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トランプ氏が女性記者に「ブタちゃん」暴言 エプスタイン疑惑追及で見せた“苛立ち”

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エプスタイン トランプ
DALLーEで作成

低く響くエンジン音が揺らす大統領専用機の機内で、緊張を断ち切るような声が飛んだ。

「静かに。静かに、ブタちゃん」。

性的人身売買事件で起訴され、獄中死した富豪エプスタイン元被告に関する質問を続けていた女性記者に対し、トランプ大統領が発した言葉だった。

海外メディアが一斉に報じたこの暴言は、同氏とエプスタイン氏の過去の関係が再び注目を集める中で起きている。資料公開に消極的だった姿勢を突如転換させた背景には、国際的な余波も広がる事件の影がある。

 

 

機内で起きた瞬間の暴発

大統領専用機「エアフォース・ワン」は、外界から隔絶された独特の密室だ。薄暗い照明の下、記者らのペンの擦れる音がときどき金属音に混じる。その静かな空間で、エプスタイン元被告の電子メールに関する質問が続いた。

メールにはトランプ氏の名前が登場していたとされ、その関連性を問われた同氏は、「自分は何も知らない。他の人物に注目すべきだ」と答えた。

女性記者が追加質問を投げかけようとした瞬間、空気がわずかに張りつめた。そして次の瞬間、機内を鋭く切り裂くように侮蔑的な言葉が飛んだ。

「静かに。静かに、ブタちゃん(Quiet, piggy)」

周囲の記者たちは一瞬、言葉を失い、わずかな沈黙が機内を支配した。金属の振動音だけが、緊張感を代弁するように響き続けた。暴言は瞬く間に世界へ拡散し、大統領の姿勢に批判が集中した。

 

エプスタイン事件の闇 トランプ氏、アンドリュー王子との交差する影

エプスタイン元被告は未成年者を対象とした性的人身売買などで起訴され、2019年に勾留先で死亡した。事件の中心には、豪邸でのパーティーや富裕層との広範な交際ネットワークが存在し、国際的な著名人たちの名が挙がってきた。

その一人が、英国のアンドリュー王子だ。王子は、エプスタイン氏と長年交友関係にあったことが報じられ、元被告の関係者から性的暴行を受けたと主張する女性から訴えられた。後に和解したものの、公務から完全に退く事態に発展し、英国王室にも深い影を落とした。

トランプ氏とエプスタイン氏は1990年代後半、フロリダで同席する姿が撮影されている。当時、両者が同じ社交界にいたことは広く知られており、友好関係を示唆する発言も過去に残る。一方でトランプ氏は、「20年以上前に絶縁した」とし、関係を強く否定している。

今回公開されたメールにはトランプ氏の名前が言及されており、国際的な広がりを持つエプスタイン事件の網の中で、再び注目が集中している。

 

急転した態度 資料公開をめぐる攻防

エプスタイン関連資料の公開を求める法案は、議会で急速に賛同を広げた。当初、トランプ氏は公開に後ろ向きで、共和党議員に反対を促していた。

しかし、メール公開を機に透明性を求める声が高まり、国際的にも事件再調査の機運が強まる中、同氏は態度を一転させた。

「法案を通過させろ」

暴言問題が報じられた直後、トランプ氏はSNSでそう声明を出し、突如として公開支持へ回った。政権内部では、疑念が長引くことへの危機感が強まり、方針転換は焦りの表れとみる向きもある。

 

議会は公開へ前進 司法省も最大限の透明性を強調

米下院は資料公開法案を賛成427票、反対1票で可決。上院でも速やかに承認され、法案は大統領の署名を待つ段階に入った。

法案が成立すれば、司法省は30日以内に、エプスタイン元被告に関する文書・映像・通信記録の公開が求められる。ただし、被害者の個人情報や捜査継続中の案件は除外される。

司法省は「既に多数を公開してきた」と説明しつつも、「法律に従い最大限の透明性を確保する」と述べている。

 

暴言の衝撃と、消えない国際的疑念

暴言についてトランプ氏の謝罪は確認されていない。記者への侮蔑発言としてだけでなく、事件への姿勢をめぐる国内外の批判が広がっている。

アンドリュー王子を含む招かれざる名前が国際的に報じられてきたエプスタイン事件は、政治・王室・富裕層を横断する深い闇を持っている。資料公開が進めば、トランプ氏を含む過去の関係がさらに明らかになる可能性があり、政権への影響も避けられない。

静かな機内で飛んだ一言は、長年積み上がった疑念と圧力が重なり合う中で噴き出した裂け目のように見える。公開される資料が、その影の濃淡をどこまで照らし出すかが注視されている。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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