
2025年11月5日夜、今年最大の満月「スーパームーン」が東の空に昇る。
夜の静けさの中、ひときわ明るい光が地上を照らす。
北日本や日本海側では観測日和となり、空気の澄んだ夜空に大きな月が浮かぶだろう。
一方、関東から九州南部では雲が広がり、雲の切れ間が唯一のチャンスになりそうだ。
冷え込む夜、息を白くしながら空を見上げると、月の光が秋の景色を柔らかく包み込む。
なぜ今夜の月は特別なのか?スーパームーンの仕組み
月は地球の周りを楕円軌道で公転しており、その距離はおよそ35万〜40万キロの間を行き来している。
最も近づいた位置で満月を迎えるとき、その月は「スーパームーン」と呼ばれる。
2025年11月5日22時19分、月は地球から約35万7,000キロ地点にあり、今年最も近い満月となる。
4月のマイクロムーンに比べて約14%大きく、30%明るい。
地平線から昇るその瞬間、月はまるで手が届きそうなほどの存在感を放つ。
今夜の天気と観測できる地域
北日本と日本海側は高気圧に覆われ、広い範囲で晴天が続く見込み。
北海道や東北北部では、満月がはっきりと見え、絶好の観測日和となる。
一方、関東から九州南部の太平洋側は雲が多く、ところによっては雨が降る。
ただ、夜遅くには雲の切れ間から姿を見せる可能性もある。
もし今夜見られなくても、翌6日の夜にはほぼ同じ大きさの“十六夜の月”が昇る。
二夜連続のチャンスを逃さずにいたい。
観察ポイントと撮影のコツ
観測するなら、東の空が開けた場所を選ぶのがいい。
月が地平線から昇るとき、空気の層を通して光が屈折し、橙色に染まる。
この瞬間がもっとも印象的だ。
スマートフォンでも撮影は可能で、夜景モードを使い、望遠2倍程度で固定すれば輪郭がくっきり写る。
三脚や手すりに固定し、ぶれを防ぐのがポイント。
夜は冷えるため、上着を一枚多く持ち、温かい飲み物を手にするのもいい。
秋の夜空を照らすスーパームーン
紅葉が見頃を迎える地域では、月明かりが木々を照らし、赤や金の葉が輝きを増す。
湖面や川面に映る満月は、静寂の中でゆらぎながら光を返す。
夜風の冷たさの向こうに、自然の息づかいが感じられる。
忙しない日々の中で、月を見上げることが少なくなった人も多い。
たった一夜でも、空を見上げることで心が整う。
それがスーパームーンの持つ、静かな力だ。
次に訪れる“究極のスーパームーン”
今回のスーパームーンは、2019年以来の大きさを記録する。
だが、2026年12月24日にはさらに地球に近づく「究極のスーパームーン」が訪れる。
クリスマスイブの夜、今夜以上に明るい満月が夜空を照らす。
その日を待ちながら、今夜の光を心に焼きつけておきたい。



