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“国の顔”がなぜ…? ミス・フィンランドの「つり目」写真が世界的波紋、謝罪でも批判が止まらない理由

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サラ・ザフチェ
DALLーEで作成

冬の気配が深まる12月の北欧で、ひとりの女性をめぐる議論が拡散している。ミス・フィンランドに選ばれ、ミス・ユニバース世界大会にも挑んだサラ・ザフチェ氏。その称号は国を象徴する誇りであり、祝福されるはずの道だった。しかし、SNS上に流れた一枚の写真が、その歩みを一変させる。

 

 

写真1枚が国際的な炎上へ

拡散されたのは、ザフチェ氏が目尻を指で引き上げ、細めた目で笑う姿だった。添えられた字幕には「中華料理」といった趣旨の文言。アジア人の容姿を揶揄する「つり目」ジェスチャーとして受け取られ、瞬く間に批判の声が世界中から寄せられた。

画像が放つインパクトは想像以上に大きく、コメント欄には怒り、悲しみ、失望が混ざり合う反応が続いた。フィンランドを「いつか訪れたい」と憧れを抱いていたという日本の投稿者は、「代表者がこんな行動をする国だと思うと行く気が失せた」と落胆を綴っている。

 

本人の釈明と消えない“違和感”

現地紙によれば、サラ氏は騒動について「当時レストランで頭痛と目の痛みに悩まされ、こめかみをマッサージしていた。その姿を友人が面白がって撮影しただけ」と説明した。差別の意図はまったくなかったと語っている。

しかし、説明を聞いた読者からは、別の疑問が生まれた。「本当に痛みをこらえているなら笑わないはず」「友人が面白がったという時点で、どこかに“アジア”のイメージがあったのでは」という声だ。
写真に残る笑顔と、本人の語る“頭痛”という文脈が噛み合わず、そのわずかなズレが不信感となって広がった。

 

謝罪しても止まらない批判

サラ氏は8日、インスタグラムで「不快な思いを与えたことを深く理解している」と謝罪し、「意図したものではなかった」と強調した。ミス・フィンランドとしての責任にも言及し、「今回の件を教訓に成長したい」と綴った。

だが、批判の勢いは衰えなかった。過去に投稿した機内動画で「ギャングは投げつける一方、私はビジネスクラスに」と話していたとされる件も掘り起こされ、「品位を欠く」との怒りが再燃した。彼女は動画を削除し、こちらも謝罪しているが、火消しには至らなかった。

ミス・フィンランド協会は9日、代表者名義で「差別は一切容認しない」と謝罪。それでも世論は収まらず、称号剝奪を求める声まであがる事態となった。翌10日、協会は「徹底的に経緯を検証し、責任の所在を明確にする」との公式声明を発表し、緊迫した事態が続いている。

 

なぜ炎上はここまで拡大したのか

今回の騒動には、いくつかの背景がある。
まず、「つり目」ジェスチャーがアジア系への差別の象徴として長い歴史を持つこと。特に公人の行為としては極めて重く受け止められる。

また、ミス・フィンランドは国内外にフィンランドを発信する“国の顔”という立場ゆえ、一般人とは異なる期待と責任が課される。SNS時代においては、たとえ友人のいたずらでも、公の場に出れば世界に向けて発信される危険性を常に抱えている。

さらに、欧州の一部地域で今もアジア人差別が残っているという認識が、今回の問題と結びつきやすかった。ヤフコメにも「北欧は人権先進国と言われているが、実際は偏見が根強い」という意見が散見される。
こうした背景が重なり、わずかなジェスチャーが“大きすぎる問題”として扱われたと言える。

 

日本の反応が示した“国の象徴”への厳しさ

日本のコメント欄を読むと、最も多かったのは「辞任すべき」「代表の資格がない」という意見だった。ジェスチャーの意図よりも、“なぜそれをSNSで公開したのか”という判断力を問う声が目立つ。

一方で、「真相は本人と撮影者にしか分からない」という冷静な意見もあれば、「写真だけで国のイメージを悪くしないでほしい」との声もあり、受け止め方は多層的だ。
しかし共通しているのは、「ミス」という存在に品位と自覚を求める姿勢だ。これは、日本ではもちろん、国際的にも共有されている価値観である。

 

記事に独自性を持たせるために

今回の記事に独自性をもたせるには、ジェスチャーが差別とされる歴史的背景、北欧社会の多文化共生の課題、そしてSNS時代における公人のふるまいの重要性を丁寧に示すことが鍵となる。単なる炎上紹介にとどまらず、「なぜ問題化したのか」を構造的に説明することで、読者の理解はより深まる。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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