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ジャングルポケット元メンバー斉藤慎二被告、バウムクーヘン販売と「気持ちもクリーニング」発言の物議

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斉藤慎二
バームSAITOU(@baum_saitou) Instagramより

不同意性交等の罪で在宅起訴された「ジャングルポケット」元メンバー斉藤慎二被告(42)。吉本興業を契約解除され芸能界を退いた彼はいま、バウムクーヘン店「バームSAITOU」を営み、地方で移動販売を続けている。ところが販売先での「私の気持ちもクリーニングしてほしい」という発言がSNSで炎上。被害者を中傷する声や「売名」「ハニートラップ」といった憶測まで飛び交い、社会に深い影を落としている。

 

事件の経緯――芸能界からの退場

斉藤慎二被告をめぐる疑惑が最初に報じられたのは2023年夏のことだった。
テレビ番組のロケで使用していた車両、東京・新宿区内に駐車していたロケバスの中で20代女性に性的暴行を加えたとされる。被害女性は直後から警察に相談しており、同年10月に警視庁が強制性交等(当時の法的表現)容疑で書類送検したと各紙が伝えた。

当初、斉藤被告は「体調不良」を理由に活動休止を申し出た。2023年9月20日、吉本興業は公式サイトで「本人の申し出による活動休止」を発表し、その直後からテレビ出演が見送られるようになった。しかし翌月には事件の詳細が週刊誌で報じられ、SNSでは「体調不良ではなく不祥事隠しでは」との批判が拡大。芸能界における立場は一気に揺らいだ。

その後、警察の捜査が進み、2024年春までに被害女性の証言が裏付けられたとされ、検察が本格的に関与。2024年9月26日、東京地検は斉藤被告を不同意性交及び不同意わいせつの罪で東京地裁に在宅起訴した。性犯罪を厳罰化する改正刑法が2023年7月に施行された直後の事案であり、検察が改正後の条文を適用したケースとしても注目された。

起訴を受けて吉本興業はマネジメント契約を解除。斉藤被告は事実上「吉本芸人」としての籍を失い、「ジャングルポケット」も太田博久とおたけの二人体制で継続することが発表された。長年出演していたテレビ東京の「ウイニング競馬」や日本テレビの「ZIP!」など、レギュラー番組をすべて降板し、メディアから完全に姿を消した。

世間の反応も厳しかった。事件報道直後からSNSでは「大好きだった芸人だからショック」「許されない」といった声が相次ぎ、一部のファンは「真実を裁判で明らかにしてほしい」と冷静に見守る姿勢を示したものの、全体としては斉藤被告への不信感と怒りが優勢となった。

弁護士を通じて公表された被害女性のコメントは「心身ともに深く傷ついている」という切実なものだった。彼女の声が報じられると、同情の声が広がる一方、「女性の証言だけで起訴するのか」という根拠薄弱な反論も飛び交い、社会に“分断”が生まれた。

こうして斉藤被告は、人気芸人から一転して刑事被告人となり、芸能界から退場するに至った。裁判はこれから本格化するが、事件の重大性と社会的影響の大きさから、いまも注目を集め続けている。

 

「気持ちもクリーニング」発言と物議の経緯

2025年9月末、斉藤被告は栃木県小山市のクリーニング店前でバウムクーヘンを販売。その様子を収めたリール動画で「私の気持ちもぜひクリーニング、きれいにしてもらいたい」と語り、最後は芸人時代のギャグ「ハァ~イ!」で締めた。

この発言は瞬く間にSNSで拡散。「反省が見えない」「事件を茶化している」と批判が集中。X(旧ツイッター)では「#クリーニング発言」が一時トレンド入りした。

投稿された声の一部はこうだ。

「商品PRに事件を絡めるなんて不謹慎極まりない」

「被害女性の気持ちを逆なでする発言だ」

「ただの笑いで済ませられる話じゃない」

一方で「生活のために働くのは自由」「償えば再起してもいい」と擁護する意見もわずかにあったが、圧倒的多数は批判だった。

 

ネットで広がる“売名論争”と“ハニートラップ説”

炎上のなかで、一部のユーザーから「被害女性の売名行為では」「仕組まれたハニートラップでは」といった投稿も散見された。芸能スキャンダルでは定番の言説だが、今回については根拠を欠いている。

検察が在宅起訴に踏み切ったのは、証拠や供述を精査したうえで「公判維持が可能」と判断したからだ。性被害を公にすることは被害者にとって大きなリスクを伴い、匿名であっても心的負担は甚大。「売名」や「罠」と断定できる材料は存在しない。むしろこうした疑念は被害者への二次被害を助長する危険性がある。

 

被害者中傷の広がりと二次被害

SNS上では、「金目当てだろう」「売名したかったんじゃないか」といった投稿が相次ぎ、被害者に矛先を向ける声が散見された。週刊誌報道のコメント欄でも「女性の証言だけで人生を壊されるのか」といった疑念が繰り返されている。

しかし、こうした中傷は性被害者を沈黙に追いやる大きな要因だ。弁護士や支援団体は「被害を訴え出ること自体が勇気を必要とする。その声を“売名”や“罠”と切り捨てるのは二次被害にあたる」と警告する。過去にも著名人による性加害事件で、同様の誹謗が飛び交い、被害者が精神的に追い詰められた事例は少なくない。

被害者の尊厳を守るためには、SNSユーザー一人ひとりの姿勢が問われている。

 

家庭の現状――離婚は未確定、別居報道は多数

斉藤被告は2017年にタレントの瀬戸サオリと結婚し、2019年に長男が誕生している。事件後は「別居状態」との報道が複数あり、NEWSポストセブンや週刊誌も「家族と距離を置いている」と伝えた。ただし「離婚成立」という公式情報はなく、現段階では「離婚はしていないが、別居の可能性が高い」というのが報道ベースでの整理だ。

 

再起の難しさ――社会が求めるもの

群馬県高崎市での開業時には数百人が列を作り、販売は盛況だった「バームSAITOU」。握手や写真撮影に応じる姿は往年の人気を思わせた。だが、事件の裁判が続くなかで軽妙なギャグを披露しながら商売を続ける姿には、「誠意が足りない」との批判が根強い。

芸能ジャーナリストは「再起を図ること自体は否定されるべきではないが、今は裁判と真摯な反省が最優先。軽率な発言はかえって逆風になる」と指摘する。

「気持ちもクリーニングしてほしい」と笑顔で語った斉藤被告。その言葉が真実の反省を意味するのか、単なる販促の一環にすぎないのか。SNSでの炎上や被害者中傷が続く限り、彼にとって再生の道は遠い。いま社会が求めているのは、“ハァ~イ!”の声ではなく、誠実で責任ある姿勢である。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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