
Xの“所在地表示”で海外在住アピールが次々破綻。旅アカ、駐在妻アカの偽装が露呈し、NHK公式の謎のアメリカ表示も物議。SNSで驚きと混乱が広がっている。
X(旧Twitter)で11月21日頃から、新たに「アカウント所在地表示機能」が順次反映され始めた。プロフィール下部にある「利用開始日」をタップすると、国名・アプリストア地域・認証日・接続元といった項目が表示される仕組みだ。IPアドレスや行動履歴などから推定して表示しているため、VPN利用者は所在地が頻繁に変わるケースも多く、国籍を示すものではないとされる。
「自称海外在住アカウント」が続々日本表示に
この機能が可視化されたことで、想定外の露呈も相次いだ。普段から「海外在住」を自称していたアカウントの多くが、所在地欄に「日本」と表示される事態が頻発。
海外駐在員や駐在妻を装い、ラグジュアリーな生活ぶりや意識高い系ビジネス論を投稿していたアカウント、「世界を旅して発信している」と謳う旅行インフルエンサーも、実際は国内から投稿していたことが丸わかりになり、SNS上では衝撃と失笑が入り混じった反応があふれた。
帰国者の“現地バレ”・スパム露呈も
一部では、本人がすでに帰国しているにもかかわらず、過去の「海外在住キャラ」を維持していたアカウントの設定破綻も判明。
さらに、海外を名乗るスパム業者や、外国人を装った煽り系アカウントの多くが日本表示となったケースもあり、透明性向上の副産物として「偽装」が一掃されつつある状況だ。
NHK公式が「アメリカ表示」で謎呼ぶ
一方で、信頼性の高い公式アカウントにも“意外な表示”が登場した。
NHK公式アカウントが「アメリカ」と表示され、ユーザーからは「なぜ?」「VPNの影響?」「運用会社が海外拠点?」など、疑問の声が多数上がっている。
今回の機能はIP推定のため誤差も生じるが、大手メディアの想定外表示はユーザーの関心を一気に引きつけた形だ。
透明性向上とプライバシー懸念、賛否真っ二つ
Xの狙いはアカウント透明性の強化とみられるが、ユーザー側では評価が割れている。
不正・スパムの炙り出しにつながる一方で、居住国や接続環境が推測されやすくなることへのプライバシー懸念も根強い。
今後、国別での発信者分析や炎上時の“現地確認”など、新たなSNS文脈が生まれる可能性もある。
“海外在住キャラ崩壊”で起きたSNSの地殻変動
今回の所在地表示は、SNS上で長年グレーゾーンだった“海外在住設定アカ”的な存在を一気に可視化した。
海外からの情報発信を装うことで、権威性・憧れ・希少性を得ようとしていたアカウントにとっては、まさにからくりが剥がれ落ちる瞬間となった。
この機能が完全実装されれば、インフルエンサーの価値基準やフォロワーの信頼判断にも変化が生まれる可能性は高い。
SNSの透明性向上を歓迎する声もあれば、プライバシー侵害を不安視する声もあり、議論はしばらく続きそうだ。



