
アクセサリーの企画・販売を行うエンドレスが、不用アクセサリーをワクチン支援につなげる独自の回収モデルを広げている。10月に集まった33.2kgが最大1,180本のワクチン相当に換算された。全国店舗網を活かした“参加型サステナビリティ”の全貌を追った。
アクセサリー回収で1,180本のワクチン支援が実現
アクセサリーパーツブランド「PARTS CLUB」などを運営する株式会社エンドレス(東京都台東区)は、不用アクセサリーを回収し、開発途上国の子どもたちへワクチン支援を届ける取り組みを続けている。
PR TIMESによると、2025年10月の1か月間で集まったアクセサリー類は33.2kg。全国129店舗に設置した回収ボックスを通じて寄せられたもので、11月19日に認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」へ寄付された。
寄付量は1,050〜1,180本のワクチンに換算され、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの子どもたちへ届けられる見込みだ。
LUNA EARTHも参加し全国129店舗で回収網が拡大
今回の取り組みで特徴的だったのは、プチプラアクセサリーショップ「LUNA EARTH」を含む回収店舗の拡大だ。
エンドレスは「PARTS CLUB」「LUNA EARTH」「ruinas」「Mira LABO」など計129店舗で回収を受け付け、若年層からファミリー層まで幅広い生活者の参加を促した。
店頭だけでなく、2022年からは郵送での寄付受付も開始しており、地域に関わらず誰もが参加できる仕組みが整いつつある。
不用品が海外で再販売され寄付へつながる循環モデル
回収されたアクセサリーは、株式会社GoodServiceが運営する「リボーンプロジェクト」を通じて海外へ輸出され、現地で再販売される。
販売された売上の一部がワクチン支援につながる仕組みであり、廃棄されれば失われる価値が、第二の役割を持つ“再生資源”として循環する。
アクセサリーという小さなアイテムでも、国境を越えて支援につながる循環が構築されている点が、このモデルの最大の特徴だ。
「捨てる」を資源に変えるエンドレスの哲学
エンドレスは長年、アクセサリーパーツを通じて創作の楽しさを届けてきた企業だ。その同じ文脈で、不用品になったアクセサリーにも新しい価値を見出すことを重視している。
担当者は過去の取材で「アクセサリーは小さな存在ですが、日々の思い出が詰まっている。その価値を次の誰かに届けたい」と語っている。
回収対象を自社ブランド品に限定しない方針は、この哲学の象徴でもある。
全国に広がる店舗網は、単なる販売拠点ではなく、生活者が気軽に参加できる循環プラットフォームへと変わりつつある。
小さな不用品から始まる社会貢献の新しいかたち
エンドレスの取り組みは、日常生活の中にあるモノが社会課題解決の資源に変わる可能性を示している。
大規模設備や特殊技術に頼らず、生活者の小さな行動を“支援につながる仕組み”へと変換する点が強みだ。
今後は店舗拡大や郵送寄付の普及により、より多くの参加が見込まれる。
不用アクセサリーが国境を越えて子どもたちを救う循環は、消費行動そのものの価値を見直す契機となっていくだろう。未来へ向けた社会的意義は、今後さらに広がる可能性がある。



