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朝倉未来、3度目の王座挑戦へ 「弱くない」と証明できるか──RIZIN10周年の大舞台に立つ理由

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ラジャブアリ・シェイドゥラエフ―朝倉未来
朝倉未来氏 Instagramより

格闘技イベント「RIZIN」は11月5日、東京・六本木ヒルズアリーナで大みそか大会「師走の超強者祭り」の緊急会見を開催し、フェザー級王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)に朝倉未来(JTT)が挑戦すると発表した。
4年ぶりの大みそか参戦にして3度目の王座挑戦。だが、SNS上では「もう弱くなった」「金のための復帰」といった辛辣な声もあがる。
それでも未来は言う――「覚悟は決まっている」と。彼が再びリングに立つ理由とは何か。

 

「史上最強の相手」への挑戦

「史上最強の相手を用意してもらって、相手にとって不足はない。1Rから倒しにいきます」。
会見の壇上で朝倉は落ち着いた声でそう言い切った。

榊原信行CEOによれば、タイトル挑戦を決めたのは「ここ数日の話」だったという。
「本人の中ではずっと決めていたのかもしれない」と明かす榊原氏の言葉からも、RIZIN10周年を締めるメインイベントにふさわしいカードであることがうかがえる。

対する王者シェイドゥラエフは、キルギス出身でRIZIN無敗のフェザー級チャンピオン。打撃・寝技ともにハイレベルで、“アジア最強”との呼び声も高い。
朝倉はその実力を認めつつも、「シェイドゥラエフとケンカした選手はいない。気持ちの強さを見せたい」と宣言。
初対面のフェースオフでは、両者が静かに視線を交わしたまま一歩も引かず、緊張感が場を支配した。

 

引退からの再出発──「モヤモヤ」を晴らすために

2023年7月、「超RIZIN.3」で平本蓮に1RでTKO負けを喫した朝倉は、その夜「もうやりきった」と語り、事実上の引退を表明した。
だが、数か月後、自身のYouTubeで「まだ格闘技界にモヤモヤがある」と心情を吐露。誰よりも早く練習を再開した。

今年5月の東京ドームでは、負傷欠場した平本の代役として元王者・鈴木千裕と対戦。3Rドクターストップで勝利し、約2年ぶりに白星を掴んだ。
続く7月の「超RIZIN.4」では、4年前に敗れたクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)に判定2-1で勝利。リベンジを果たし、復帰後2連勝を飾った。

「クレベルに勝った後から、次は王者と戦うだろうなと思っていた」と語る未来の表情には、かつての“煽り屋”の面影はない。
勝ち負けよりも、「もう一度、格闘家としての自分を証明したい」という強い意志がにじむ。

 

SNSで渦巻く「弱くなった」「金のため」論争

今回の挑戦発表を受け、SNSでは賛否が分かれた。
「もう全盛期は過ぎた」「メイウェザー戦で味をしめた」「話題づくりだろ」といった批判の一方で、
「負けても挑む姿勢は尊敬」「やっぱり朝倉がいないとRIZINは盛り上がらない」といった擁護の声も多い。

特にX(旧Twitter)では、

「挑戦するたびに叩かれるけど、それでも戻ってくるのが彼の強さ」
「金のためだとしても、命懸けで戦えるのは才能」
といったコメントが数多く投稿された。

朝倉未来という存在は、勝敗を超えてファンの感情を揺さぶる“物語そのもの”になっている。
SNSで最も多く交わされているのは、強さの是非よりも「なぜ彼は再び立ち上がれるのか」という問いだ。

 

「金のため」説を越えて──闘う理由の変化

YouTuberとしても成功し、実業家としての顔も持つ朝倉未来。
だからこそ、「金のための復帰」と冷ややかな目を向ける声は絶えない。だが、関係者の一人はこう話す。
「彼はもう経済的には十分成功している。それでも戻ってきたのは、格闘技にしかない“生の実感”を求めているからでしょう」

本人も会見で「命懸けじゃないけど、見てる人の心が震える試合をする」と語っている。
ビジネスとしてではなく、“覚悟”としての復帰。
敗北を経験し、傷ついた自尊心を抱えたまま、それでも拳を握る姿に、かつての“強さ”とは異なる新しい強さが見えてくる。

 

3度目の挑戦に懸ける「強さ」の証明

RIZINフェザー級ベルトへの挑戦はこれが3度目。
過去2度はいずれも敗れたが、未来は諦めない。
榊原CEOは「10周年のラストを飾るにふさわしい熱狂をつくる」と語り、この試合を大会のメインに据えた。

さいたまスーパーアリーナという“聖地”で迎える大みそか。
勝敗の先に問われるのは、「朝倉未来は本当に弱くなったのか」ではなく、「それでも立ち上がれるのか」だ。
強さとは、倒れないことではなく、倒れても再び立つこと――その定義を、彼はリングの上で証明しようとしている。

 

RIZIN10周年を締めくくる豪華カード

大会では、朝倉未来とシェイドゥラエフの王座戦を筆頭に、6大タイトルマッチが組まれた。

  • フェザー級王者 ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス) vs 挑戦者 朝倉未来(JTT)
  • ライト級王者 ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル) vs 挑戦者 野村駿太(ATT)
  • ヘビー級王座決定戦 アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア) vs ライアン・ベイダー(米国)
  • フライ級GP決勝戦 扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN) vs 元谷友貴(ATT)
  • 女子スーパーアトム級王者 伊澤星花(JTT) vs 挑戦者 RENA(シーザージム)
  • バンタム級王者 井上直樹(キルクリフFC) vs 挑戦者 サニー・サバテロ(米国)

RIZIN10周年の節目を飾る聖夜、主役は再びこの男だ。
批判も称賛も、全てを力に変えて挑む朝倉未来。
その拳が放たれた瞬間、「弱くない」という答えが、リングの上で証明されるだろう。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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