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「いいじゃないですか!」の一言で大炎上――TVタックルで高陽子が放った“危険すぎる冗談”の代償

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高陽子
高陽子さん Instagramより

10月12日放送の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で、中国出身の女優・高陽子(39)が放った“ひと言”が、いまネットを揺らしている。
番組中で「中国の支配下になります」と語る東国原英夫氏に対し、高が笑顔で返した「いいじゃないですか!」――その瞬間、スタジオは凍りつき、SNSは炎上。わずか数秒の発言が、政治と国籍、そして「日本社会の不寛容さ」をあぶり出した。

高市早苗総裁をめぐる“火薬庫テーマ” 靖国と外交のはざまで

番組の特集は「高市新総裁への期待と不安 外交問題は?」。
10月4日に自民党総裁選を制した高市早苗氏(64)を取り上げた討論企画だった。
高市氏といえば、閣僚時代から靖国神社への参拝を重ねてきた保守派の象徴的存在。
これまで日本の指導者による靖国参拝は、たびたび中国や韓国との外交摩擦を引き起こしてきた。

番組では、中国メディア「新華社通信」「環球時報」の報道を引用。
《日本の右翼政治家の代表的な人物》《必要なときは断固として戦うべきだ》――
そんな見出しが並ぶ中国側の反応に、スタジオの空気はピリついていた。

「トランプさんの言いなりにならない?」 高陽子の一言に東国原が即答「なりますよ」

討論の焦点は日米関係に移った。
高市氏は“安倍路線”を継承する政治家として知られ、安倍元首相を通じてトランプ前大統領(79)との関係を築いてきた。
東国原英夫氏(68)や岸博幸氏(63)は「トランプ氏とはうまくやれる」「日米同盟の安定感は増す」と肯定的に評価。

そんななか、高陽子が口を開いた。
「でも、トランプさんの言いなりになったりしませんか?」
柔らかな口調ながら、問いには鋭さがあった。
東国原は間髪入れずに「なりますよ」と断言。
続けて「(アメリカに逆らえば)中国が出てきます」「中国の支配下になります」と語ると、高は少し考えたのち、笑顔でこう言い放った。

「いいじゃないですか!」

スタジオは一瞬で静まり返り、「えー!?」「ダメダメ!」と共演者の声が飛び交った。
東国原も思わず目を見開き、「いや、それはダメですよ!」と苦笑した。

SNSは一気に炎上――「いつ中国に帰るの?」「日本から出て行け」の嵐

放送直後、X(旧Twitter)では「#TVタックル」がトレンド入り。
問題の場面を切り取った動画が拡散され、批判が殺到した。

《公共の電波で中国支配を肯定とか正気か》《日本が中国の支配下でいいとか放送事故レベル》《発言が軽すぎる》――
次々と非難が書き込まれ、炎上の火は一気に広がった。

やがて矛先は発言内容を超え、高の“出自”にまで及ぶ。
《いつ中国に帰るの?》《早く日本から消えて》《反日女優はテレビに出すな》
――SNSには差別的な投稿が相次ぎ、高のアカウントには罵声が飛び交った。

関係者によれば、高は放送後、コメントを閉鎖し、一時的にSNSを休止したという。
ある芸能関係者は語る。

「本人は“そんな意図ではなかった”と落ち込んでいたそうです。
彼女にしてみれば“アメリカに従うだけでいいのか”という疑問を投げかけたつもりだったのでしょう。
しかしその真意が、放送の編集やSNS上の切り取りで誤解された形です」

「挑発ではなく、依存への違和感」――識者が見る“発言の裏側”

政治学者の一人は今回の発言をこう分析する。

「高さんの“いいじゃないですか”は、アメリカ一辺倒の日本外交への違和感の表現です。
アメリカに追随し続ける構図に対して、『もっと自立した外交を』という思いが、冗談めかした一言になって出てしまった」

だが、番組のような生放送討論では、文脈より“瞬間の印象”が残る。
SNSの世界では、その数秒が「思想の証拠」として切り取られ、炎上の燃料となってしまう。
本人の意図と世間の受け止め方の乖離――そこに、現代メディアの危うさがある。

高陽子の素顔――“二つの国の間で揺れる女優”炎上が映す「言葉の不寛容」

高陽子は中国・吉林省生まれ。2000年代に来日し、女優として活動を開始した。
NHKドラマ『東京サラダボウル』や舞台作品で知られ、知的な雰囲気と流暢な日本語が持ち味だ。
政治的発言は控えるタイプで、むしろ文化や平和をテーマに語る機会が多い。

芸能関係者は言う。
「高さんはいつも“日本と中国の橋渡しになりたい”と話していました。
ただ、その立場ゆえに、どちらの国でも“裏切り者”扱いされるリスクを抱えている。
今回はまさにその難しさが露呈した形です」

今回の発言は、日中両国の関係に揺れる彼女の“立場の狭間”が垣間見える瞬間でもあった。

SNSの時代において、わずか一言が「思想の証拠」として拡散され、個人を社会的に抹消することすらある。
今回の騒動は、メディアと視聴者双方の「文脈理解力」が問われた事件だった。

メディアは発言の意図を伝える努力を怠ってはならない。
視聴者もまた、「誰が言ったか」ではなく「何を伝えようとしたのか」を読み解く冷静さを持つべきだ。

“いいじゃないですか”――その短い言葉は、外交論争を超えて、
いまの日本社会が抱える「他者への不寛容」を鏡のように映し出している。


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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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