
元EXILE黒木啓司の妻で実業家の宮崎麗果が、国税当局からの過少申告指摘を認め謝罪した。SNSで発信してきた華美な私生活と税務問題の因果、強まる批判の背景を詳報する。
国税当局の指摘を認めたが消えない違和感
元EXILEのパフォーマーで、2022年10月末に芸能界を引退した黒木啓司(45)の妻で、実業家の宮崎麗果(37)が、税務申告を巡る問題で厳しい批判にさらされている。
宮崎は25日までにインスタグラムのストーリーズを更新し、代表を務める株式会社Solarieの過去の税務申告について、国税当局から過少申告の指摘を受けていることを認め、謝罪した。
《過少申告のご指摘を重く受け止め、深く反省しております》と頭を下げ、《専門家の助言のもと、必要な修正申告および納税に速やかに対応して参ります》と是正を約束したが、この対応をもってしても世間の違和感が払拭されたとは言い難い。理由は単純で、問題の規模と、これまで発信されてきた生活ぶりとの落差があまりに大きいからだ。
女性セブンプラス報道が突きつけた巨額の現実
事態が大きく動いたのは、24日にニュースサイト女性セブンプラスが報じた記事だった。
同サイトによると、3年から4年で約6億円あまりの所得隠しが行われ、脱税額は2億円以上に上る可能性があるという。単なる申告漏れや事務的ミスと片付けるには、あまりにも金額が大きい。
この数字が示すのは、経営判断の一部に「甘さ」や「驕り」がなかったかという点だ。事業規模が拡大し、収益が膨らむほど、税務処理はより慎重さを求められる。それにもかかわらず、国税当局から指摘を受ける事態に至ったことは、経営者としての基本姿勢が問われていると言わざるを得ない。
切り離しを図るブランドと家族への波及
宮崎は声明の中で、《GENiS、herbacie等のブランドを運営する法人および各商品・サービスは本件とは無関係》と強調し、問題が株式会社Solarieに限られることを訴えた。また、《家族につきましても、本件とは関係ございません》とし、夫や子どもたちへの影響を否定している。
しかし、経営者本人の信用が揺らげば、ブランドや家族が世間の視線から完全に切り離されることは難しい。特に、SNSで家族や事業を一体として発信してきた以上、「都合の良い切り分け」と受け止める声が出るのも自然な流れだ。
SNSで誇示してきた桁違いのセレブ生活
宮崎は、二度の離婚を経て、2021年12月に元EXILEの黒木啓司と再婚した。子供は4人。
SNSでは、母親としての顔、再婚によって得た安定した家庭像、そして成功した女性実業家としての姿を一体化させる形で発信を続けてきた。家族に囲まれた日常と、仕事で得た成功を同時に見せるその手法は、多くの支持を集める一方で、早くから「誇示が過ぎる」との批判も招いていた。
象徴的だったのが、高級ブランド・エルメスのバッグを大量に所有する衣装部屋の公開だ。引っ越しの際、バッグを仕分けする様子を夫の黒木が投稿すると、その圧倒的な量と価格帯に驚きの声が上がった。さらに、ロールス・ロイスやメルセデスAMGといった高級外車を乗りこなす姿、新車価格で3700万円規模とされる超高級車を短期間で立て続けに購入した報告など、一般的な生活感覚から大きくかけ離れた投稿が続いた。
こうした発信は、単なる「裕福な暮らし」の紹介にとどまらず、「家族」「母」「成功者」という複数の要素を重ね合わせた点に特徴があった。子どもを育てながらもこれだけの成功と贅沢を手にしているという演出は、憧れと同時に強い反発も生んだ。とりわけ、日々の生活費や教育費に頭を悩ませる家庭が多い中で、桁違いの消費行動を無邪気に発信する姿勢に、「現実との乖離」を感じる声は少なくなかった。
今回、税務申告を巡る問題が表面化したことで、これまで積み上げられてきた違和感は一気に不信へと転じた。SNSで見せてきた華美な生活が、「正当に得た収益の結果なのか」「経費処理や申告は適切だったのか」という疑念と結びつき、過去の投稿一つ一つが再検証される状況にある。家族を前面に出して築いてきたイメージだからこそ、問題が発覚した際の反動も大きくなったと言える。
婚姻歴や子どもの存在を含めた人生そのものをブランド化し、成功物語として発信してきた以上、その裏側にある経営や税務の在り方も、同じレベルで厳しく見られるのは避けられない。華やかな家族像と派手な消費行動がセットで語られてきたからこそ、今回の一件は単なる税務問題にとどまらず、「これまで見せてきた姿は何だったのか」という根源的な問いを世間に投げかけている。
法令順守を軽視した代償と今後の課題
会社を経営していれば、税金の重さに直面するのは避けられない。業績が決して悪くなくとも、納税の負担に苦しむ中小事業者や個人事業主は少なくない。
その現実を知る者ほど、「なぜここまで派手な生活ができたのか」という疑問を抱く。
脱税や所得隠し、経費の不適切な計上が事実であれば、派手な生活が可能になるのは当然だ。羨ましいかどうか以前に、「おかしいものはおかしい」という感覚が、今回の批判の根底にある。宮崎が本当に信頼を取り戻したいのであれば、修正申告と納税だけでなく、これまでの発信姿勢や経営のあり方そのものを見直す必要があるだろう。
成功と影響力を手にした経営者ほど、法令順守という当たり前を軽視したときの代償は大きい。今回の一件は、その現実を如実に示している。



