
M-1グランプリ2025のワイルドカードと敗者復活戦は何が違う? 対象者、投票方式、進めるステージを最新情報で詳しく解説。
M-1グランプリの季節になると、SNSでは毎年のように「ワイルドカードと敗者復活戦の違いが分からない」「同じじゃないの?」という声が上がる。
どちらも「敗退組が復活できる枠」という点では共通しているが、対象者・投票方法・進出できるステージはまったく異なる。
2025年大会ではルール改定も入り、過去の知識のままでは混乱が起きやすい。
この記事では、最新情報を踏まえながら、初めての人でも理解しやすいようシンプルに解説する。
混同されやすい「ワイルドカード」と「敗者復活戦」
まず、M-1グランプリ2025の残すところのスケジュールは以下だ。
| 大会 | 開催日時 | 会場 |
| 準決勝 | 2025年12月4日(木) 16:00 | NEW PIER HALL(東京) |
| 敗者復活戦 | 2025年12月21日(日) 15:00〜18:30 | EX THEATER ROPPONGI(東京) |
| 決勝 | 2025年12月21日(日) 18:30〜22:10 | テレビ朝日六本木スタジオ(東京) |
そして、「ワイルドカード」「敗者復活戦」について一言で表すと、以下のようになる。
ワイルドカード:準々決勝で敗れた組が準決勝へ戻れる、1人1票のネット投票
敗者復活戦 :準決勝で敗れた組が決勝へ進める、当日現地の一般観覧者&芸人審査員投票
なんだか分かるような、分からないような……。詳細を順を追って見ていこう。
ワイルドカード=準々決勝敗退組が「準決勝に戻れる」ネット投票システム
ワイルドカードは、準々決勝で敗退した芸人に与えられる復活チャンスである。
本来なら敗退した時点で大会を終えるところだが、TVerで公開されるネタ動画を視聴し、M-1公式サイトのネット投票によって、上位の芸人1組が準決勝へ復帰できる仕組みだ。
▼M-1グランプリ2025 ワイルドカード 全芸人ネタ動画一覧・投票場所
投票期間:11月23日(日)12:00~11月30日(日)23:59
https://www.m-1gp.com/wildcard
▼ 「ワイルドカード」最新ルールのポイント
・投票はTVerの公式動画を視聴した上で行う
・投票はM-1グランプリ公式サイトから1人1票・SMS認証ありの厳格な形式
・選ばれた組は準決勝の出番順が「1番」となる
・ワイルドカードで復活した組は、敗者復活戦には出場不可(=救済は一度のみ)
・歴代ワイルドカード組は以下の通りで、今のところ決勝進出はゼロ
| 開催年 | ワイルドカード枠 | 結果 |
| 2024年 | ロングコートダディ | 準決勝敗退 |
| 2023年 | ダブルヒガシ | 準決勝敗退 |
| 2022年 | 金属バット | 準決勝敗退 |
| 2021年 | 滝音 | 準決勝敗退 |
| 2020年 | ラランド | 準決勝敗退 |
| 2019年 | 金属バット | 準決勝敗退 |
| 2018年 | 魔人無骨(現・令和ロマン) | 準決勝敗退 |
| 2017年 | アキナ | 準決勝敗退 |
| 2016年 | 馬鹿よ貴方は | 準決勝敗退 |
| 2015年 | ニッポンの社長 | 準決勝敗退 |
人気と勢いがあれば準決勝へ這い上がることもできるが、そこから決勝へ進むのは容易ではないことが歴史が示している。
ただし、「決勝の出番1番は優勝できない」「M-1で2回優勝はできない」という歴史を令和ロマンが覆したように、ワイルドカードで決勝へ進む芸人が出てくるかもしれない。
敗者復活戦=準決勝敗退組が「決勝へ進める」当日現地の一般観覧者&芸人審査員投票
敗者復活戦は、準決勝で敗退した芸人による、決勝の1枠を賭けた最終決戦である。
M-1グランプリ決勝当日の早い時間帯に会場でネタを披露し、観客と芸人審査員の投票によって1組のみが決勝へ進む。(今年の敗者復活戦は、2025年12月21日(日)15:00〜18:30、決勝は同日18:30〜22:10におこなわれる)
▼ 「敗者復活戦」最新ルールのポイント
・M-1グランプリ決勝当日に敗者復活戦 → 決勝の生放送が行われる
・21組がA・B・Cブロックに分かれ、ネタ終わりで「暫定勝者」か「挑戦者」の勝敗を会場の観客が審査する勝ち上がり方式
・各ブロックの勝者3組のうち、一番面白かった組を芸人審査員が決定
・敗者復活戦の勝者は、M-1決勝の出順が決まる「笑神籤(えみくじ)」にて「敗者復活枠」が引かれたタイミングで初めて発表され、勝者はEXシアターからテレビ朝日のスタジオまで移動し、そのままネタ披露
敗者復活戦は、2022年までは視聴者のネット投票も勝敗に影響していたため「ネタが面白くなくても人気さえあれば決勝進出できる」「敗者復活はただの人気投票」と揶揄されたこともあったが、2023年から制度変更。
現地投票で勝ち抜いた芸人がそのまま決勝へ進むガチ形式へと変わっている。
「ワイルドカード」「敗者復活戦」2つの制度が混同される理由
「ワイルドカード」「敗者復活戦」はどちらも「一度は敗退した芸人が復活する」という共通点があり、言葉だけでは似た制度に見えるのが混乱の原因だ。さらに、ワイルドカード投票や敗者復活戦の準備が同じ時期に始まるため、「ワイルドカード=敗者復活?」「準々決勝で落ちても敗者復活に出られる?」といった誤解がSNSで繰り返される。
しかし、両者は対象ラウンド・方法・目指せるステージがまったく異なる。
2025年大会は、ワイルドカードが前年から引き続きSMS認証付きの正式投票であることなど、より公正性を重視した形に進化している。一方で敗者復活戦は、“現場の爆発力”がそのまま勝敗に直結する方式へとシフトしており、従来以上にライブ感の強い戦いになりそうだ。
今年こそ、ワイルドカード枠から決勝進出者は出るのだろうか。



