
デスドルノートとは何者か。番組お蔵入り、aespa紅白騒動、学校いじめ告発…暴露屋はなぜ方向転換したのか。正義と私刑の境界線を追う。
DEATHDOL NOTE(デスドルノート)とは何者?
「名前を書かれたアイドルは晒される」
そんな挑発的なコンセプトで知られる暴露系アカウント「DEATHDOL NOTE(デスドルノート)」は、2024年のアカウント開設から瞬く間にネットの闇を象徴する存在になっていった。
投稿内容は、アイドルやインフルエンサーの熱愛、未成年飲酒・喫煙、素行不良疑惑など。真偽不明の情報も含めて拡散され、結果として
・人気番組の放送中止
・芸能界引退
・グループ脱退、解散
といった深刻な影響を受けたケースも少なくない。
実際、ABEMAの人気恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。マカオ編』は、デスドルノートによる暴露投稿をきっかけにシーズンごとお蔵入り状態になり、被害総額は数億円と噂されている。
DEATHDOL NOTE(デスドルノート)の運営は、創設者の磨童まさを(まどうまさを)と歌い手の地雷チャン、ほか複数名でおこなっていると公開されている。暴露系アカウントで「中の人」が顔出しで活動していることは極めて珍しい。
初期のデスドルノート「精査なき暴露」が生んだ混乱、しかし熱愛・未成年飲酒喫煙がメイン
DEATHDOL NOTE(デスドルノート)の初期投稿は、とにかくスピードと刺激性を優先したものだった。内部告発と称しながらも、裏取りや事実確認が十分でないまま公開される情報も多く、「考察は視聴者に委ねる」というスタンスが、結果的に集団私刑を生み出す温床となっていた。
匿名性の高いSNS環境で、疑惑だけが一人歩きし、当事者が説明する機会すら与えられない、そんな構図に批判の声も根強く存在していた。
活動の中で、デスドルノートの創設者である磨童まさをにも、芸能事務所から正式な損害賠償請求が届き、アカウントの存続が危ぶまれる事態へ発展した。
しかし、暴露は熱愛・未成年飲酒喫煙がメインで、よくあるネット炎上・暴露アカウントと変わらない存在感であった。
『REAL INFLUENCER』出演が転機に?「どこかで方向転換したい」発言
そんなデスドルノートに転機と見られる出来事が起きる。
それは、元ヴァンゆんのVAMBI(ヴァンビ)が運営する番組『REAL INFLUENCER』(リアルインフルエンサー)への出演だ。
同番組は、堀江貴文、溝口勇児、三崎優太が関与する人気番組『REAL VALUE』のスピンオフ企画で、総フォロワー6,000万人超えのクリエイター集団が次世代のスターを発掘するプロジェクトだ。
出演したデスドルノート創設者・磨童まさをは、番組内で次のように語った。
「叶えたい夢はありません、完全に趣味」
「デスノートごっこがしたかっただけ」
「事実かどうか確認してない、確証ない情報も取り上げる」
このような発言に、番組では「サイコパスのよう」と評された。
その後も、のらりくらりとした回答を続ける磨童にヴァンビは、
「このアカウントの最悪の未来は自殺者が出ること。責任はどう取る?」
と厳しく問いかけたが、磨童は
「アカウントを辞める」
「自分は殺されても全然大丈夫」
と受け流すような回答を繰り返す。
ただし、その一方で
「どこかで方向転換しなければならないとは思っている」
とも語っており、この言葉が後の行動につながった可能性は否定できない。
もっとも、番組出演後には
「ヴァンビから出演を熱望されて出ただけ」
「台本ばかりだった」
と舞台裏を批判する投稿もあり、関係性は泥沼化した印象も残る。
aespa紅白出場停止を求め記者会見、ネットの炎上屋が「抗議者」になった瞬間
『REAL INFLUENCER』公開後、デスドルノートはこれまでと異なる行動に出る。
韓国アイドルグループ aespa(エスパ) の紅白歌合戦出場停止を求める署名活動を開始したのだ。
騒動の発端は、メンバー・ニンニンが投稿したキノコ雲の形をしたランプの写真だった。
「かわいいライトを買ったよ~どう?」
とのコメントが添えられ投稿されていたが、同型ランプの商品説明欄には「キノコ雲爆発」「原子爆弾爆破」「核爆発」といった文言が並び、単なる「キノコ型ランプ」との主張は通らず、原爆を想起させる表現に対し、日本国内で批判が噴出。
デスドルノートはこの騒動に関し、aespaの紅白出場停止に関する署名を集め、NHKに直接提出を試みるも、受け取りを拒否された。
12月30日には、aespaの紅白出場停止を求める記者会見を自ら開催する異例の展開となった。
最終的に、ニンニンはインフルエンザ感染を理由に紅白歌合戦を欠席。
しかし、その後も韓国の年末年始番組には多数出演していたことから、「欠席理由は事実だったのか」「デスドルノートの活動が身を結んだか?」などの憶測が広がった。
校内いじめ問題への切り込み 暴露・抗議から「告発」へ
最近のデスドルノートは、芸能スキャンダルだけでなく学校内でのいじめ問題にも鋭く切り込んでいる。
特に、栃木県立真岡北陵高校や大分大東中学校で拡散された暴力・いじめ動画の告発に、人々はここ数日で混乱に陥っている。無抵抗の生徒に対する集団暴行や執拗な暴言が映った映像は強い衝撃を与え、教育現場の闇を可視化したとして支持を得る一方で、「学校名や関係者が特定されかねない形で投稿された」と懸念する声もある。事実確認の不十分さと拡散のスピード感が、ネットリンチの構造を助長しているとの指摘も強い。
さらにデスドルノートは、1月6日、奈良市議会議員のへずまりゅう氏(34)と公式に「いじめ撲滅同盟」を結成したと発表した。へずまりゅう氏は、かつて迷惑行為動画で社会的批判を浴びた元YouTuberで、現在は地方議員として活動する人物だが、SNS上で「情報発信と自分の行動力で日本を明るくする」としてデスドルノートとの連携を報告している。
しかしながら、具体的な活動内容や責任の所在、情報の扱い方などはまだ明らかになっておらず、両者連携の実効性と透明性が今後の焦点となる。影響力の大きいアカウントと選挙で選ばれた議員が手を組むという異例事態は、単なるネット炎上を超えた新たな社会的議論を巻き起こしている。
正義か、私刑か デスドルノートが突きつける問い
デスドルノートの活動は、かつての「愉快犯的な暴露屋」から、社会問題を告発する存在へと変貌しつつあるようにも見える。
しかし、その手法は今も危うい。事実確認の不十分さ、訂正や謝罪の曖昧さ、そして一度拡散された情報が取り返しのつかない傷を残す現実。いじめや差別を糾弾する正義と、ネットリンチや私刑との境界線はどこにあるのか。デスドルノートの「方向転換」が本物であるならば、今後問われるのは暴くことの快感ではなく、責任の取り方だろう。
DEATH NOTEのキラよろしく「新世界の神」になるには、「正義とは何か」に向き合うべきではないだろうか。



