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池袋ガールズバー店長と“美人マネジャー”逮捕 歌舞伎町で女性を売春強要「身も心もボロボロだった」

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田野和彩

「人間として扱われなかった」。そう語るのは、歌舞伎町の“立ちんぼ”として摘発された27歳の女性だ。彼女の供述をきっかけに明らかになったのは、池袋のガールズバーを拠点とした管理売春の実態だった。逮捕されたのは店長の鈴木麻央耶(39)と、マネジャーの田野和彩(21)。暴力、監視、そして搾取――繁華街の裏側で繰り広げられていた“現代型性搾取”の構図が、今、白日の下にさらされた。

 

売春を強要された女性の悲痛な訴え

事件の発端は7月。新宿・大久保公園付近で売春防止法違反の現行犯で逮捕された女性が、取り調べで「店長に殴られ、逃げることもできなかった」と語った。警視庁保安課によると、女性は池袋駅北口近くのガールズバーに勤務していたが、店長の鈴木容疑者とマネジャーの田野容疑者から日常的に暴行を受け、売春を強要されていた。

ふたりは5月から7月にかけ、被害女性にカード型のGPSを持たせ、店内のバックヤードで寝泊まりさせながら、歌舞伎町周辺で繰り返し売春をさせた疑いが持たれている。

女性は約3か月の間に少なくとも400人近い男性客を相手にしており、売り上げは全額を鈴木容疑者へ送金。渡されたのは“食費”としての3000円のみで、レシートを提出しなければ叱責されるなど、完全に支配されていたという。

警視庁は10月15日、両名を売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕。鈴木容疑者は「売春を強要した事実はない」と容疑を否認しているが、田野容疑者は一部を認めていると報じられている。

 

ガールズバーでの“監禁支配”

舞台となったガールズバーは、池袋駅北口から徒歩3分の雑居ビル7階にある。SNS上では「朝・昼ガールズバー」として知られ、早朝営業をうたっていた。別の飲食店オーナーは「鈴木容疑者は物腰の柔らかい人物で、暴れるようなタイプではなかった」と振り返るが、同時に「店内の入れ替わりが激しかった」とも証言する。

「1年前から働いていた被害女性は素朴な子で、夜職には向いていない印象でした。半年前から姿を見なくなり、気になっていたんです。まさか立ちんぼをさせられていたとは……」

女性が寝泊まりしていたという店の裏手には、従業員が「倉庫のようなスペース」と呼ぶ一角がある。警察はここを“実質的な監禁場所”とみている。

 

“美人マネジャー”として注目された田野和彩容疑者

事件が報じられると、ネット上で大きな話題を呼んだのは田野和彩容疑者の“美貌”だった。SNSでは〈悪いことをしたのは確かだけど、ビジュが良すぎる〉〈他撮りでこの可愛さ〉といったコメントが相次ぎ、「美人マネジャー」として一時的に検索トレンド入りするほどだった。

田野容疑者を知る関係者はこう語る。
「店のナンバーワンで、誰よりも人気がありました。明るくてノリが良く、かなり飲むタイプ。お客からの指名も多く、かなり稼いでいたと思います。だけど、店長が厳しくて、女の子たちは次々と辞めていった」

SNSでは〈アイドルみたいな顔立ち〉〈ショートヘア時代が一番可愛かった〉など、彼女の容姿を賞賛する投稿があふれた。しかし、その一方で〈あれだけモテる子が、裏でそんなことをしていたなんて〉という驚きの声も少なくなかった。

外見の印象と、報道で明らかになった残虐な実態とのギャップが、人々に一層の衝撃を与えたのである。

 

テクノロジーが“監視の鎖”になる時代

今回の事件を特徴づけるのは、暴力とともにGPSによる“監視”が用いられた点だ。被害女性は「逃げる選択肢がなかった」と証言している。カード型GPSを持たされ、位置情報を常時把握されていたため、逃走は不可能に近かった。

社会部記者はこう解説する。
「従来の管理売春は物理的拘束が中心でしたが、今はデジタル管理が加わっている。逃げようとすれば即座に位置を把握され、暴行を受ける。まさに“テクノロジーによる監禁”です」

実際、被害女性の身体には20か所以上の打撲痕が見つかり、心身の疲弊は極限状態だったとされる。

 

繁華街の“昼の顔”に潜む闇

警察関係者によれば、「朝・昼ガールズバー」という業態は、夜間営業規制を回避するための抜け道として悪用されるケースがあるという。
「昼間に営業することで風営法の監視を逃れやすく、若年層や学生を取り込みやすい。今回の事件も、そうしたグレーゾーンの中で起きた」と指摘する。

華やかに見える池袋・新宿の街並み。その裏では、働く女性たちが暴力と恐怖に支配され、搾取の構造が固定化されている。立ちんぼの取り締まり強化や店舗監督体制の見直しが急務だ。

 

結語――「見た目」では測れない闇

田野和彩容疑者の“美貌”ばかりが話題をさらった今回の事件。しかし、その陰で、自由を奪われ、搾取され続けた女性がいたことを忘れてはならない。外見の華やかさの裏に潜む暴力と支配――それは、現代の性産業が抱える根深い病理を象徴している。

SNSでの軽率な称賛や憶測が、事件の本質を覆い隠してしまう危険もある。被害者が語った「人間として扱われなかった」という言葉を、私たちはもっと重く受け止めるべきだ。

――この国のどこかで、また同じような被害が繰り返される前に。


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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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