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中小製造業の脱炭素障壁を打破 KAMAMESHIが実現するサプライチェーンESG開示の第三者保証戦略

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中小製造業の脱炭素障壁を打破 KAMAMESHIが実現するサプライチェーンESG開示の第三者保証戦略
提供:株式会社KAMAMESHI

「同じ釜の飯を食う仲間」として日本の製造業を支える。そんな哲学を掲げる日本製鉄発のスタートアップKAMAMESHIが、中小製造業が抱えるサステナビリティ情報開示の根深い課題に、専門協会との連携という独自戦略で切り込む。

 

中小製造業のESG開示課題を解決 専門知識不要の第三者保証サービス

日本製鉄初のスタートアップ企業である株式会社KAMAMESHI(以下、KAMAMESHI)は、一般社団法人 環境エネルギー事業協会(ENE)と連携し、中小製造業を対象としたサステナビリティ情報開示と脱炭素化の支援サービスを開始した。

世界的なESG投資の拡大に伴い、大企業からの取引条件としてサプライチェーン全体でのサステナビリティ情報開示が必須となりつつある。しかし、専任の人材・知識不足や高額な導入コスト、自社発表のみでは信頼性を担保できないといった課題が、中小製造業のESG経営への移行を阻む要因となっていた。

KAMAMESHIが提供する新サービスは、これらの障壁を解消することを目的とする。具体的には、自社の部品管理プラットフォーム「Kamameshi」を活用した簡便な情報入力・運用を可能とし、既存業務データを活用することで導入コストを抑制する。その上で、最大の特長として、ENEによる第三者保証を付与することで、取引先、金融機関、自治体に対する情報の透明性と信頼性を確保する仕組みを構築した。さらに、CO²排出量算出や補助金活用を含めた省エネ・脱炭素化の施策検討支援もサービスに組み込まれている。

競合と差別化する「第三者保証付き開示」の仕組み 低コストで高い信頼性

KAMAMESHIの取り組みの独自性は、単なるデータ収集システムの提供に留まらず、「信頼性の外部担保」という、中小製造業が最も手薄な領域をカバーした点にある。

現状、市場には大企業向けの高度で高額なESG開示支援サービスが存在する一方で、中小企業が求める「専門知識を必要としない簡便性」「低コスト」「開示情報の信頼性」を同時に満たすソリューションは稀有であった。

同社は、自社の強みである現場に即したDXプラットフォームと、ENEが持つ第三者検証の専門性を組み合わせることで、このギャップを埋める。特に、ENEが環境省SHIFT事業で4年連続全国1位の実績を持つなど、脱炭素経営支援における確かな知見と保証能力を持つことは、中小製造業が開示情報を国際基準に沿って作成し、かつ、その信頼性を市場に訴求する上で決定的な優位性となる。

これにより、中小企業は「自社発表だけでは信頼されない」という壁を乗り越え、大企業と対等な土俵でサプライチェーンの一員としての責務を果たすことが可能となる。この「第三者保証付き開示」の仕組みこそが、他社のサービスとの決定的な差異であり、持続可能なサプライチェーン形成に向けた極めて現実的な解決策と言える。

KAMAMESHIの行動原理 業界の垣根を越えた「連携と共存」哲学

 

KAMAMESHIの根底には、社名にも込められた「同じ釜の飯を食う仲間」という哲学が存在する。同社は日本製鉄の社内起業制度の第一号として2023年10月にスタートし、日本の製造業が抱える部品管理や在庫最適化といった構造的な課題を、「業界を横串でつなぐ仕組み」で解決することを目指してきた。

代表取締役の小林俊氏は、製造業全体がリソースを補完し合い、支え合うことによってのみ、日本のものづくり産業は国際競争力を維持できるとの強い信念を持つ。「大企業と中小企業とで情報開示の格差が広がれば、結果としてサプライチェーン全体の脆弱性につながる」と小林氏は指摘する。

この視点に立てば、今回のサステナビリティ支援事業の拡充は、既存の「部品管理DX」の延長線上にある。サプライチェーンから排除されかねない中小企業を、情報開示という新たな支援領域で下支えし、「支え合いと連携による新たなモノづくりのカタチ」を構築する。この哲学こそが、単なるビジネス機会の追求を超えた、日本の製造業全体の競争力強化を目指す同社の行動原理となっている。

構造的弱点を克服するヒント DXと専門知見の外部連携モデル

KAMAMESHIの戦略は、日本の企業、特に製造業がサステナビリティ時代を生き抜く上で重要な教訓を示唆する。それは「構造的弱点の解消には、自社のコア技術と外部の専門知見の連携が不可欠である」ということだ。

多くの企業が自社の技術で全てを解決しようと試みる中、KAMAMESHIは、DXプラットフォームという自社の強みを活かしつつも、信頼性担保という極めて専門性の高い領域については、実績豊富なENEと連携する道を選んだ。このオープンイノベーション的なアプローチこそが、中小企業が抱える「専門人材・知識不足」という、単独では解決し得ない構造的な弱点を効果的に乗り越える鍵となっている。

持続可能な経営が求められる今日、自社の優位性を確保しつつ、外部のパートナーシップによって「信頼性」という市場価値を付加するKAMAMESHIの取り組みは、業界全体の課題解決を目指す企業にとって、新たな連携のモデルケースとなるだろう。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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