
気象庁は3日、日本の南にある熱帯低気圧が今後12時間以内に台風に発達する見込みだと発表した。発生すれば台風15号となり、4日未明には奄美・九州南部に接近し、鹿児島県本土に上陸する可能性がある。その後、6日にかけて西日本から東日本を横断する恐れがあり、広い範囲で警報級の大雨に警戒が必要となる。
九州南部・奄美地方に接近
3日午後3時現在、熱帯低気圧は南大東島の南南東約70キロにあり、中心気圧は1004ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は15メートル、最大瞬間風速は23メートルで、時速25キロで北北西へ進んでいる。
4日午前3時には奄美大島の東約100キロに達し、中心気圧は1002ヘクトパスカル、最大風速18メートルと予想される。さらに同日午後3時には屋久島の北西約40キロに進み、鹿児島県本土に上陸する可能性がある。
西日本から東日本へ 5日は東海・関東で大雨
台風の中心は5日午後3時には東日本付近に達し、中心気圧は1000ヘクトパスカル、最大風速18メートルの見込み。6日には日本の東の海上で温帯低気圧に変わる予想だ。
台風周辺から流れ込む暖かく湿った空気の影響で、九州から関東の太平洋側を中心に広く雨が強まる見込み。特に東海・関東は5日昼前から夜にかけて雨のピークを迎え、土砂災害や河川の増水、低地の浸水に警戒が必要となる。
高い海水温で勢力維持か
日本周辺の海水温は平年より2度ほど高い。台風が太平洋岸を進んだ場合、勢力を維持したまま東へ進む恐れがある。気象庁は「進路や勢力は変化する可能性があり、最新の台風情報や防災情報に十分注意してほしい」と呼びかけている。
想定される雨・風の影響
- 3日18時〜4日18時の24時間降水量
宮崎県 180ミリ、鹿児島県 150ミリ、奄美地方 100ミリ - 最大瞬間風速
九州南部・奄美地方で25メートル前後(4日中心) - 波の高さ
4日には宮崎・鹿児島で4メートル、奄美地方で4メートル(うねりを伴う)
今からできる災害対策
台風接近を前に、家庭で備えられることは少なくない。家の周囲を確認し、排水溝や雨どいの詰まりを取り除いておくと浸水被害を防ぎやすい。庭やベランダの植木鉢や自転車など、強風で飛ばされる恐れのあるものは屋内へ移動しておくとよい。
停電や断水に備えて、スマートフォンやモバイルバッテリーを満充電にし、懐中電灯やランタンを手元に置く。飲料水や非常食も数日分確保しておくと安心だ。避難が必要になった場合に備え、最寄りの避難所や避難経路を確認し、非常用バッグを玄関近くに準備することも重要である。
何より大切なのは最新の情報をこまめに確認することだ。警報や避難指示が出た場合は、迷わず安全な場所へ移動してほしい。