
登録者数100万人を超える人気ビジネスリアリティ番組「令和の虎」界隈が揺れている。11月30日、同番組の「虎(投資家)」である関口ケント氏、ドバシー(土橋和樹)氏、にしけん(西田拳)氏らが、フィリピン・マニラから現在の番組体制を批判する動画を公開。これに対し主宰の林尚弘氏が激怒し、関口氏ら3名に「出禁」を通告する異常事態へと発展した。
「やる気ない虎は辞めろ」マニラから放たれた身内批判
事の発端は、11月30日に『関口ケントチャンネル』で公開された「【令和の虎に思うこと】」と題された動画だ。
フィリピン・マニラで撮影されたこの動画には、関口ケント氏、ドバシー氏、にしけん氏、桐原氏の4名が登場(※動画内での主な発言者は関口氏、ドバシー氏、にしけん氏の3名)。「令和の虎がボロボロなんじゃないか」という切り出しから始まり、現在の番組体制に対する辛辣な意見が次々と飛び出した。
彼らは動画内で「今の虎は本気じゃないからダメ」「緊張感が薄れて馴れ合いになっている」と指摘。「やる気のない虎は全員辞めてもらうべき」「J1・J2のような入れ替え戦を行うべき」といった過激な提言に加え、運営サイドに対しても「ブレインがいない」と酷評。酒が入っていたのか、終始“上から目線”とも取れる口調で番組の改善点を語り合った。
林主宰激怒「こいつらなんなの?」 関口・ドバシー・にしけんは出禁へ
この動画に対し、「令和の虎」トップからの反発は即座に、かつ強烈なものであった。
林尚弘主宰はX(旧Twitter)で「こいつらなんなの?」と不快感を露わにし、「とりあえずこの3人は令和の虎出禁」「令和の虎とか〇〇版とか名乗らないようにしてもらおうか」と、事実上の追放処分を通告した。 特にドバシー氏に対しては、他の虎である上野あき(aki社長)氏からも「一回頭冷やしてくれ。その行動が組織の価値を下げる行動に結びついてたって話」と直接的な苦言が呈された。
今回の処分対象となったのは、関口ケント氏、ドバシー氏、にしけん氏の3名である。
なぜ桐原氏だけが「出禁」を免れたのか
動画には4名が同席していたが、唯一、桐原社長だけは処分の対象外となった模様だ。
動画内において、過激な言葉で番組批判を繰り返す他の3名に対し、桐原氏は「(番組は)進化してるんじゃないか」「危機感とはちょっと違うんじゃないか」と反論するなど、終始冷静な態度で番組側を擁護し、諫言(かんげん)するスタンスを崩さなかった。この姿勢が考慮され、今回の一斉処分からは難を逃れたとみられる。
視聴者ドン引き「何様のつもり?」 批判のブーメラン
騒動は出演者間だけにとどまらず、SNS上では視聴者からも冷ややかな視線が注がれている。
「岩井良明前主宰や林主宰など初期メンバーが苦労して創り上げてきた番組を、つい最近入った虎が集まって文句を言っている姿は、部外者が見ても気持ちが良いものではない」 「最近の令和の虎がつまらないのは、むしろ最近入った虎側に理由があると個人的には思う」
このように、番組への愛着を語りながらも、実際には番組のブランドを毀損しかねない3名の行動に対し、「ブーメランだ」「勘違いしている」といった厳しい声が殺到した。
また、同じく「虎」である稲葉信氏(iステップ開発者)もXで、番組には「自分が出ていない回のことを外であれこれ言わない」という暗黙のルールがあると明言。「カメラに映っていない現場の意向や空気感が必ず存在する」「現場へのリスペクトが欠かせない」と、当事者意識を欠いた外部発信に警鐘を鳴らした。
批判動画は非公開に、謝罪するも残る亀裂
一連の騒動を受け、関口ケント氏は12月1日朝、Xにて謝罪文を投稿。「想いを盾にして、権限のないところから一石を投じている行為だった」「虎の方々の評判を下げることにもなる」と反省の弁を述べ、当該動画を非公開にした。
「本音で議論したい」という意図から始まったとされる今回の“マニラの乱”だが、結果として組織へのリスペクトを欠いた「身内批判」は、関口・ドバシー・にしけん3名の番組追放という最悪の結末を招くこととなった。
ただ、いつも喧嘩し合い、即座に仲直りしてエンタメとして昇華していく最近のインフルエンサー界隈のことを思うと、これもまたどうせ茶番で、すぐに許されるんだろうといった意見もでている。
どうせ許されるシナリオなら、せめて視聴者がしらけないで見れる面白さに転化してほしいもの。さて、岩井社長だったらどんな采配をくだしたのだろうか。



