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箱根の温泉が「若返り」の拠点に 廃棄カカオを資源化するユネッサンの循環経営

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箱根の温泉が「若返り」の拠点に 廃棄カカオを資源化するユネッサンの循環経営
提供:藤田観光株式会社

ビジネスの現場において、サステナビリティをいかに顧客価値へ変換するかという問いへの、一つの解がここにある。箱根小涌園ユネッサンが展開する、地域の製造副産物を活用した変わり湯は、単なる季節行事の枠を超え、レジャー施設の価値を「消費」から「循環」へと再定義する試みといえる。

 

バレンタイン限定「カカオハスクの湯」が示す持続可能な観光の新しい形

藤田観光株式会社が運営する「箱根小涌園ユネッサン」内の本格日帰り温泉「元湯 森の湯」では、二月のバレンタインシーズンに合わせ、異色の変わり湯が開催される。小田原のチョコレート工場と連携し、製造工程で本来廃棄されるカカオ豆の種皮である「カカオハスク」を入浴剤として再利用する。これは、昨年に続き展開される地域密着型の資源循環プロジェクトである。温泉に浸かりながらチョコレートを思わせる柔らかな香りに包まれる体験は、現代の消費者が求める心身の充足と社会貢献を同時に満たす、極めて今日的なコンテンツとなっている。

廃棄物を美容資源へ転換する独自性と地域エコシステムへの貢献

この取り組みの特筆すべき点は、未利用資源を単に再利用するだけでなく、温泉という自社の強みに即して高付加価値化させている点にある。カカオハスクに含まれるポリフェノールやテオブロミン、カカオセラミドといった成分は、抗酸化作用によるエイジングケアや血流改善、保湿効果が期待できる。本来は負の資産であった廃棄物を、利用者が喜ぶ若返りの成分へと文脈を書き換えた意義は大きい。また、近隣工場との連携により輸送負荷を最小限に抑えることで、地域内での完結型循環モデルを提示しており、これはグローバルなチェーン展開では模倣し得ない、土地に根ざした独自の競争優位性となっている。

藤田観光が掲げる「潤いのある豊かな社会」と事業を通じた社会課題解決の哲学

 

こうした活動の背景には、藤田観光が創業以来受け継いできた、健全な憩いの場を通じて社会に貢献するという確固たる信念がある。支配人の松山元信氏は、箱根という観光地の活性化と持続可能性を不可分なものとして捉えており、自社施設を地域課題の解決拠点として開放する姿勢を鮮明にしている。企業にとってのSDGsとは、決して外部から押し付けられたノルマではない。温泉という自然の恵みを商う企業として、環境負荷を低減し、地域経済と共生することは、事業の持続可能性を担保するための経営戦略そのものであるという同社の自覚が、このカカオの湯には投影されている。

既存資産の再解釈が導く付加価値創造とこれからのビジネスへの示唆

ユネッサンの試みは、既存のビジネスモデルを再解釈するための重要な示唆を与えてくれる。それは、他業界では無価値とされるものに自社の専門性を掛け合わせることで、唯一無二のストーリーを生み出す知恵である。単に環境保護を謳うのではなく、入浴という心地よい体験を通じて、顧客が意識せずとも循環型社会の一翼を担うような設計。こうした楽しみながらの社会貢献を仕組み化することが、結果としてブランドの独自性を強固なものにする。サステナビリティをキーワードに、自社の資産や地域の課題を見つめ直す。その先にこそ、成熟した市場で勝ち残るための新しい価値創造の道が拓けている。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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