだ有利なポジションにいた。

その理由は明白だ。『令和の虎』には数年にわたり積み上げられた数千本もの動画ストックがあり、毎日配信を継続できる強固な制作体制がある。対するRVは立ち上がったばかりで、相当なお金を投じての週1回の配信体制。出場者集めに苦しんでいるのか、よくわからない賛成か反対かの討論番組などを放送している時もある。

比較すれば、『令和の虎』は圧倒的に安い費用で運営できていたはずだ。出演を希望する志願者が向こうから押し寄せ、虎は参加費さえ支払うという、極めて制作コスパが高く、かつ自動的にコンテンツが生成されるエコシステムが完成している。中長期で見れば、優秀な志願者を集め続けなければならないシリアス度という点で、苦しいチャレンジをしているのはRVの方だったはずだ。

 

本来であれば、林主宰はこの圧倒的な貯金の上にどんと構え、「トモハッピー、新しい挑戦も頑張ってね。またいつでも戻っておいで」と送り出せばよかったのだ。そうすれば、「小さな競合など意に介さない、余裕ある王者」として、ブランドの格は盤石のものとして守られたはずだ。しかし、現実は過剰に反応して「出禁」というカードを切ってしまった。視聴者に対し「令和の虎は、RVを自らの地位を脅かす対等な脅威として認めた」という強烈なメッセージを与えてしまった。

そのうえで溝口氏やRV勢の方が余裕のある投稿で懐の広さを見せたことで、かえって林主宰や統制のとれていない困惑をそのまま吐露するような発言の目立つ令和の虎社長陣と比較して、格の違いが浮き彫りとなってしまう結果を招いた。林主宰は自らの手で泥仕合のリングへと上がってしまったと言える。

もともとトリックスターだったトモハッピー氏が単騎掛けしてやっぱり令和の虎の社長は凄いんだという強さを見せつけたばかりなのに、そのプレゼンスを自ら消し飛ばしにいくスタイルである。ライバル番組へと自ら引き上げてあげる最悪のプロモーションを、令和の虎側が自腹で行ってしまったと言わざるを得ない失策振りだ。

 

「後出しルール」によるガバナンスへの不信

次に問題となるのが、組織運営における公平性の欠如だ。桑田氏が主張した「出資上位10人は他番組に出て欲しくない」というルールは、現場に共有されていない明白な「後出しジャンケン」であった。

トモハッピー氏が「これまで社長ファイトクラブに出ても何も言われなかった」と主張するように、これまでは他番組への出演は黙認・推奨されてきたのだ。今回だけ唐突に不文律を適用したのは、組織の規律ではなく「感情的な排除」に他ならない。トモハッピー氏の「後出しジャンケンうざい」という言葉は、組織運営の公平性が欠如していることを的確に指摘している。

事実、この不明瞭な処分に対しては、身内である「虎」の谷本社長らも疑義を呈した。ユーザーからの「契約や規約がないのに口約束や暗黙の了解で処分するのは、経営者として怖い」という真っ当な指摘に対し、谷本氏は「そうだよね。俺もそう思うよ」と公然と同意している。これまでは他番組への出演が黙認・推奨され、その自由な交流こそが「虎のエコシステム」の強みであったが、今回だけ唐突に不文律を適用したことで、今後の志願者や出演者に「いつ梯子を外されるかわからない」という恐怖心を植え付けた罪は重い。

 

「岩井イズム」の悪しき側面まで模倣する必要があったのか

また、林氏が今回の処分について「岩井主宰が生きてても激怒する自信がある」と語り、亡きカリスマの威光を借りて正当化しようとした点も、ファンの心理を逆撫でした。確かに岩井良明氏は独裁的であった。亡くなったことで身内から見れば全てが美化されているのかもしれないが、ファンにしてみれば生前から理解に苦しむ理不尽な采配も多かった。

だが、その裏には常に「志願者への愛」と、いつ切れるかわからないという画面を通して伝わるヒリヒリとした「エンタメとしての緊張感」が存在していた。だからこそ、理屈の通らない頑固親父であっても、強烈なキャラと共に多くのファンに受け入れられていたのだろう。

対して今回の林主宰は、一見融和的で「良い人」を演じながら、都合の良い時だけ、それも裏側で岩井氏の厳しさを模倣し、批判されれば「桑田が決めた」「詠子さんの承認を得た」と責任を転嫁する姿勢が見え隠れする。岩井氏の代替になれるようなカリスマ性がないまま、采配の厳しさだけを真似ても、それはただの「陰湿な官僚主義」に過ぎない。視聴者が感じた違和感の正体は、この「真似なくていいところまで真似ようとする」姿勢にあるのではないか。

 

法人なら理解できる采配も、番組はファンを向いてこそ

今回の林主宰の判断は、組織の論理としてなら理解できる人も多いだろう。ホウレンソウを怠った上で勝手に暴走してしまったのなら、組織としてはいかに優秀な人材であっても、泣いて馬謖を斬るという判断が必要になるのはわかる。

だが、『令和の虎』は法人活動ではあるものの、ファンありきの「エンターテインメント番組」である。視聴者は、組織のメンツや大人の事情による内輪揉めなど求めていない。やるのであれば、その揉めるプロセスさえも番組として開示し、視聴者を巻き込んでいくべきだ。 それを番組の裏側でこそこそと出禁という判断を下し、視聴者が楽しみにしていた「ワクワクする未来」を摘み取り、SNSでの暴露合戦という泥仕合に終始する姿は、ファンを一番に考えていない証拠である。

出禁なら出禁で、かつての岩井主宰のように番組を通して即座に視聴者へ説明すべきだった。

どうせ見習うなら、そこまできちんと見習えばいいのに、林主宰は話題ずらしで東進ハイスクールなどの批判に終始し、桑田総合演出はだんまりを決め込む。あまりに情けない姿である。 二人の功績は大きい。林主宰の判断で「○○版」を量産したことで虎は面白くなったし、桑田総合演出の通販版などはその最たるものだろう。

 

ただ、いつのまにか「塾→令和の虎」「ホスト→令和の虎」がメインビジネスになってしまった二人にとって、令和の虎はファンを一番に考える場ではなく、組織の論理で動かす「生活の糧(法人)」となってしまったのかもしれない。

そこをいくと、トモハッピーには令和の虎と関係の薄い本業があった。だからこそ、より大局的な視点で視聴者やファンのことを思って番組改革に乗り出せたのだし、『REAL VALUE』に出て両方をつなぎ、これから起こるケミストリーの方が楽しくないかとファンに提示できたのだろう。

何が悪いということではないが、ファンを向いていたトモハッピーと、自らの組織(既得権益)を守ることに固執している二人のポジションの違いが、かつて岩井氏が三兄弟と呼んだ者たちの別れの決断となったようだ。

いうまでもなく、虎の威に依存していない姿こそ、多くの人が尊敬する本当の社長であり、今回はトモハッピー氏の方が、よほど経営者らしい振る舞いをしていると言えるだろう。

まぁ、令和の虎のいいところは竹乃内社長が何度も出禁になっても復活を遂げているように、最終的にはあたたかいところではある。そう遠くないうちにトモハッピー氏の出禁も解ける日がくるだろう。

Tags

ライター:

ライターアイコン

寒天 かんたろう

> このライターの記事一覧

ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

関連記事

タグ

To Top