後楽園ホールがどよめいた“電撃登場”

７日夜、東京・後楽園ホール。メインイベントが終わり、観客の緊張がやや緩んだ瞬間だった。突如として花道の照明が落ち、アップテンポの音楽とともに姿を現したのは、活動休止中だったフワちゃん（31歳）だった。カラフルな衣装に身を包み、トレードマークのツインお団子ヘアを揺らしながらリングに上がると、観客席は一気に熱気を帯びた。

リングアナウンサーが「えっ、えっ」と戸惑う様子を見せるほど、完全なサプライズ登場。観客の一部からは「帰ってきた！」と叫ぶ声も上がり、場内の空気が一変した。フワちゃんは笑顔を見せつつも、真剣なまなざしでマイクを握った。

「昨年はお騒がせしました」謝罪と“敬語の成長”

フワちゃんはまず、「皆さん、お久しぶりです。フワちゃんです」とあいさつし、「昨年は私の発言でお騒がせして申し訳ありませんでした」と深く頭を下げた。昨年８月、芸人のやす子（25歳）が「やす子オリンピック　生きてるだけで偉いので皆優勝でーす」とＸ（旧ツイッター）に投稿した際、その内容を引用して不適切な発言を行い、激しい批判を浴びた。後日、やす子に直接謝罪したが騒動は収まらず、同年８月11日に「しばらくの間、芸能活動をお休みします」と発表していた。

「改めなければならないことがたくさんあり、猛省しております。この期間で敬語も学びました」と静かに語るその姿に、以前の奔放な印象は薄れ、どこか落ち着きを帯びていた。観客の中には涙ぐむファンの姿も見られた。

そして宣言「新しい夢、それはプロレス一択」

謝罪のあと、フワちゃん（31歳）は声を張り上げた。「そして新しい夢ができました。それはプロレス一択でした！」
観客席からどよめきと拍手が重なり、会場の空気が一気に明るくなった。彼女は続けて、「反省やみそぎのためではありません。純粋にもう一度挑戦したい気持ちです」と語り、活動再開の理由が“贖罪”ではなく“挑戦”であることを強調した。

フワちゃんは2022年10月、スターダムでプロレスデビューを果たしている。練習で肋骨を痛めながらも試合を完遂し、タレント枠の域を超えた本気の姿勢が話題となった。今回の「一択」宣言は、再びその覚悟を示す形となった。

スターダム岡田社長が歓迎「輝きを取り戻してほしい」

リング上にはスターダムの岡田太郎社長（年齢非公表）も姿を見せ、「今一度、プロレスラー・フワちゃんがリングで輝くところを見たい」とコメント。団体として正式に受け入れる方針を示した。
スターダムは2010年に設立された日本女子プロレス界のトップ団体で、現在はブシロードグループ傘下にある。世界各地で興行を行い、“女子プロレスの国際ブランド”として確立している。岡田社長は「彼女の情熱と努力は本物。タレントとしてではなく、一人の選手としてリングに立たせたい」と語った。

再デビュー戦の舞台は、12月29日の両国国技館大会。年末の大舞台に向けて、団体としても全面的な支援を行う構えだ。対戦カードはまだ発表されていないが、看板選手のジュリア（30歳）や林下詩美（26歳）らとの対戦が有力視されている。

期待と試練　“笑いの世界”から“闘いの世界”へ

芸能界で人気を確立したタレントが、再び肉体と精神を極限まで使うプロレスの世界に戻る——この挑戦に、ファンからは「本気が伝わる」「タレントではなくレスラーとして見たい」といった声が上がる。一方で、「話題づくりでは」「競技を軽んじないで」との厳しい視線も少なくない。

しかし、関係者によれば、休止期間中のフワちゃん（31歳）はメディア出演を控え、トレーニングを日課にしていたという。筋トレや受け身の練習を継続し、「リングに立つための体を取り戻すことに集中していた」との証言もある。
タレントとしての軽快さと、プロレスラーとしての覚悟。その両立を成し遂げられるかが今後の鍵となる。

フワちゃんは最後に「これから死ぬ気で頑張ります！」と絶叫。会場からは大きな拍手が巻き起こった。
笑いから闘いへ、そして再生へ。彼女の“第二章”は、リングの中心から始まる。