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FUJIMOTOSANとは何者か トランプ大統領と握手した謎の男の正体

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29日、突如としてX(旧Twitter)で拡散された一枚の写真が、世界中のSNSを騒がせた。

そこに写っていたのは、ドナルド・トランプ米大統領と握手を交わす白髪の日本人男性。

蛍光イエローの帽子には「FUJIMOTO」の文字、Tシャツには自身の顔が大きくプリントされている。

投稿には「本日はお会いできて大変光栄でした、ドナルド・トランプ様。日本を再び偉大にしましょう!」と添えられ、瞬く間に700万インプレッション(29日21時現在)を突破。

ネットでは「誰だこの爺さん」「AI生成では?」と憶測が飛び交い、不可思議な人物“FUJIMOTOSAN”が一夜にして世界の話題の中心となった。

 

仮想通貨の“預言者”か、それともAIの産物か

この男の名は「藤本1954」。

InstagramやXで活動しており、自己紹介にはこう記されている。

「こんにちは、皆さん。私は東京から来た藤本です。ある夜、神に祈ったところ、仮想通貨を助けろと伝えられました。フジコインはソラヌを変えていきます。興味はパチンコと女の子です。」

奇抜な言葉とは裏腹に、Instagramのフォロワーは41万人超。

街中で若者と撮ったスナップ、ラーメンをすする姿、パチンコ台に向かう動画などが投稿され、どこか“人間味のあるミーム”として人気を集めてきた。

しかし、今回のトランプ大統領との握手写真を機に、その存在は単なるネットの笑い話を超え、現実と虚構の境界を揺るがす存在となった。

 

フジコインとは何か “神の啓示”から生まれた通貨

藤本の名を冠する仮想通貨「フジコイン($FUJI)」は、Solanaブロックチェーン上で発行されたミームコイン。

2025年4月時点で価格は1枚あたり0.0005ドル前後、時価総額は約52万ドル。

技術的革新よりも「話題性」と「コミュニティの熱量」で価値が変動する仕組みである。

公式ページには、「神に祈った夜、仮想通貨を助けよと啓示を受けた」と記されている。

まるで現代の預言者を思わせる物語だが、実態はSNS上のミーム文化に根ざしたエンターテインメントである。

藤本は「ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトは俺のいとこだ」と冗談を飛ばし、$FUJIを“日本発の奇跡”として売り出している。

一方で専門家は、「$FUJIは典型的なミームコイン。実用性よりもノリの経済圏」と分析する。

つまり、通貨そのものよりも、藤本という“キャラクター”の存在が市場の価値を左右しているというわけだ。

 

トランプとの“握手写真”をめぐる真偽論争

今回の投稿に対して、海外ユーザーも注目した。

「反射に帽子が映っている。これは本物だ」「本当に会ったのか?」「日本のRPGのサイドクエスト感がすごい」など、英語圏でも爆発的に拡散。

一方で「AIで生成された偽画像だ」「宣伝用のディープフェイクだ」といった懐疑的な声も相次いだ。

画像には確かに不自然な点が見受けられるが、AI特有の破綻は少ない。

藤本本人は真偽について沈黙を貫いており、トランプ大統領側からもコメントはない。

ネット上では、“AIが現実を侵食する瞬間”を見たような不気味さが広がっている。

 

“AIを演じる人間”という新時代の偶像

FUJIMOTOSANが本当にAIによって生成された存在なのか、それともAI的キャラを演じる実在の人間なのか、その境界は曖昧だ。

実際、新宿や渋谷では同じ姿の老人を見かけたという報告が複数ある。

そのため完全なCGではなく、“現実の人間がAIの皮をかぶって動く”というハイブリッド型の演出の可能性が指摘されている。

この“実在するミーム”という構図こそ、2025年のデジタル文化の象徴だ。

SNSが現実と虚構を混在させ、AIが個人のキャラクターを拡張する、FUJIMOTOSANはまさにその臨界点に立つ存在といえる。

 

フジモトサン現象が示すもの

フジコインの価格は依然として低水準だが、コミュニティの熱狂と話題性が連鎖すれば、DogecoinやShiba Inuのように一時的に爆発的上昇を見せる可能性もある。

一方で、ミームコイン特有のリスク――すなわち「ブームが冷めればすべて消える」という宿命も抱えている。

それでも、“ホームレス風の老人”が仮想通貨を掲げ、世界のリーダーと握手する――その構図が放つメッセージ性は、誰もが無視できない。

FUJIMOTOSANは、デジタル時代の預言者なのか、あるいはSNSが生み出した幻影なのか。

現実と虚構が溶け合う時代に生まれた“AI的カリスマ”は、今日もどこかの街角で笑っているかもしれない。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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