
2月10日、競泳男子で五輪メダリストの瀬戸大也と、元飛び込み日本代表の馬淵優佳が、それぞれのインスタグラムを通じて離婚を発表した。結婚から約9年。ともに31歳、2児の父母として歩んできた時間に、ひとつの区切りが打たれた。
同時に発信された、穏やかな言葉
馬淵さんは「応援してくださる皆様へ」と書き出し、「私事で恐縮ではございますが、このたび、離婚が成立いたしましたことをご報告申し上げます」と淡々と報告した。続けて、「今後は子どもたちとの生活を大切に守りながら、これまで以上に仕事に邁進してまいります」と記し、母として、そして一人の社会人としての再出発をにじませた。
一方、瀬戸もほぼ同時刻にインスタグラムを更新。「これからは子供達の幸せを協力して守っていく所存です」と述べ、「新しい人生のスタートを温かく見守っていただけますと幸いです」と呼びかけた。感情を過度に表に出すことはなく、双方の投稿からは、熟慮の末に至った決断であることがうかがえる。
不倫報道、五輪、そして決断まで
2人は2017年に結婚し、2018年に長女、2020年に次女が誕生した。しかし2020年秋、瀬戸の不倫が週刊誌で報じられ、日本水泳連盟から活動停止処分を受ける事態に発展した。競技人生の危機と家庭の動揺が同時に訪れた時期だった。
それでも夫婦関係は即座に解消されることはなく、2021年の東京五輪では、馬淵さんがスタンドから瀬戸を応援する姿も報じられている。外から見れば「再生」を選んだようにも映ったが、水面下では時間をかけた対話と葛藤が続いていたとみられる。
「妻」や「母」だけではない自分を取り戻すまで
今回の発表で注目を集めたのが、馬淵さんが所属事務所のインスタグラムにつづった長文のメッセージだ。「飛込競技一筋で生きてきた私が、引退後23歳で『妻』や『母』という役割だけになり、自分が何者なのかわからなくなっていく」。名刺を差し出されても、肩書がない。そんな喪失感を、率直な言葉で明かした。
馬淵さんは2008年の日本選手権優勝、インターハイ3連覇という輝かしい実績を持つアスリートだ。2人目の出産後には現役復帰し、パリ五輪を目指したが出場はかなわず、2024年に2度目の引退を決断した。「どんな環境からでも、人生は自分次第で何度でも始められる」という言葉は、同じ立場にある多くの人の胸にも響いた。
トップアスリートとしての瀬戸大也
瀬戸は世界水泳で金メダル4個を獲得し、日本競泳界を長年けん引してきた存在だ。2016年リオ五輪では男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。五輪3大会連続出場という実績を残している。家庭と競技、その両立の難しさを経験した末に迎えた今回の転機は、競技人生の後半をどう歩むのかという問いも投げかけている。
「家族の形」が変わるだけ
離婚という言葉が前面に出る一方で、双方が繰り返したのは「子どもたちの幸せを守る」という一文だった。夫婦という形は終わっても、親としての関係は続く。静かだが、強い意思を感じさせるメッセージだった。



