
登録者数129万人を抱える旅系YouTuber「バッパー翔太(Bappa Shota)」氏が、新疆ウイグル自治区を取材した動画を公開した直後から2か月以上更新を止めている。ファンの間では「中国当局に拘束されたのではないか」との憶測が相次ぎ、安否をめぐる不安が急速に広がっている。
6月28日に公開された動画「中国ウイグル自治区と強制収容所の実態がとんでもなかった」は、255万回以上再生され大きな反響を呼んだ。動画内で氏は「ジャーナリストは立ち入り禁止だが、自分はYouTuberだから大丈夫だと思った」と語りつつ、現地の「職業訓練施設」を取材。住民が「幸せだ」「平穏だ」と繰り返す姿を紹介したが、その不自然さに視聴者から疑念が噴出していた。
SNSに募る心配の声
YouTubeのコメント欄には、沈黙を案じる声が次々と寄せられている。
「元気だといいな、過去の動画を見て待っています」
「彼の性格上、心配をかけたまま旅を続けるとは思えない」
「これだけ騒ぎになっているのに、無事であると示さないのは異常だ」
さらにXやInstagramでも、「ストーリーは更新されているが、本人が自発的に投稿しているのか不自然に感じる」「強制的にやらされているのではないか」といった疑念が相次いでいる。SNS上では「別人がアカウントを管理しているのでは」「言わされている感が強すぎる」との声も目立ち、ファンの不安を一層煽っている。
フィフィ氏の指摘が波紋
タレントのフィフィ氏も9月10日、自身のXで次のように投稿した。
「#bappashota さんストーリーは更新されたのを見ましたが、ウィグルの動画から2ヶ月間も更新が止まっているのは不自然です。何もなければ良いのですが、視聴者が困惑しています」
この投稿は13日午後までに37万以上のインプレッション、約1万人の「いいね」を集め、著名人まで巻き込んだ形で安否を問う声が急速に広がっている。
新疆の現実と国際的な視線
新疆ウイグル自治区は、かつて「東トルキスタン」と呼ばれた地域で、イスラム教徒のウイグル族が多数を占める。1949年の中国編入以降、宗教や文化の自由が大きく制限されてきた。中国政府は「職業訓練施設」と説明するが、西側諸国や人権団体は「強制収容所」と指弾。最大200万人規模の拘留や拷問、強制労働の存在が告発されている。
こうした国際的に敏感なテーマを動画で取り上げたことが、Bappa Shota氏の沈黙に繋がっているのではないかとの見方が広がっている。
真相は依然として不明
現時点でBappa Shota氏の所在や安否について、本人や関係者から公式な発表はない。SNSには「ただ無事を祈るしかない」との声が溢れ、ファンや視聴者の不安は日増しに強まっている。
今回の沈黙は、YouTuberが世界の「闇」を取材し伝えることのリスクを突きつけている。果たして彼は本当に自由を奪われているのか、それとも別の理由で姿を消しているのか。真相は未だ闇の中にある。