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ゾススクール“公開処刑”動画に学生がまさかの感謝 罵倒は「愛の鞭」か「洗脳」か 令和のスパルタ議論

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ZOSS Schoolのパワハラ動画が拡散

「目標40万円に対し6万円。いてもいなくても変わんない」「どうこれ? クビじゃね!?」

オフィスで一人の若者が指導者に立たされ、衆人環視の中で罵声を浴びせられる動画がTikTokからXへと拡散され、瞬く間にネット上を震撼させた。

株式会社グローバルパートナーズが運営する無料ビジネススクール「ZOSS School(ゾススクール)」での一幕とされるこの光景に対し、専門家やネット民からは厳しい批判が殺到している。

しかしその一方で、現役生からの擁護の声も上がり、議論はカオスな様相を呈している。

 

公式サイトが謳う「稼ぐを学ぶ」理念と現場のギャップ

渦中の「ZOSSスクール(ZOSS School)」とは、一体どのような組織なのか。同スクールの公式サイトによると、そのコンセプトはズバリ「稼ぐを学ぶ」である。急速に変化する時代において、挑戦者として成長するために必要な稼ぐ力を身につけることを目的としており、その最大の特徴は座学にとどまらない「超実践重視」のカリキュラムにあるという。

具体的には、実際の営業現場に出向いて顧客とのコミュニケーションや提案を行う「営業実践プログラム」や、マーケティングやファイナンスの基礎知識を学び実践的な思考力を養う「ビジネス座学」、さらには成長ベンチャー企業への独自のパイプを持ち、実績を可視化して就職活動を有利に進める「独自の採用ルート」などが用意されている。

サイトでは「挑戦と失敗を歓迎する文化」を高らかに謳っており、「まだ何者でもない君だから、変えられる」という熱いメッセージとともに、失敗を恐れずに試行錯誤できる環境を提供していると説明されている。

今回拡散された動画は、まさにこの営業実践の振り返りの場面と見られるが、公式サイトで掲げられている「失敗を歓迎する文化」と、動画内で見られた「失敗を許さず大勢の前で詰め寄る姿」との間には、いささか大きな乖離があるようにも映る。

 

専門家は「パワハラ」と断罪、ネットでは指導体制への疑念が噴出

さて、動画内では、指導者が大学1年でインターン生の山本空さんに対し、周囲の学生に同意を求めながら精神的に追い詰める様子が映し出されている。

この動画に対し、パワハラの専門家である新田龍氏は、優越的な関係を背景に業務の適正範囲を超えて精神的苦痛を与えている点などから、パワハラが成立する3要素をすべて満たしていると断じた。特に「いてもいなくても変わんない」といった発言や、周囲に同意を求める姿は単なる指導の範囲を超えて威圧的であり、職場環境に悪影響を及ぼしていると指摘されている。

ネット上の反応も辛辣だ。X上では「採用した人事も問題だし、不得意なことをやらせてるマネジメントも問題」といった声や、「これを本人個人の問題にしてるうちはマネジメント側の問題の方が大きい」といった組織風土を疑う意見が噴出している。

また、指導者が周囲の人間に「こいつダメだよな?」と同意を求めるやり方は人格攻撃に近く、マネジメント側の管理不足を露呈しているという厳しい指摘も相次いだ。

 

謝罪する人事部長と「特訓」と言い切る社長の温度差

事態を受け、グローバルパートナーズの取締役・人事広報部長の手島絵理子氏はX上で声明を発表した。

手島氏は「TikTok等で拡散されている動画により、皆様に多大なるご心配とご不快な思いをおかけし、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、動画内の指導者の発言は不適切であったと認めている。手島氏は、当該動画がスクールにおける生徒への振り返りの場であり、雇用関係に基づくものではないと釈明しつつも、感情的な発言については深く反省し、指導者への厳重注意と再教育を徹底することを約束した。

 

詰められた学生は感謝の「神対応」、現役JK生は「社会がぬるい」と一蹴

さらに事態を複雑にしているのが、当事者である学生たちの反応である。動画で激しく罵倒されていた山本空さん(SNSアカウント名)本人は、自身のXを更新し、「怒られているきっかけは自分が作っているので、自分が100%悪いです。ここまで言ってくれる上司は今の時代珍しく、とても良い刺激になりました」と、感謝と反省の言葉を綴った。

山本さんはこの日付で「辞めました」と報告しているが、逆境をポジティブに捉え、自ら事態の収拾に動くその立ち回りは、ネット上で「メンタルが強すぎる」と驚きをもって受け止められた。

 

現役生からも強烈な擁護の声が上がっている。「天藍(あお)ゾススクールJKラッパー」と名乗る人物は、「これで炎上してる日本の社会ほんとにぬるいよ。結局こうやって普段から公開してるゾススクールに入ったのも自分。日々自分自身が無能って思わされるからもっと頑張ろうってなるのに」と投稿。

彼女は「今の日本はそれが足りてない。他責思考の大人が多くてやになっちゃう」と結んでおり、外野による「パワハラ」という断定を冷ややかに切り捨てている。

営業力を養う「虎の穴」か、それとも単なる「人格攻撃」か

 

今回の騒動は、令和の時代における厳しい教育環境の是非を改めて問い直すものとなった。彼らは無理やり働かされている従業員ではなく、自ら志願してスキルを学びに来た生徒である。自分から学びに来ているスクールであれば、どのような指導を受けるかは自由ではないかという見方もできる。

営業の難しさを体感し、ガッツや営業力を養うには、むしろ相応しい環境なのかもしれない。事実、山本さんのSNSでの見事な対応を見る限り、かなり鍛えられていることは確かだ。あるいは、最初からこうした過酷な環境に飛び込もうという気概がある学生だからこそ、これほどの立ち回りができるとも考えられる。

 

一方で、指導者が「どうこれ? クビじゃね!?」と周囲に同意を求め、集団で一人の生徒を吊し上げるような手法が、あまりに汚く未熟である事実は動かない。

たとえ学生側に気概があり、結果的に良い刺激になったとしても、指導する側が感情に任せたやり方を「特訓」として正当化し続けるのであれば、それは単なる人格攻撃の域を出ないだろう。

本人の成長意欲と、指導側の資質。その狭間で揺れるゾススクールの実態は、今後も議論の的となりそうだ。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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