
2026年の干支は「午(うま)」。古来、馬は神様が騎乗する「神馬(しんめ)」として崇められ、私たちの願いを天へと届ける聖なる媒介者としての役割を担ってきた。その力強く大地を駆ける姿は、停滞した運気を打ち破り、次なるステージへと「飛躍」するエネルギーを象徴している。
本記事では、歴史ある神社から、伝説が息づく地方の名社まで「午年に訪れるべき神社」を詳しく解説する。
新しい一年の運勢を加速させる、最適な一社を見つけてほしい。
2026年は午年!「馬」の神社の御利益
十二支の七番目にあたる「午」は、方角では「南」、時間では「正午」を指す。太陽が最も高く昇り、エネルギーが最大化される状態を象徴している。この「午」に、生命力とスピードの象徴である「馬」が結びついたことで、午年は「物事が急速に進展する」「活気が生まれる」年とされてきた。
また、現代の初詣に欠かせない「絵馬」も、実は馬への信仰から生まれたものだ。平安時代の歴史書『続日本紀』などによると、古来、祈雨(雨乞い)には黒馬、止雨(晴れ乞い)には白馬を神に奉納する儀礼があった。しかし、生きた馬を奉納し維持することは大きな負担となる。そこで、木や石で作られた馬像や、板に描かれた馬の絵が代用されるようになった。これが現在の絵馬の起源である。
馬は「勝ち・勢い・守護」を象徴する。2026年の初詣に馬とゆかりの深い神社を選ぶことは、神様への敬意を表すとともに、馬が持つ強靭な脚力にあやかって一年の運勢を加速させる、極めて縁起の良い選択なのだ。
東京都内:アクセス抜群!神馬や馬の伝説に会える開運神社5選
都心にいながら、馬の神聖なエネルギーに触れられる神社を紹介する。
多忙な日常の合間を縫ってでも訪れたい、強力なパワースポットばかりだ。
1. 神田神社(神田明神)|都心で会える愛らしい神馬「あかりちゃん」

東京都千代田区に鎮座する「神田明神」は、創建1300年を超える江戸総鎮守。
商売繁昌や勝負運のご利益で知られ、徳川家康公が関ヶ原の戦い前に戦勝祈願をしたことでも名高い。
都内では極めて珍しい、本物の神馬(しんめ)を飼育している神社であり、御神馬「神幸号(みゆきごう)」、愛称「あかりちゃん」は参拝者にも大人気だ。午年に本物の馬のエネルギーを間近で感じることで、願い事が「早く動き始める」と言われている。

- 公式サイト: https://www.kandamyoujin.or.jp/
- 住所:東京都千代田区外神田2-16-2
- アクセス:JR中央線・総武線「御茶ノ水駅(聖橋口)」徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」徒歩5分
2. 五方山 熊野神社|陰陽師・安倍晴明ゆかりの「五角形」の聖地

葛飾区に位置するこの神社は、平安時代の陰陽師・安倍晴明によって勧請されたと伝わる。
境内地が陰陽五行説に基づいた正五角形という特殊な形状をしているのが最大の特徴だ。
境内では「きらら」「ちょこ」「ばにら」の3頭のポニーを飼育しており、午年には「神馬を身近に感じられる場所」として注目される。晴明公の霊力と、馬の活力の両方を授かれる希少なスポットだ。
- 公式サイト:https://jinjya.kumano-kids.com/
- 住所: 東京都葛飾区立石8-44-31
- アクセス: 京成線「青砥駅」徒歩約10分
3. 矢先稲荷神社|天井を埋め尽くす100枚の「日本馬乗史」

浅草の名所七福神の一つであり、福禄寿を祀る。
江戸幕府三代将軍・徳川家光公が建立した「三十三間堂」の守護神として創建された歴史を持つ。
拝殿の天井には、神話から近代に至るまでの馬術シーンを描いた100枚の「日本馬乗史」が奉納されている。頭上から100頭もの馬に見守られる空間は圧巻であり、午年のスタートに「馬のパワー」を視覚から取り入れるには最適の場所だ。
- 住所: 東京都台東区松が谷2-14-1
- アクセス: 東京メトロ銀座線「田原町駅」「稲荷町駅」 徒歩7分
4. 大國魂神社|武蔵国の総社に宿る「神馬」の伝統

府中市に位置する、武蔵国の守り神。
源頼朝や徳川家康からも厚い信仰を寄せられた、格式高い神社。
平安時代に朝廷から神馬が奉納された歴史を持ち、今も境内には馬にまつわる奉納絵馬が多く残る。近隣には府中競馬場もあり、古くから馬との縁が深い。勝負運を上げたいビジネスマンの参拝も多い。
- 公式サイト:https://www.ookunitamajinja.or.jp/
- 住所: 東京都府中市宮町3-1
- アクセス: 京王線「府中駅(南口)」徒歩5分、JR武蔵野線・南武線「府中本町駅」徒歩5分
5. 千束八幡神社(洗足池八幡宮)|名馬「池月」の伝説が息づく旗揚げの地

洗足池のほとりに位置し、源頼朝が旗揚げの際に宿営した場所とされる。
頼朝がこの地で得た名馬「池月(いけづき)」の銅像がある。池月は池に映る月のように美しい斑点を持っていたとされ、頼朝を勝利へと導いた。ここ一番の「勝ち運」や「立身出世」を願うなら、この名馬ゆかりの地は見逃せない。
- 住所: 東京都大田区南千束2-23-10
- アクセス: 東急池上線「洗足池駅」徒歩約10分
全国:行ってみたい!勝負運・金運が上がる「馬」の最強聖地
日本各地には、その土地の歴史や産業と深く結びついた「馬の名社」が存在する。
初詣や新年の旅行を兼ねて訪れたい、霊験あらたかな神社をセレクトした。
1. 上賀茂神社(賀茂別雷神社)|京都最古の社に宿る「乗馬発祥」のエネルギー

世界遺産に登録されている京都最古級の神社
厄除けや必勝の神として古来より皇室や武家の崇敬を受けてきた。
御祭神が降臨される際「馬に鈴を掛けて走らせよ」との託宣があったことから「乗馬発祥の地」とされる。正月三が日や祝日には神馬「神山号」が出社。年の初めに白馬を見ると邪気が祓われるとされており、2026年の初詣にはまさに理想的な場所だ。
- 公式サイト:https://www.kamigamojinja.jp/
- 住所: 京都府京都市北区上賀茂本山339
- アクセス: 地下鉄烏丸線「北大路駅」徒歩約25分
2. 貴船神社|すべての絵馬のルーツ「絵馬発祥の地」

京都の奥座敷、貴船川のほとりに位置する水の神様を祀る古社
縁結びのパワースポットとしても著名だ。
平安時代、雨を願うときは黒馬、晴れを願うときは白馬を奉納していたことが「絵馬」の起源とされる。境内には神馬像が並び、神様へ願いを届ける馬の役割を最も強く感じられる場所だ。午年に原点回帰の祈りを捧げることで、運気の底上げが期待できる。
- 公式サイト:https://kifunejinja.jp/
- 住所: 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
- アクセス: 叡山電鉄「貴船口駅」から京都バスで「貴船」下車徒歩約5分
3. 藤森神社|競馬関係者・ファンが全国から集う「勝ち馬」の神

伏見稲荷大社にも近い、菖蒲の節句(端午の節句)発祥の地とされる古社
「馬と勝負事の神」として絶大な信仰を集める。毎年5月に行われる「駈馬(かけうま)神事」は京都市登録無形民俗文化財。競馬関係者やファンの参拝が絶えず、勝負運の強さは折り紙付きだ。
2026年、ギャンブルだけでなく仕事や試験での「勝利」を願うなら、ここへの参拝は欠かせない。
- 公式サイト:https://fujinomorijinjya.or.jp/
- 住所: 京都府京都市伏見区深草鳥居崎町609
- アクセス: JR奈良線「JR藤森駅」徒歩5分、京阪電車「墨染駅」徒歩7分
4. 住吉大社|神馬が境内を駆ける「白馬神事」で邪気を一掃

大阪、摂津国一ノ宮。
海上安全や禊祓(みそぎはらい)の神として、1800年以上の歴史を誇る。
毎年1月7日に行われる「白馬(あおうま)神事」が有名。神馬「白雪号」が各本宮を巡拝する姿を見ると、その一年の邪気が祓われると言い伝えられている。午年の幕開けにふさわしい清浄なパワーをいただけるだろう。
- 公式サイト:https://www.sumiyoshitaisha.net/
- 住所: 大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
- アクセス: 南海本線「住吉大社駅」から徒歩3分、阪堺線「住吉鳥居前停留場」から徒歩すぐ
5. 勝馬神社(大杉神社内)|金運・勝負運を呼び込む「夢叶え」の摂社
茨城県稲敷市の「大杉神社」境内に遷座している。
大杉神社は「日本唯一の夢むすび大明神」として知られる。
名前の通り「勝ち馬」のご利益で知られ、近隣にJRA美浦トレーニングセンターがあることから、多くの競馬関係者が必勝祈願に訪れる。また、枝が馬の頭の形に見える御神木も話題で、金運・チャレンジ運を上げたい人にとって最強の「午年詣」スポットとなるだろう。
- 住所: 茨城県稲敷市阿波958
- アクセス: JR成田線「下総神崎駅」からタクシーで約15分
6. 荒川駒形神社|遠野の民話と南部馬の歴史が交差する神秘の地
岩手県遠野市。馬産地として名高いこの地方を代表する神社であり、古くから馬の神を祀ってきた。
伝説では、白い馬に乗った神様が現れた姿を写した御神体が祀られている。南部馬の産地としての歴史が色濃く、畜産関係者や「馬との絆」を大切にする人々に厚く信仰されている。都会の喧騒を離れ、神秘的な空気の中で午年の決意を固めるには最適だ。
- 住所: 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14
- アクセス: JR「遠野駅」から車で約25分
7. 諏訪大社 上社本宮|信濃国一宮、日本最古級の社に宿る「神馬」の魂

長野県、諏訪湖周辺に鎮座する全国諏訪神社の総本社
武運の神として古くから武士の崇敬を集めてきた。
境内に立派な「神馬舎」が設けられており、古くから神事に馬が奉納されてきた。御柱祭に象徴される荒々しくも力強いエネルギーは、午年のキーワードである「勢い」そのもの。大きな目標に向けて邁進したい人にとって、これ以上ないバックアップを得られるだろう。
- 公式サイト:https://suwataisha.or.jp/
- 住所:長野県諏訪市中洲宮山1
- アクセス:JR中央本線「茅野駅」からバスで約30分。
2026年、馬の勢いに乗って最高のスタートを
馬は神様と私たちの橋渡しをする存在であり、私たちの祈りをその速い脚で天へと届けてくれる。午年にこれらの神社を訪れることは、単なる慣習ではなく、馬が象徴する「飛躍」や「前進」のエネルギーを自分自身に取り込むための儀式でもある。
力強く大地を蹴り、未来へと向かって疾走する馬のように、あなたにとって2026年が素晴らしい「飛躍の年」となることを願ってやまない。
2026年の初詣は、本記事で紹介したゆかりの神社を訪れ、絵馬に自身の決意をしたためてみてはいかがだろうか。



