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中居正広「署名活動3000人突破」暴走するファン熱と報道への反発、そしてフジテレビにのしかかる453億円損害

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中居正広氏 公式サイトより

女性トラブル報道を契機に芸能界を引退した元SMAPの中居正広氏。その沈黙をよそに、一部ファンは署名活動を立ち上げ、9月23日までに3000人を超える賛同を集めた。

しかしその熱狂ぶりは「暴走」と揶揄され、ネットでは冷ややかな声が広がっている。さらに騒動の余波はフジテレビに及び、試算で約453億円もの損害を計上。株価下落やスポンサー撤退に加え、役員個人に対する50億円の損害賠償請求訴訟へと発展した。国民的スターをめぐる問題は、単なるスキャンダルを超えて、メディアと企業責任のあり方を浮き彫りにしている。

 

芸能界引退後も消えぬ「中居ロス」

2024年末、女性トラブル報道を最後に表舞台を去った中居正広氏(53)。以降、一度も公の場に姿を現していない。8月18日の誕生日には自身の有料ファンクラブサイトも閉鎖され、ファンとの交流の場も完全消滅した。
それでも「中居ロス」に苦しむ一部のファンは、むしろ結束を強めている。署名サイト「Change.org」で立ち上げられた署名活動は、わずか2か月弱で3374人の賛同を得て、目標の3000件を突破。SNS上では「拡散部隊」と呼ばれるファンが組織的に呼びかけを行い、短期間で一気に署名数を押し上げた。

 

性暴力認定と泥沼の報道合戦

事案の発端は2023年6月、元フジテレビ女性アナウンサーA氏とのトラブル。今年3月末、フジテレビと親会社が設置した第三者委員会は調査報告書で、中居氏の行為を「業務の延長線上における性暴力」と結論付けた。
これに対し、中居氏側は代理人を通じ《不同意ではなかった》と猛反論。5月以降は再三にわたり異議を唱えたが、報告書は公的な記録として残り続けた。
さらに7月6日に放送されたフジの検証番組では、中居氏やA氏本人の声が出ないまま構成され、「不完全な内容」と一部視聴者が批判。8月には『週刊文春』が「性暴力の全貌」と題してA氏側の通知書や関係者証言を掲載。これに中居氏側が再反論、A氏代理人も再び反論するなど、報道は泥沼化の様相を呈した。

 

フジテレビにのしかかる経済的損害――453億円

この騒動の余波はフジテレビ本体にも甚大な影響を及ぼした。同社が試算した損害額は 約453億円。背景には、スポンサーの契約見直しや広告収入減、番組制作の混乱、そして企業イメージの大幅低下がある。
実際、フジ・メディアHDの株価は報告書公表直後から下落基調に転じ、一時は年初来安値を記録。広告主の一部は「イメージ毀損」を理由にCM出稿を見合わせ、ゴールデン帯番組のスポンサー枠に空きが出る異常事態も発生した。
さらにフジは、危機対応の遅れと管理責任を問う形で、前社長・港浩一氏と元専務・大多亮氏に対し、 50億円の損害賠償請求訴訟 を東京地裁に提起。役員個人に責任を問う異例の展開に、業界全体が震撼している。

 

信仰告白のような署名と冷笑する世間

署名活動の主張は、《第三者委員会の調査方法は不透明》《真偽不明の報道で名誉が損なわれた》など。さらに《被災地支援に尽力してきた中居氏》を強調することで、支持の正当性を補強しようとする姿勢が見える。コメント欄には《SMAPに救われた》《復帰を願う》といった声が並び、信仰告白に近い熱量を帯びている。
しかし、世間全体の評価は冷ややかだ。
「署名で性暴力の事実が消えるわけではない」
「ファンは感情的に動いているだけで、被害者不在の議論だ」
「報道の不完全さを批判するのは分かるが、根本的な問題から目をそらしている」
「フジの損害が453億円? それこそ社会的影響の大きさを物語っている」

ネット上にはこうした否定的コメントが相次ぎ、熱狂と冷笑の温度差が鮮明になっている。

 

ジャニーズ問題との比較――構造的リスクの連鎖

今回の「中居問題」は、旧ジャニーズ事務所の性加害問題と比較されることも多い。いずれも第三者委員会による調査報告が大きな波紋を呼び、スポンサー離れや株価下落といった経済的損害を招いた点で共通している。
ただし違いは、ジャニーズ問題が事務所全体の構造的欠陥を問われたのに対し、中居氏の場合は個人のトラブルが直接的に企業経営を揺るがす事態に発展したことだ。
それでも「タレント個人と企業リスクが直結する」という構造的問題は同じであり、業界内では「フジはジャニーズ危機の轍を踏んだ」との見方も出ている。

 

暴走する熱と沈黙する本人

9月23日時点で署名は3374件。提出先にはフジ・メディアHDや第三者委員会、報道部門などが名を連ねる。しかし署名活動はあくまでファン心理の表出であり、報告書の結論や報道内容を覆す力は持たない。
一方フジは、スポンサー離れや株価下落といった“経済的現実”に直面しており、50億円訴訟の行方は業界の注目を集めている。
そして何より、中居氏本人は沈黙を貫く。ファンの声援が届いているのか、それとも意図的に距離を置いているのか。53歳の元国民的スターをめぐる騒動は、芸能と報道の枠を超え、メディア産業の信頼と企業リスクを問う深刻な事件へと変貌している。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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