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ソフマップゲーミングが異例の買取呼びかけ PC価格上昇と品薄が直撃、中古市場に広がる余波

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ソフマップ

PC価格の上昇と供給不安が続く中、ソフマップゲーミングが公式Xで中古PCの買取を呼びかけた。メモリ価格の急騰や生産停滞が重なり、新品・中古の双方で在庫不足が深刻化している。

 

ソフマップゲーミングが公式Xで示した異例の危機感

ソフマップのゲーミング部門「ソフマップゲーミング」が、公式X(旧Twitter)に投稿した一枚の写真が注目を集めている。写っていたのは、中古PC売り場とみられる棚が大きく空いた光景だ。投稿文には「あの、お願いなので買い替えたらぜひ弊社にゲーミングPCを売ってください…」と、率直な呼びかけが添えられていた。

さらに「結構高く買い取っていますので…」「ゲーミングのデスクでもノートでも、もちろんゲーミングじゃない普通のでもPCなら大体買い取っているので…」と、買取対象の幅広さを強調する文言も並ぶ。大手量販店がここまで踏み込んだ表現でユーザーに協力を求めるのは異例であり、現場の在庫不足が深刻であることを物語っている。

 

メモリ価格急騰が引き起こしたPC価格上昇の連鎖

今回の品薄と価格上昇の出発点となったのが、11月頃から顕著になったメモリ価格の急騰だ。DRAMやNANDフラッシュは、長期的な価格低迷を受けてメーカー各社が生産調整を進めており、市場は急速に供給が絞られた状態へと移行した。

そこへ生成AI関連を中心とするサーバー需要が加わり、高付加価値なサーバー向けメモリが優先的に供給される構図が強まった。さらに円安基調の影響で、日本市場では輸入部材としてのメモリ調達コストが上昇し、PCメーカーやBTOメーカーの負担は一層重くなった。

ゲーミングPCは16GB以上のメモリ搭載が前提となっており、メモリ単価の上昇は製品原価に直結する。結果として、年末にかけて複数メーカーが価格改定に踏み切り、ゲーミングPCを中心に販売価格が引き上げられた。このメモリ起点のコスト増が、PC市場全体の価格上昇を加速させた。

 

駆け込み需要と生産停滞が新品市場を直撃

価格上昇の動きを受け、「これ以上高くなる前に購入したい」と考えるユーザーが一斉に動いた。ゲーミングPCはゲーム用途にとどまらず、配信や動画編集、生成AI関連作業にも使われるため、一定の性能を求める層にとって購入の先送りは難しい。

そのタイミングで重なったのが、年末年始の長期休暇による生産ラインの停止だ。多くのPCメーカーや部品工場が稼働を落とす中、需要だけが先行し、一部メーカーでは受注の一時中止や納期遅延が発生した。新品PCが市場に十分供給されない状態が続き、販売現場では慢性的な品薄が常態化した。

 

新品不足が中古PC市場に波及した構造的要因

新品が手に入りにくくなれば、次に需要が向かうのは中古市場だ。性能面で多少の妥協をしても、即戦力となるPCを求める動きが強まり、中古ゲーミングPCの回転は急速に進んだ。

一方で、中古PCの供給源である個人ユーザーからの放出は伸び悩んでいる。新品価格が上昇している局面では、「次を買うのが高いなら売れない」という心理が働き、買い替え自体を控える動きが出やすい。さらに法人のリース放出も、更新サイクルの見直しで減少傾向にあり、中古市場は需要過多に陥った。

 

高価買取を打ち出す販売現場の切実な事情

ソフマップゲーミングが高価買取を前面に打ち出し、ユーザーにPCの売却を呼びかけた背景には、販売現場ならではの切実な事情がある。中古PCは新品と異なり、メーカーや卸から一括で仕入れることができない。売り場に並ぶ商品は、基本的に個人ユーザーからの買取や下取りに依存している。

しかし現在、その供給が著しく細っている。新品PCの価格が上昇し、次に買い替えるコストが膨らんだことで、「売りたいが次が高くて買えない」という心理が働き、個人の放出が鈍っている。結果として、中古市場では需要だけが先行し、肝心の仕入れが追いつかない構造に陥っている。

販売現場にとって、在庫不足は単に売上機会を失うだけにとどまらない。棚が空いた状態が続けば、来店客の購買意欲そのものを削ぎ、店全体の印象にも影響する。特にゲーミングPC売り場は「選べること」自体が価値であり、比較検討できない状況は致命的だ。

そのため、価格を上げてでも中古PCを確保する必要が生じている。今回の投稿で「結構高く買い取っています」と明言したのは、単なる宣伝文句ではなく、実際に買取条件を引き上げてでも在庫を確保したいという現場判断の表れといえる。

さらに注目すべきは、ゲーミングPCに限らず「普通のPCでも大体買い取っている」と幅を持たせている点だ。これは、ゲーミング用途に転用可能なベースマシンや、ライトユーザー向け商品として再販できるPCまで含め、供給源を広げなければならないほど在庫が逼迫していることを示している。

中古PCの確保は、単なる仕入れではなく、販売戦略そのものに直結する。高価買取はコスト増につながる一方、商品がなければ売り場は成立しない。利益率よりも「売り場を維持する」ことを優先せざるを得ない状況に、販売現場は追い込まれている。

今回のソフマップゲーミングの呼びかけは、そうした現場の判断と焦りがにじみ出たものだ。棚が空いた売り場の写真は、数字や説明以上に、市場の歪みと販売現場の切実さを雄弁に物語っている。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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