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【宮城サッカー崩壊寸前】聖和学園“飲酒・喫煙”発覚、仙台育英“いじめ辞退”で代表ゼロへ…抽選会目前の前代未聞事態

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高校サッカー
PhotoACより

宮城県高校サッカーで、再び揺れる事態が明らかになった。

第104回全国高校サッカー選手権宮城県大会で準優勝した聖和学園高校の男子サッカー部で、夏休み中に複数部員が飲酒や喫煙をしていたことを学校側が把握し、当該部員に退部や休部、転校の措置が取られていたことが判明した。

一方、優勝校の仙台育英高校は構造的ないじめ問題を理由に全国大会を辞退。県代表が宙に浮く前例の少ない事態となっている。

 

 

夏休みの影で起きた小さな火種

夏休みの静かな校舎に、ふとした気の緩みが入り込んだ。聖和学園男子サッカー部の複数部員が飲酒や喫煙をしていた事実を、学校が把握したのは10月に入ってからだった。報告を受けた学校側はすぐに調査を行い、関与した部員へ退部・休部・転校といった個別の処分を行った。

関与人数や具体的な状況は公表されていないが、学校は「複数の個別事案が続いたため厳正に指導した」と説明している。該当者を除いたメンバーで臨んだ県大会では、チームは結束を失わず決勝へ進出し、準優勝を果たした。

だが、その先に待っていたのは予想もしなかった事態だった。

 

優勝校・仙台育英の辞退が生んだ“空白”

聖和学園を下して県大会を制した仙台育英は、その直後に部内で複数のいじめ事案が確認されたことを受け、全国大会の辞退を発表した。学校は「構造的な問題がある」と判断し、全国の舞台を断念したのである。

県内屈指の強豪校である仙台育英の辞退は大きな波紋を呼び、宮城県全体の競技環境に重くのしかかった。勝利をめざす競技スポーツと、教育的責任。その両面を背負う学校の難しさを象徴する出来事でもあった。

 

宙に浮いたままの“宮城代表”

全国高校サッカー選手権の組み合わせ抽選会は本日17日だ。

しかし、宮城代表は未だに決まっていない。大会を運営する日本サッカー協会(JFA)は「調整中」とし、判断を留保したまま。

可能性としては、準優勝の聖和学園の繰り上げ出場、県全体の辞退扱い、準決勝敗退校同士の再戦など複数の案が取り沙汰されている。しかし、どの案にも課題があり、決定を断じる材料が不足しているのが現状だ。
時間だけが過ぎていく中で、宮城代表の座は空白のまま揺れ続けている。

 

高校スポーツに広がる静かな亀裂

秋の日差しが傾くグラウンド。一日の練習を終えたスパイク跡だけが土に残り、その光景は青春の象徴のように見える。しかし今回の連鎖的な不祥事は、その足跡の底に潜んでいた静かな亀裂を照らし出している。

強豪校では、競争は激しさを増し、全国大会は大きな目標として立ちはだかる。勝利を求めるあまり、教育として大切にすべき視点が後回しになり、部内の力関係が固定化することもある。そうした環境では逸脱行為への目が行き届きにくくなり、時に飲酒・喫煙、そしていじめへと繋がってしまう。

さらに、未成年の飲酒・喫煙に対する処分基準は学校ごとに異なり、全国大会をめざすチーム間で公平性を欠く状況が生まれる。またSNSの発達は、事実を超えて憶測が先走り、何の関与もない選手にさえ疑惑が向けられるという新たな問題を生んでいる。

勝利と教育。その二つの価値が揺らぎ続ける高校スポーツの現場に、今回の宮城での一連の出来事が鋭い問いを投げかけている。

 

決まらないまま、時間だけが過ぎていく

全国大会は待ってはくれない。宮城の高校サッカー関係者は、連日の協議と問い合わせに追われながら、判断を待つしかない日々を過ごしている。
夜のグラウンドに吹く風は冷たく、ボールが転がる音だけが静かに響く。

宮城代表はどのように決まるのか。
答えの見えないまま、抽選会の時刻だけが近づいている。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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