
人気漫画『美少女戦士セーラームーン』の公式コラボカフェ「Pretty Guardian Sailor Moon CAFE」で、フードの品質不良や運営上の混乱が続出し、SNSを中心に批判が殺到している。
初日から「写真と違う」「味がおかしい」「案内が滞って入店できない」などの声が相次ぎ、期待を寄せたファンの落胆は大きい。運営側は公式サイトで謝罪し、体制の見直しと返金対応を発表した。
開催前から高まった期待 武内直子氏の新着彩パネルも話題に
今回のコラボカフェは、作者である武内直子氏が新たに着彩したパネル展示を中心に、作品の世界観を再現したオリジナルメニューやグッズを販売する企画として注目を集めた。
11月1日から12月30日まで東京都港区「MARBLE GALLERY CAFE」で開催され、事前予約段階からファンの期待は大きかった。
だが、オープン直後に投稿された感想は、歓迎ムードとは違う現実を指し示していた。「楽しみにしていたのに、セーラームーンカフェ史上一番ひどい」「料理の味がしない」「見本写真と違いすぎる」といった率直な不満がタイムラインを埋め、状況は初日から波紋を広げた。
味、盛り付け、衛生面…フードへの指摘が相次ぐ
特に大きな批判を集めたのは、オリジナルメニューの品質だった。
SNSには、実際に提供された料理の写真とともに「味が薄すぎて驚いた」「じゃがいもの皮がむかれていないまま提供された」「ブロッコリーが変なにおいがした。食品衛生は大丈夫か」など、衛生面まで言及するコメントが投稿された。
メニュー写真と大きく違う盛り付けにも不満が噴出した。「彩りのないワンプレートが出てきた」「キャラクターをイメージしたデザートとは思えない」と、テーマ性を重視した企画としては致命的な指摘が並んだ。
期待していたファンの落胆は大きく、「高い料金に見合わない」「コンセプトカフェの最低ラインすら満たしていない」との声もあった。作品への愛情が深いファンほど失望を隠せなかった様子がうかがえる。
入店できない、案内が遅い、相席…運営体制への不満が炎上に拍車
フードの問題だけでなく、運営上の不備も深刻だった。
「席が空いているのに入店できない」「案内が遅くてどれだけ待たせるのか分からない」「何も説明がないまま知らない人と相席にされた」──。こうした投稿が相次ぎ、初日の運営体制が完全にオーバーフローしていたことがうかがえる。
ドリンクやグッズの品切れも、ファンの不信感を高めた。
「初日から売り切れってどういうこと」「せっかく来たのに何も買えない」との不満が寄せられ、まるで準備不足が露呈したかのような状況となった。
ファンは「作品の名前を使ったイベントでこの対応はまずい」「ブランドを台なしにしている」と怒りを募らせ、火はさらに強まった。
公式サイトが異例の謝罪 “管理体制の不備”まで明言
混乱を受け、運営側は公式サイトで謝罪文を掲載した。
「11月1日(土)より、来店いただいたお客様に対し、フードおよびドリンクの提供が大幅に遅延したこと、入店時の案内に不備があり長時間お待たせしたことについて心よりお詫び申し上げます」とし、運営上の混乱を認めた。
さらに、提供内容が事前の案内と異なっていたこと、初日から品切れが発生したことについても謝罪。「今回の不備は、店舗運営上の問題にとどまらず、事前に把握できなかった管理体制にも課題があった」と踏み込んだ反省を示した。
ここまで具体的な管理責任に言及するのは、コラボカフェ運営では異例といえる。ファンの不信を重く受け止めた形だ。
改善策を提示 全メニュー返金対応で収束を図る
運営側は再発防止策として、
- 調理・提供オペレーションの見直しと人員強化
- 盛り付け・品質基準の再確認
- 受付・案内手順の改善による待機時間の緩和
- スタッフ間の情報共有の徹底
の4点を掲げた。
加えて、「ご不便をおかけしたお客様には当日注文分の代金を返金する」と発表。品質問題を理由とする即時返金は、異例の対応といえる。
しかし、返金が“鎮火”につながるかは未知数だ。SNS上では「お金の問題ではない」「ブランドの信用を取り戻すほうが大切」との声が根強く、姿勢が本気かどうかは改善結果で判断される、とする指摘もある。
再発防止に向けた本気度が問われる
セーラームーンは国民的コンテンツであり、ファンの期待値は高い。今回の混乱で「作品の価値を損なう」と危惧する声も出ている。ブランド毀損を防ぐには、運営がどれだけ迅速に改善を実行し、透明性をもって状況を共有していくかが重要だ。
開催期間は12月30日までまだ続く。初動の不備からどれだけ立て直せるのか、そしてファンが再び足を運びたいと思える場へ変わるのか。運営の真価が試されている。



