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売上過去最高なのに…マネジメントソリューションズ元幹部による4300万円キックバックの呆れた実態

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「プロジェクト管理」のプロが自社の不正は管理不能!?

MSOL
コーポレートサイトより

企業のプロジェクトを成功に導く「PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」の専門会社として知られる株式会社マネジメントソリューションズ。顧客のマネジメント向上を謳う同社だが、足元の自社内ではとんでもない不正プロジェクトが長年進行していたようだ。

 

「PMOのプロ」の足元で起きていた長期の不正

同社が2026年2月16日に公表した適時開示のお知らせによると、同社の元経営幹部職員(A氏)および連結子会社の元経営幹部職員(B氏)の2名が、外部委託先からの金員受領、いわゆるキックバックを受け取っていたという。

驚くべきはその期間と金額である。A氏においては2019年9月から2025年9月頃までに約4,000万円、B氏においては遅くとも2015年4月頃から2022年11月にかけて少なくとも300万円超を受領したと推認されている。

不正発覚の端緒となったのは、2025年3月にB氏の自宅住所を本店所在地とした法人が登記され、同社の外部委託先との取引の存在が疑われたことだった。

 

業績は好調!イケイケの裏で疎かになったガバナンス

なぜこのような不正が長期にわたって見過ごされたのか。その大きな要因は、皮肉にも同社の好調な業績にあったようだ。

実は同社の2025年12月期通期決算を見ると、売上高は230億円、営業利益は27億円と、ともに過去最高を更新している。2018年の上場時から売上高は約8倍に急拡大しており、2026年12月期も売上高260億円(12.7%増)を見込むイケイケぶりだ。

株主還元にも積極的で、次期の1株当たり配当額を50円へ増配し、中期的には配当性向50%を目指すとしている。さらに中長期経営計画「Beyond1000」では、2030年に売上高500億円、2035年には1000億円という強気な目標を掲げているのだ。

 

しかし、この飛ぶ鳥を落とす勢いが歪みを生んだ。特別調査委員会の報告でも、不正の機会を与えた背景として「外部の委託先選定プロセスでの裁量が大きい」「権限の集中」に加え、「売上成長重視によるコンプライアンス意識の希薄化等」といった企業風土の問題がはっきりと指摘されている。

業績拡大というアクセルをベタ踏みする一方で、自社のガバナンスというブレーキの整備が完全に後回しになっていたのだ。

 

呆れた言い分と、決算ラッシュに埋もれた不祥事報告

さらに呆れるのは当事者たちの言い分だ。会社側は「発注金額の水増し等の事実は認められませんでした」としているが、当事者も「当社の利益を毀損しておらず、外部委託先と当事者にとって『Win-Win』」などと自らの行為を正当化していたという。

結果的に直接的な金銭的損害はなかったというが、この事態を究明するための調査費用として、約8878万円もの特別損失を計上する羽目になっている。なお関係者の処分として、1名は既に退職済み、もう1名は就業規則に基づき経営幹部職を解任されたとのことだ。

 

さて、本件の適時開示を見てみると、報告書はわずか2ページ。原因分析や再発防止策に至っては箇条書きで、なかなか見ないレベルの簡素な書き方で済まされている。業績への影響がないと判断した場合、フルバージョンの分厚い報告書を出さずに要約版で済ませることはときど~き、他社でもあり、ルール違反というわけではない。

ただ、少々残念だな。さらには同社のコーポレートサイトでの見せ方も。この不祥事が公表された年2月16日は、まさに前述の輝かしい決算説明資料などが発表された日と同日である。上場企業として複数のリリースが立て続けに出ること自体は仕方がない。しかし結果として、この「不適切な行為に関するお知らせ」は新しいニュースに押し流され、ウェブサイトのページを潜っていかないと見つけにくい位置に追いやられている。

 

本当に潔く反省し、さらなる高みを目指すのであれば、こうした不祥事の報告こそ一定期間トップページの上部に固定しておくのが、自信と誠実さを兼ね備えた企業のあり方ではないだろうか。「本当は決算ラッシュに紛れ込ませて目立たせたくなかったのでは?」と邪推されては、せっかくの素晴らしい成長ストーリーに泥を塗ることになる。

決算資料を見れば見るほど、売上も利益も好調 。中計目標も野心的。「これは今後さらに期待できる銘柄か?」と調べていた筆者としては、この足元のお粗末な不正事案と、その後の「ひっそり開示」には、つい小言の一つも言いたくなってしまったというわけだ。

顧客には「プロジェクトの可視化」や「リスク管理」を声高に指南しているプロ集団なのだから、自社の不祥事とその対応プロセスこそ、最高のお手本として誰よりも堂々と可視化してみせてほしいものである。失墜した信頼をどうマネジメントしていくのか、まずは自社の情報開示の姿勢こそが問われている。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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