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NewJeans全員がADOR復帰へ 1年越しの対立が急転決着へ|裁判敗訴と世論変化が動かした重大局面

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NewJeans
NewJeans 公式インスタグラムより

韓国の人気ガールズグループNewJeansが、1年にわたり続いてきた所属事務所との対立に終止符を打ち、全員そろって復帰する意思を示した。

まずヘリンとヘインが復帰に同意し、その2時間後にミンジ、ハニ、ダニエルが自主声明を発表したことで、事態は急転。裁判所が一貫して所属事務所ADOR側を支持してきたことや、世論の変化が決断の背景にあるとみられる。

活動空白を経た5人が、どのような形で再出発するのか注目される。



 

 

なぜ裁判になったのか?対立の原点

NewJeansを取り巻く対立は、2024年4月に表面化した。

NewJeansが所属するADOR(アドア)は、韓国の大手エンターテインメント企業HYBE(ハイブ)の傘下レーベルだ。HYBEはBTSなどを擁する巨大企業で、ADORはその中でNewJeansを企画・運営する役割を担っている。

この関係が崩れたのが、HYBEによるミン・ヒジン前ADOR代表の解任だった。
HYBEは、ミン前代表が「経営権を奪取しようとした」「背任行為が疑われる」として解任を決定。これに対しミン前代表は記者会見を開き、「HYBEがNewJeansの活動を妨害した」と強く反論した。

双方の主張が激しく食い違う中、NewJeansのメンバーは「信頼関係が壊れた」として、2024年11月29日午前0時に契約を解除したと一方的に通知。「NJZ」という新名義での活動も開始した。

しかしADORは、「契約解除の理由には当たらない」として反発。
2024年12月には、専属契約が有効であることを確認する訴訟を起こし、同時にメンバーの独自活動を禁じる仮処分も申請した。裁判所はこれを認め、以降も判決・仮処分の両面でADOR側を支持。こうして争いは完全に法廷へ持ち込まれ、活動空白だけが積み重なっていった。

 

急転直下の復帰報道

長期化する対立に出口が見えないなか、11月12日午後、韓国メディアが次々と速報を打った。

「NewJeans、ADORに復帰」
「全員が専属契約遵守の意向示す」

SNS上では驚きと安堵が交錯し、緊張ムードに包まれていたファンコミュニティにも大きな波紋が広がった。法廷闘争、世論の変化、事務所側の経営への影響。

さまざまな思惑が交差する中で、事態は一気に動いた。

 

ヘリン・ヘインの公式発表、続いて3人の自主声明

最初に復帰を明言したのはヘリンとヘインの2人だった。
ADORは「裁判所の判断を尊重し、専属契約を順守する意向が伝えられた」と公式に発表し、両者が協議を重ねたことを説明した。

ところがその2時間後、ミンジ・ハニ・ダニエルの3人が自主的に声明を発表した。
その内容は、
「慎重な話し合いを経て、私たちも復帰を決めた」というものだったが、続く説明に注目が集まった。

「一部メンバーが現在南極に滞在しており、連絡が遅れた」

この思わぬ一文は瞬く間に大きな話題を呼び、韓国でも日本でも記事化された。ただし、この3人の声明はADORを通じたものではなく、事務所は「3人の真意を確認中」と慎重な姿勢を示した。

発表形式に違いはあったものの、「5人全員が復帰の意思を示した」という流れは変わらず、長期対立は収束へ向かう兆しを見せた。

 

なぜ今、復帰なのか?裁判敗訴と世論の変化

転機となったのは、10月30日に下された一審判決だ。

ソウル中央地裁は、「専属契約は依然有効」と判断し、メンバー側が主張した契約解除理由をすべて退けた。

仮処分の段階から裁判所はADOR側を支持しており、
・独自活動の禁止
・違反1回あたり10億ウォンの間接強制金
・2度の調停も不調
という流れで、メンバー側は法的に不利な立場に追い込まれていた。

さらに、世論もメンバー側に厳しく傾いていた。
「契約中に独自活動を続けたのは問題では」
「発表の仕方が未熟」
といった声が国内外で相次ぎ、控訴期限を目前にしたタイミングでの復帰表明につながったとみられる。

 

活動空白がもたらしたADOR・HYBEの痛手

復帰を急がせたのはメンバーだけではない。
所属事務所ADORや親会社HYBEも、NewJeansの活動空白によって大きな影響を受けていた。韓国メディアの分析によると、2025年上半期のADORの売上は前年同期比で約72%減少したとされる。NewJeansの活動停止は、同社の経営に直結する問題だった。

また、HYBEも別件の問題や内部文書流出を経てブランド価値を損ない、今回の訴訟が企業イメージに影響するとの指摘が出ていた。法的には勝っても、企業にとって実質的な“痛手”が残る状況だった。

 

復帰後のNewJeansはどう動くのか

注目されるのは、今後の活動再開のタイミングだ。
ADORは一審判決後、「正規アルバム発売に向けた準備を進めている」と明らかにしており、メンバーの復帰により制作が本格化する可能性が高い。ただし、NewJeansの世界観を築き上げたミン・ヒジン前代表が制作に関わる見通しは低く、制作体制の変化は避けられない。

専属契約は2029年7月まで続く。5人は事務所との関係を再構築しながら、どのように“再出発”を図るかが問われる。

 

K-POPの構造問題が浮き彫りに

今回の騒動は、K-POP産業が抱える構造的な問題も明らかにした。
専属契約が硬直的でアーティストの選択肢が限られること、大手事務所とプロデューサーの力関係が不透明なまま対立が表面化しやすいこと、そしてアイドル自身が意思を示す際にはSNSの反応が大きな影響を及ぼし、発表の方法次第で評価が大きく揺れるというリスクがあること。
こうした課題は、今回のNewJeans紛争を通して改めて浮き彫りになったと言える。

5人が再びステージに立つ日が来たとき、その一歩は混乱を乗り越えた象徴となり、K-POPの未来を占う重要な指標にもなるだろう。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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