
11月8日23時58分、人気ボーイズグループBE:FIRSTのメンバー・RYOKI(三山凌輝・26)が自身のInstagramを通じて脱退を発表した。深夜に突然発信されたメッセージは、ファンの間に衝撃を広げた。同日、グループ側からも公式に「RYOKIの脱退」を発表するコメントが出され、4年続いた“7人のBE:FIRST”は節目を迎えることになった。
RYOKI脱退コメント全文
RYOKIはストーリーズで次のように綴った。
「この度、BE:FIRSTのRYOKIは2025年11月8日(土)をもちましてグループから離れることをご報告いたします。
日頃より温かく応援してくださるファンの皆さま、そして関係者の皆さまへ、突然のご報告となることをお詫び申し上げます。
活動期間中から現在に至るまで、同じ理念を掲げながらも、それぞれの解釈により物理的に叶えることができない事情が出てきてしまいました。兼ねてから、今後の方向性について話し合いを重ねてまいりましたが、両者の視点や価値観を大事に、そして夢を叶えるためには、別々の道を歩むことが最善であると判断いたしました。
なによりこれまでBE:FIRSTとして共に歩んできたメンバーや関係者の方々に心より感謝申し上げます。また、ファンの皆様、及び関係者の皆様には、突然のご報告となることを重ねてお詫び申し上げます。
今後はそれぞれの道を進んでいきますが、BE:FIRSTやメンバー一人ひとりの未来を変わらず応援していきます。引き続き、応援してくださる皆様からもそれぞれ変わらぬ声援とご支援をいただけますと幸いです。
RYOKI」
コメントには終始、謝意と感謝が並ぶが、「同じ理念を掲げながらも、それぞれの解釈により物理的に叶えることができない事情」という一文が印象的だ。理想と現実の間に生じた亀裂が、最終的に別れを選ばせたことを暗示している。
グループ側の脱退発表
同日、BE:FIRSTの公式サイトにも脱退に関するコメントが掲載された。
「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、BE:FIRSTのメンバーであるRYOKIが、2025年11月8日(土)をもちましてグループから離れることをご報告申し上げます。
日頃より温かく応援してくださるファンの皆様、そして関係者の皆様へ、突然のご報告となりますことを心よりお詫び申し上げます。
7人での活動を心待ちにしてくださっているファンの皆さまの期待を最優先に、幾度となく協調的に話し合いを重ねてまいりましたが、それぞれの夢を叶えるためには、RYOKIのためにも、6人のためにも、別々の道を歩むことが最善だと判断いたしました。メンバー一同、これまでRYOKIと共に歩み、喜びや困難を分かち合った時間に深く感謝しています。
引き続き、6人のBE:FIRSTとして、質の高いパフォーマンスと、皆さまに愛される活動を志してまいります。
重ねて、ファンの皆様、そして関係者の皆様へ、突然のご報告となりますことを心よりお詫び申し上げます。
新しい道を歩み出すRYOKI、そして、新たな体制で前進するBE:FIRSTへ、変わらぬ温かいご声援とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。」
この公式コメントからも、メンバー間での協議が長期間にわたって行われていたことがうかがえる。グループとしても円満な別れであることを強調しつつ、「6人での再出発」を明確に掲げた。
炎上と独立、そして家族の誕生
転機は2025年春に訪れた。4月下旬、週刊誌がRYOKIの私生活を報じた。記事には、過去の交際女性との金銭トラブルや、関係者間での口論音声が記録されていたとされ、SNS上では瞬く間に炎上。
「信じていたのに」「アイドルとしての自覚がない」と批判が殺到し、ファン層の分断を引き起こした。一方で「人間らしい」と擁護する声もあり、賛否が激しくぶつかり合う状況となった。
騒動後、RYOKIは沈黙を貫き、公式活動を一時的に控える。その裏では、BMSG側との度重なる協議が続いていたという。彼は5月下旬、事務所を通じて「今回の報道含め様々な経験を経て、とても深く悩み、沢山考えました。そして、今後は『自分自身で歩むべき』と考え、独立するという結論に至りました」と発表。
活動休止も併せて明かし、「関係各所と相談の上、今後についてしっかり考える時間を作りたい」とコメントした。
この発表により、グループ内では「7人の理想像」と「個人の自由」の間で意識のズレが生まれ始めた。メンバーは支え合いながらも、RYOKIの姿勢や判断を尊重する空気が漂っていたという。
その後の彼の人生は、さらに大きな転換を迎える。8月29日、女優・趣里との結婚と第1子妊娠を同時に発表。芸能界を代表する実力派女優との結婚は大きな話題となった。
そして9月26日、「先日、無事に第一子が誕生した事をご報告します」と連名で報告。
「出産まで支えてくれた両親、周りの方々や応援してくれている皆さんに感謝申し上げます。今まで通り家族としての愛や絆を大切にし、守るべきものを必ず守っていきます」との言葉には、父親としての決意と覚悟がにじむ。
家庭の誕生は、彼にとって支えであると同時に、アイドルとしての“公”と“私”の線引きを一層難しくした。活動の継続と家族の時間、ファンの期待と自身の責任――そのはざまで揺れながらも、彼は“ひとりの表現者”としての道を模索し始めていた。
「Bye-Good-Bye」に込められた区切り
10月29日に発売されたBE:FIRST初のベストアルバム『BE:ST』。そのラストを飾ったのは『Bye-Good-Bye』だった。偶然にも、脱退を予告するかのような楽曲名が話題となり、ファンの間では「意味深すぎる」との声も上がった。
アルバム発売をもって“7人のBE:FIRST”としての一区切りを迎えた形となった。
結び
RYOKIの脱退は、炎上、独立、結婚、そして父親としての新しい人生――その全ての節目が交差するタイミングでの決断だった。
「同じ理念を掲げながらも、それぞれの解釈により物理的に叶えることができない」という言葉には、理想と現実の狭間で揺れ動いた若き表現者の葛藤がにじむ。
BE:FIRSTは今後、6人体制での再出発を図る。一方、RYOKIは新たな道を歩む。
別れは決して終わりではない。
“Bye-Good-Bye”のフレーズに込められたように、それぞれの未来へと進む彼らの姿を、ファンは静かに見守っている。



