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アフガニスタン東部でM6.0地震 死者800人超 救助難航と浮き彫りになる課題

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アフガニスタン
PhotoACより

アフガニスタン東部で8月31日深夜、マグニチュード6.0の地震が発生し、死者は800人超に達した。山岳地帯で道路が寸断され救助は難航、病院には負傷者が殺到している。国連や日本政府は支援を表明したが、脆弱な住宅事情や過去の大地震と重なる被害は、国際的な防災支援の必要性を浮き彫りにしている。

 

 

真夜中を襲った揺れ

8月31日深夜(日本時間9月1日未明)、アフガニスタン東部を突如として強い揺れが襲った。米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はマグニチュード6.0。震源はナンガルハル州ジャララバードの東方約27キロで、深さは8キロと浅かった。
夜の静寂を切り裂いた揺れは瞬く間に家々を崩し、眠っていた住民を瓦礫の下に閉じ込めた。

 

被害の広がりと救助の困難

タリバン暫定政権は1日、死者が800人以上、負傷者は2000~2800人に上ると発表した。特にクナール州では多数の家屋が倒壊し、土砂崩れも発生。山岳地帯にあるため道路が寸断され、救助活動は難航している。
病院には負傷者が次々と運び込まれ、献血を申し出る市民の姿も見られる。だが医薬品や食料、救助機材は圧倒的に不足しており、被害はさらに拡大する恐れがある。

 

国際社会の反応

日本の林芳正官房長官は会見で「多数の死傷者に深い悲しみを覚える」と述べ、邦人被害は確認されていないとした。国連のグテレス事務総長もSNSで「アフガンの人々と連帯し、国連チームが全力で支援する」と表明。複数の人道支援団体も現地入りを試みている。

 

背景にある脆弱性

アフガニスタンはインドプレートとユーラシアプレートの境界に位置し、地震が頻発する。住宅の多くは泥レンガや弱いコンクリートで建てられ、耐震性が極めて低い。今回もその脆弱さが被害を拡大させた。
2022年には東部でM5.9の地震が発生し1000人以上が死亡、2023年には西部ヘラート州でM6.3の地震が起き約1500人が犠牲となった。わずか数年で繰り返される惨事は、災害に備える体制がいかに不十分かを示している。

 

今後の課題

「地震は避けられないが、被害は減らせる」。しかし、内戦と政情不安を抱える同国で、防災インフラや建築基準を整備するのは容易ではない。被災地では今も瓦礫の下から救助を求める声が上がり、余震が人々を不安に陥れている。
国際社会の支援とともに、災害への備えをどう築いていくのか。アフガニスタンの課題は、自然災害が頻発する国々に共通する重い問いを突きつけている。

 

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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