
国分太一のコンプライアンス違反問題から半年。TOKIOの解散、株式会社TOKIOの廃業、松岡昌宏の独立と激動が続く中、12月上旬に城島茂が都内で『週刊女性』の取材に応じ、沈黙してきた胸の内を語った。
一方、松岡昌宏は日本テレビの対応に苦言を呈し、“縁は切れない”と国分との結び付きを強調してきた。揺れるTOKIOの現在地を多角的に追う。
TOKIO解散の衝撃と城島茂の沈黙
12月上旬の平日午前10時。東京都内の住宅地を、黒のダウンジャケットに身を包んだ城島茂が電動自転車で走っていた。前方にチャイルドシートがついたその自転車は、生活者の足そのものだ。
だがその表情には、ここ数カ月の激動を映したかのような陰が差していた。声をかけた週刊女性の記者に気づき、城島はペダルをゆるめ、マスク越しに静かに応じた。
TOKIOは今年、長年続けてきた活動に幕を下ろした。山口達也の不祥事、長瀬智也の脱退を乗り越えながら、3人体制での活動を形づくってきたが、6月以降の国分太一によるコンプライアンス問題が大きな転換点となった。テレビ局関係者は「リーダーとしての責任感が人一倍強い城島さんには、解散の判断は苦渋だったはず」と語る。
その後、株式会社TOKIOも廃業を予定し、番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の未来も揺れた。表に立つ3人のうち、沈黙を守ったのは城島ひとりだった。
国分太一を巡るコンプライアンス問題と日テレの対応
事の発端は6月20日、日本テレビが国分太一に対し“複数のコンプライアンス上の問題”が確認されたとして『ザ!鉄腕!DASH!!』の降板を通達したことだった。国分はその後、無期限の芸能活動休止を発表したが、問題の詳細は本人にも明かされていない。
日テレ側は、「被害者特定につながる可能性」を理由に具体的説明を避け続けているという。
国分は11月26日に会見を開き、「自分が犯したコンプラ違反について答え合わせをしたい」と訴えたが、局との協議は進展しなかった。
「双方とも“説明責任”の基準が異なるため、議論が噛み合っていない。国分さんは曖昧な状態で“悪い人間”として沈黙を強いられている状況です」(芸能関係者)
騒動から半年が経つ今も、ファンやスポンサーの間に不安と不信が残り続け、TOKIOというブランドに大きな影を落としている。
松岡昌宏が放った“縁は切れない”発言の重み
一方で、この問題に最も積極的に言葉を発し続けてきたのが松岡昌宏である。1989年から所属していた旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)を11月末で退所し、独立したばかりだが、その変化の渦中でも記者の質問に立ち止まって答えた。
解散直後、松岡の仕事現場には多くのカメラが集まった。国分との関係を問われると、松岡は迷いなく「縁は切れない。家族のようなものだから」と断言した。この言葉には、30年以上の歴史を支えてきた深い信頼がにじむ。
さらに国分の会見後には、一部週刊誌の取材に対しこう語っている。
「日本テレビさんのやり方はコンプライアンス違反にはならないのでしょうか」
沈黙する局に対して、松岡は正面から疑問を投げかけた。タレント側がメディア企業の判断を批判するのは異例であり、それだけ国分の苦境を看過できないという意思表示でもあった。
松岡の発言は、沈黙する城島とは対照的に、TOKIOとしての“外に向けた声”の役割を果たしていたと言える。
半年ぶりに語られた城島茂の本心と未来への視線
そして今回、静観してきた城島がようやく口を開いた。自転車を降り、取材に応じた城島は、国分の今後について問われると、言葉を選びながらこう答えた。
「彼も、いろいろと思うところあるのでしょう。自分の思うことを伝えるのは心のケアとしても大事。今後どうなるかは、見守っていくしかないかな、と」
目線を落としながらも、その声には長年の仲間を思いやる温かさがあった。松岡の「縁は切れない」という言葉をどう受け止めているかと問われると、少し口元を緩め、「もちろん、もちろん。長い付き合いですから」と繰り返した。
今後の活動についても慎重な姿勢を崩していない。
「それは、まだわからない。ファンも、スポンサーも、日本テレビさんも。みなさんが納得して、いろんな形で決着がつかないと次のことは考えられないですね」
松岡に続く独立の可能性については、「正式な発表があれば、公式ホームページで」とだけ語り、憶測を避けた。リーダーとしての慎重さがにじむ回答だった。
3人が再び交わる日は来るのか 揺れるファンと『鉄腕!DASH!!』の行方
今回の一連の騒動で、ファンの間には複雑な感情が広がっている。国分の問題に対する不透明感、日本テレビの説明不足、TOKIO解散、松岡の独立。そして城島の沈黙。そこに積み上がる疑問と不安は、番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の存続にも影響を与えている。
「誰が悪いのかという話ではなく、透明性の欠如が混乱を生んでいる。3人の未来を描くためには、まず事実関係の整理と説明が必要だ」と放送関係者は指摘する。
城島は取材後、静かに会釈し、自転車にまたがって走り出した。背中は小さく見えたが、その姿からは“前に進むしかない”という覚悟が漂っていた。
30年以上、日本の音楽とテレビの中心にいたTOKIO。その中心に立ち続けた男が新たな一歩を踏み出すとき、3人の関係はどう変わるのか。再び交わる日が来るのか。揺れる地盤のなかで、答えはまだ見えていない。



