![TBSドラマ日曜劇場「VIVANT]](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/08/VIVANT.jpg)
山間部ロケでの悲劇
8月29日、TBSは人気ドラマ『VIVANT』続編の海外ロケ中に事故が発生したと発表した。27日、アゼルバイジャン共和国の山間部で、撮影用の衛生設備品を運搬していたトラックが道路から転落。運転していた52歳の男性が死亡し、同乗していた48歳の男性が骨折するという痛ましい事態となった。
TBSは「昨年から入念な下見を行い、27日から撮影を開始する予定だった」と説明し、謝罪。現在は現地の安全状況を再点検しつつ、撮影再開の可能性を模索しているという。続編を待ち望んでいたファンにとって、まさに衝撃の一報となった。
『VIVANT』前作の社会現象と視聴率の軌跡
『VIVANT』は2023年7月期に放送された日曜劇場枠の大作である。初回放送は11.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)でスタート。第2話は13.8%、第3話は14.3%と数字を伸ばし、第7話では16.2%を突破。物語が核心に迫る終盤にはSNSで“考察合戦”が大流行し、第9話は18.3%、
最終回の第10話では19.6%を記録した。瞬間最高視聴率は23.4%。全10話の平均は14.3%となり、TVer累計再生数は3,000万回を超えた。
「別班」や「乃木憂助の正体」といったキーワードが放送翌日には必ずトレンド入りし、数字以上に強烈な社会現象を巻き起こしたのが特徴だ。リアルタイム視聴と配信視聴が融合した“新時代の国民的ドラマ”とも評された。
SNSに広がるファンの動揺と声
続編制作は今年6月、主演の堺雅人が『THE TIME,』に生出演してサプライズ発表され、視聴者は歓喜に沸いた。だが今回の事故で空気は一変。SNSには次々とファンの声が寄せられた。
《え、嘘でしょ?VIVANTの続編どうなるの…》
《待ちきれなくて2026年のカレンダーに放送日印つけてたのに》
《これは延期確定では…お蔵入りだけは勘弁》
《命が失われたのは本当に痛ましいこと。どうか安全第一で》
《この作品は奇跡のキャストが揃ってるから、なんとしても放送にこぎつけてほしい》
《制作陣もキャストも無理はしないで。ファンは必ず待ってる》
痛ましい事故に心を痛めつつも「どんなに時間がかかっても待つ」という声が圧倒的に多く、ファンの支持の厚さが際立った。
豪華キャストと過密スケジュールの難題
芸能ジャーナリストは、今後の制作に立ちはだかるスケジュール調整の難しさを指摘する。
「主演の堺雅人さんは2026年1月に映画撮影が予定されています。
他のキャストも日本を代表する俳優ばかり。『VIVANT』は物語の時系列に関係なく、スケジュールが合う俳優のシーンから撮影しているそうですが、今回の事故による遅延はさらに調整を複雑にするでしょう」
放送延期は現実味を帯びつつあるが、逆境を乗り越えて完成した作品はむしろ伝説的な評価を得る可能性すらある。
ロケ地と制作費の裏側
『VIVANT』の特徴のひとつは、国内外での壮大なロケである。前作はモンゴルや日本国内の砂漠地帯などで撮影され、そのスケール感が「映画並み」と称された。続編でアゼルバイジャンが選ばれたのも、同国が山岳や砂漠など多彩な地形を持ち、物語の舞台にふさわしいと判断されたからだという。
制作費は前作ですでに1話あたり1億円規模と報じられ、全体で数十億円にのぼったとされる。続編はさらに規模を拡大し、民放ドラマとしては異例中の異例の投資額になると業界で噂されている。だからこそ、今回の事故は経済的にも大きな打撃であり、局内に緊張が走った。
日曜劇場の伝統と比較される重圧
『VIVANT』の成功は、TBS「日曜劇場」枠の歴史の中でも特筆すべきものだ。2013年の『半沢直樹』第1シリーズは最終回42.2%という驚異的な数字を記録。2020年の続編も最終回32.7%を叩き出し、令和における最高水準を更新した。
また『下町ロケット』(2015年)は平均18.5%、『陸王』(2017年)は平均16.7%と、いずれも国民的ドラマとして記憶に残る存在だ。『VIVANT』はそれらと比較すると視聴率こそやや低いが、SNSや配信での爆発力を武器に“新しい日曜劇場像”を切り拓いたといえる。
続編は単なる続きではなく、「日曜劇場の未来を背負う作品」としての重圧を背負っている。その中で発生した今回の事故は、局にとっても視聴者にとっても計り知れない衝撃だった。
前作の熱狂を知るファンは「どれだけ時間がかかっても必ず見る」と言い切る。TBSに求められるのは、安全対策を徹底し、信頼を損なわないかたちで制作を継続することだ。
悲劇を経た現場が立ち直り、再び“日曜の夜の熱狂”を届けられるか。『VIVANT』続編は、日本のドラマ界全体が注視する試練の一作となった。