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トランプ大統領の「ゴールドカード」構想とは 7.5億円でアメリカ永住権を取得可能に?他国の永住権とも比較

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トランプ大統領の「ゴールドカード」構想とは 7.5億円でアメリカ永住権を取得可能に?
DALL-Eで作成

アメリカの永住権を7.5億円で購入できる。そんな大胆な移民政策をトランプ大統領が発表した。「ゴールドカード」と名付けられたこの制度は、富裕層を対象にしたもので、既存の投資永住権プログラム(EB-5)に代わる新たな仕組みとされている。だが、この政策は果たして成功するのか。他国の永住権制度と比較しながら、その実態を掘り下げる。

 

トランプ大統領が発表した「ゴールドカード」制度とは?

トランプ米大統領は2月26日、米国の永住権を取得できる「ゴールドカード」制度を発表した。この制度では、外国人投資家が500万ドル(約7.5億円)を支払うことで、米国の永住権(グリーンカード)を取得し、市民権への道が開かれるというものだ。

「ゴールドカード」の概要

・取得条件:500万ドル(約7.5億円)の投資
・権利:米国永住権(グリーンカードと同様の権利)
・開始時期:2週間以内(トランプ大統領の発言による)
・議会の承認:不要
・企業による購入も可能

トランプ大統領は「ゴールドカードは飛ぶように売れるだろう」と述べ、富裕層の移民が米国に経済的貢献をもたらすと主張している。

「ゴールドカード」は何が違う?既存制度との比較

EB-5投資永住権プログラムとの違い

米国にはすでに、一定の投資を条件に永住権を取得できる「EB-5」ビザが存在する。EB-5では、90万ドル(約1.3億円)以上を米国の事業に投資し、10人以上の雇用を創出することが求められる。

一方、「ゴールドカード」は500万ドルを政府に直接支払うだけで済む。雇用創出などの要件はなく、手続きも簡素化される可能性が高い。

ゴールドカードEB-5ビザ
投資額500万ドル(約7.5億円)90万ドル(約1.3億円)~180万ドル(約2.6億円)
雇用創出要件なし10人以上の雇用創出が必要
投資先政府に直接支払い民間企業や開発プロジェクト
申請手続きの簡易性比較的簡単手続きが複雑

米企業の反応

「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、多くの企業はこの制度に関心を示している。特に、シリコンバレーのテック企業は、海外の優秀なエンジニアや起業家を雇用する新たな手段として歓迎する可能性がある。

「ゴールドカード」には賛否両論

 

富裕層の移民による経済効果

米国経済にとって、富裕層の移民は税収の増加や投資の拡大につながる可能性がある。彼らは高額な不動産を購入し、ビジネスを立ち上げることが多いため、地元経済の活性化にも寄与する。また、高所得者が納める税金は国や自治体の財政基盤を支える重要な要素となる。トランプ大統領は、こうした富裕層の流入が米国に新たな雇用機会を生むと強調している。

米国への投資促進

政府に直接500万ドルを支払う仕組みであるため、この制度が成功すれば、米国の財政赤字削減に寄与する可能性がある。既存のEB-5プログラムでは、投資が民間のプロジェクトに分散されるため、必ずしも政府の資金調達には直結しなかった。「ゴールドカード」制度は、国家財政の強化を目的とした大胆な戦略といえる。

「お金で永住権を買う」ことへの倫理的批判

一方で、「永住権を金銭で購入できる制度」に対する批判も強い。米国の永住権は、通常は雇用や家族関係、難民認定などを通じて取得されるが、今回の「ゴールドカード」は資産を持つ人だけが対象となる。このような仕組みは、経済的に恵まれた人々を優遇し、移民政策の公平性を損なうとの指摘がある。また、米国民の間でも、「富裕層だけに特権を与えるのは不公平」との反発が予想される。

課税の問題

米国は世界所得に対して課税するため、一部の投資家は税負担を避けるためにこの制度を敬遠する可能性がある。米国の税制では、永住権を取得すると国外所得も対象となるため、シンガポールやモナコといった低税率国に拠点を置く富裕層にとっては大きなデメリットとなる。結果として、米国の税負担を回避するためにゴールドカードを取得しない選択をする富裕層も少なくないと予想される。

他国の永住権制度と比較!「ゴールドカード」の魅力は?

米国以外にも、投資によって永住権を取得できる国は多い。主な投資永住権制度を設けている国は以下の国が挙げられる。

国名必要な投資額取得条件
ポルトガル50万ユーロ(約8000万円)不動産投資・5年の滞在
カナダ120万ドル(約1.8億円)事業投資・管理経験
シンガポール250万シンガポールドル(約2億円)事業投資・雇用創出

こうした国々と比べると、「ゴールドカード」の500万ドルという金額は突出して高額だ。しかし、米国の経済規模やブランド価値を考慮すると、それでも魅力的だと考える投資家もいる。

まとめ:「ゴールドカード」は本当に価値があるのか?

トランプ大統領の「ゴールドカード」構想は、富裕層向けの新たな永住権取得制度として注目されている。しかし、他国の永住権制度と比較すると投資額が高く、課税の問題もあるため、慎重な判断が求められる。しかし、まだこの制度の詳細は出されていない。制度の詳細が明らかになるにつれ、その真価が問われることになるだろう。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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