ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

パン廃棄1300t削減 クアッガが変えた「捨てる」常識

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
パン廃棄1300t削減 クアッガが変えた「捨てる」常識
提供:合同会社クアッガ

パン屋にとって、夕暮れ時の棚に並ぶ売れ残りほど切ないものはない。そんな業界の「当たり前」を、合同会社クアッガはITの力で劇的に塗り替えた。パン愛好家が「お取り寄せ」を楽しみながら社会貢献に加担する、新たな消費の潮流を追う。

 

食品ロス削減の救世主か、累計1300トン突破の衝撃

閉店間際のパン屋。芳醇な香りが漂う店内で、丹精込めて焼かれたパンがゴミ箱へ運ばれる光景は、長らく業界の構造的課題とされてきた。この難題に真っ向から挑んだのが、合同会社クアッガが運営する「rebake(リベイク)」である。

同サービスを通じたロスパンの累計削減量が1300トンを突破した。2018年の始動から7年、その数字はパン業界におけるフードロス対策の決定打となりつつある。コロナ禍による内食需要の一巡後も、同サービスの会員数は20万人を超え、右肩上がりの成長を続けている事実は特筆に値する。一過性のブームではなく、消費者のライフスタイルに深く根を下ろした証左といえよう。

「ロスパン」が9割、善意を娯楽に変える独自プラットフォーム

リベイクの最大の特徴は、単なる通販サイトに留まらない「仕組み」の妙にある。サイト上では注文後に焼き上げるセットも販売されているが、驚くべきことに購入の約90%が、店頭で売れ残る可能性のあった「ロスパン」だという。

他社の一般的なECサイトが「焼きたて」や「希少性」を売りにするなか、リベイクはあえて「廃棄の危機にあるパン」を主役へと押し上げた。利用者は、全国各地の名店の味を安価に楽しめるだけでなく、自らの購入が直接的に社会課題の解決につながるという実感を抱く。この「お得感」と「貢献感」の絶妙なバランスこそが、既存のプラットフォームにはない独自性である。

職人の「心の痛み」を解かす、クアッガの静かなる哲学

 

「人にも食べ物にも幸せな世界」を掲げるクアッガの根底には、パン職人が抱える心理的負荷への深い共感がある。丹精込めたパンを捨てる瞬間、職人の心は削られる。代表の斉藤優也氏は、単に経済的損失を補填するだけでなく、職人の矜持を守ることを重視してきた。

「美味しいと言ってもらえる幸せを届け、廃棄の罪悪感をなくす」。この哲学は、プラットフォームを通じて交わされる購入者からの温かなレビューという形で具現化されている。単なる「モノの流通」を「想いの循環」へと昇華させたことが、供給側であるパン屋からの絶大な信頼を生む原動力となった。

経済性と倫理が両立する、持続可能なビジネスモデルの教訓

クアッガの歩みは、現代のビジネスパーソンに「三方よし」の現代的解釈を提示している。消費者は楽しみながらロスを減らし、生産者は廃棄を利益に変え、社会は環境負荷を低減する。誰も犠牲にしないモデルは、言葉で言うほど容易ではない。

しかし、同社は「お取り寄せ」という日常的な楽しみに、フードロス削減という重いテーマを自然な形で溶け込ませた。この「無理のないサステナビリティ」への転換こそ、今後のあらゆる産業が直視すべきヒントではないだろうか。1300トンの削減という金字塔は、一つのプラットフォームが業界の文化すらも変え得るという希望を、静かに、しかし力強く物語っている。

Tags

ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

関連記事

タグ

To Top