
大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のハロウィンに、真っ赤な悪魔コスチュームで登場した女性がいる。Instagramのアカウント名は「@princess_tiara_tomoko」。年齢は54歳。投稿には「#アラフィフ」「#美脚」「#ユニバコーデ」といったハッシュタグが並び、魔女やキャットウーマンの衣装で仲間5人と園内を闊歩する姿が写っていた。
フォロワー4.4万人を抱える彼女の投稿は瞬く間に拡散し、SNS上で大きな議論を呼んだ。火をつけたのはまとめアカウント「滝沢ガレソ」がX(旧Twitter)に投稿した一文だ。
「【話題】ハロウィンのUSJにコスプレで降臨したアラフィフ女性集団が物議を醸す」
SNS上で分かれた反応 「みっともない」VS「人生楽しんでて素敵」
コメント欄には、「54歳でこれはみっともない…」といった否定的な声もあれば、「全力で人生楽しんでていいじゃん」という肯定的な意見も並んだ。滝沢ガレソによるアンケート投稿には25万票以上が集まり、「女性/全然セーフ!」が33.7%、「男性/全然セーフ!」が25.7%と、“肯定派”が過半数を占めた。
一方、匿名投稿ではこんな冷静な意見も見られた。
「露出多めとはいえ、スカート丈が短いくらいで胸も出てない。ユニバのルールを守っているなら問題ない。この世代は若い頃にハロウィン文化がなかったんだから、今楽しむのもいいと思う」
また別のユーザーは、彼女たちの努力に注目する。
「どうせ54歳なんて派手でも地味でも何したって言われる。こんなに綺麗な体型、努力してる証拠だと思う」
「年齢を理由に諦めるなんてもったいない」 本人のメッセージに共感の声
騒動を受け、当の本人・TOMOKOさんは翌日にInstagramを更新した。
「『50代なのにコスプレ?』そう言われたけど、だから何?
年齢を理由に“やりたいこと”を諦めるなんてもったいない。
私は自分の人生、思いっきり楽しむよ」
この投稿には、「勇気をもらいました」「年齢に縛られず生きたい」といった共感のコメントが相次いだ。
「年齢」ではなく「自由」で語られる時代へ
TOMOKOさんは、美容・ファッション・旅行などをテーマに日常を発信するインフルエンサーで、28歳と25歳の息子をもつ2児の母でもある。年齢を重ねても自分らしく生きる姿が、多くのフォロワーの共感を呼んでいる。
SNSの論争は、ハロウィン文化そのものの変化も映し出している。かつて“若者のイベント”だった仮装は、いまや年齢も性別も超えた「自己表現の場」になりつつある。
「みっともない」のか、「かっこいい」のか。
答えは人それぞれだが、54歳で笑顔を絶やさずステージに立つ彼女の姿に、「成熟した自由」という新しい美しさを見る人は少なくない。



