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高市首相『台湾有事』発言に中国激怒 総領事の“首斬る”投稿で波紋 駐日米国大使が痛烈皮肉

コラム&ニュース コラム
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外交問題
DALLーEで作成

外交の最前線で熱気を帯びた応酬が続いている。発端は高市早苗首相の国会答弁だ。

台湾情勢をめぐる一言が、中国の過剰とも言える反発を招き、渡航自粛、留学への警告、SNSでの挑発。そして、状況を皮肉るかのように駐日米国大使が静かに放ったメッセージが波紋を広げている。

日米中の緊張が一気に高まる中、「何が起きているのか」を、現場の空気とともに追った。

 

 

高市首相の「台湾有事」答弁が火をつけた

永田町の議事堂内。緊張感の漂う衆院予算委員会で、高市首相は淡々とした口調で語った。
台湾有事をめぐり、安全保障関連法で定められた「存立危機事態」に当たるかと問われ、首相は「武力の行使が伴うなら該当するケースになり得る」と説明した。

一見、法律に沿った答弁にすぎない。だが、中国側はこれを日本が台湾防衛に踏み込んだシグナルと受け取り、外交ルートを含めた強い反発へとつながった。

 

中国総領事の「首斬ってやる」発言が炎上

中国・薛剣(せつけん)駐大阪総領事がSNSに投稿した一文は、瞬く間に緊張をさらにかき立てた。
「勝手に突っ込んできたその汚い首は、一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」

あまりに刺激的な表現は、国内外で批判を呼んだ。投稿は削除されたが、外交官による殺害を連想させる文言は異例。外務省はただちに抗議し、台湾側からも「非文明的な言動」と強い反応が返ってきた。

大阪の中国総領事館前には、このニュースを知った通行人が足を止め、スマホに向けて画面をスクロールしていた。「外交官が言うセリフじゃないよな……」とつぶやく声が漏れる。SNSが火の海となる一方、現実の街は静かで、そのギャップが逆に事態の異常さを際立たせた。

 

駐日米国大使が“クリスマスカードで皮肉”

沈静化しない空気の中、Xに投稿された1枚のクリスマスカードが話題をさらった。投稿したのはジョージ・グラス駐日米国大使だ。

「さながら一足早くクリスマスを迎えた気分です」
「日米の揺るぎない絆を深めてくださり、心より感謝申し上げます」

宛先は、呉江浩・駐日中国大使と、薛剣・駐大阪総領事。
雪が舞う静かなクリスマスカードの画像に添えられた文章は、最大級の皮肉だった。「挑発に乗らない」「ユーモアで返す」という外交の妙。SNSでは絶賛の声が広がり、「センスに脱帽」「これこそ大人の返しだ」といったコメントが相次いだ。

一方で東京・麻布の大使館界隈では、各国メディアが足早に情報を追いかけ、この投稿が意味する日米の対中メッセージを読み解こうとする動きが続いていた。

 

中国政府、日本への渡航・留学自粛を呼びかけ

中国側は反発を止めない。外務省が14日に日本への渡航自粛を促したのに続き、教育省は16日になって「日本の治安は不安定」「中国人を狙った犯罪が多発」などと主張し、日本留学の慎重検討を求める異例の通知を出した。

街の語学学校や大学関係者の間ではざわつきが広がり、ある私立大学職員はこう漏らした。
「いまは中国からの留学生が最も多い。もし長期的な自粛ムードになれば、大学経営にも影響が出かねません」

航空会社が日本行き航空券の変更手数料を免除する動きに追随し始め、中国国内では日本に行きにくい空気がじわりと広がりつつある。

 

習主席の“激怒説”と、尖閣周辺での示威行動

韓国メディアは、中国外務省の対応について「習主席の指示に基づく異例の厳正措置」と報じた。尖閣周辺では中国海警局の艦艇が巡察航海を実施し、日本側を牽制したとも伝えられている。

外交、渡航抑制、海上示威。複数のレイヤーで圧力をかける中国。
一方、日本政府は「建設的かつ安定的な日中関係の構築」を掲げ、対抗措置を取らず冷静さを保っている。

だが、永田町周辺の空気は落ち着かない。官邸記者のひとりは「高市政権の外交の試金石になる」と語り、強気の発言と現実的な外交の間で揺れる政府の姿勢を指摘した。

 

日米同盟は強まるか、それとも“日中の溝”が広がるか

今回の一連の動きは、日本の安全保障政策、台湾海峡情勢、そして日米中の力関係が交差する危険な接合面を露わにした。

外交は言葉がすべてではない。しかし、言葉が火種となった今回の事態は、日米中の力の均衡が揺らぎ始めた象徴とも言える。
今後、日中の応酬がエスカレートせず、台湾海峡の緊張を高めない落としどころを見いだせるのか。秋の空気が冷えるなか、東アジアの温度だけは確実に上がり続けている。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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