能登の人材不足解消へ、企業と被災団体をマッチング

LINEヤフーは、一般社団法人能登官民連携復興センターと共同で、人材不足の解消を目的とした新たなプラットフォーム「プロボ能登」を立ち上げた。2025年9月22日、NECやサイボウズなど計6社が新たに加盟し、本格始動を発表した。加盟企業とLINEヤフーを含む7社が、各社の専門技術やノウハウを活かし、能登地域の復興課題に対応する。
「プロボ能登」は、被災団体が抱える具体的な課題と、社員のスキルを活かしたプロボノ支援を希望する企業をマッチングする仕組みだ。災害からの復旧から復興への歩みを進める能登半島では、人材不足やノウハウ不足が依然として深刻であり、復興の大きな障害となっている。
第一弾は「のと復耕ラボ」と連携
第1弾の取り組みとして、地域団体「のと復耕ラボ」が進める「のと古材レスキュープロジェクト」と連携し、古材の在庫管理システムの構築を支援する。このプロジェクトは、能登半島地震で被災した古民家から木材を回収し、テーブルやベンチなどに再生する取り組みだが、これまで在庫状況を一元的に把握する仕組みが整っていなかった。
「プロボ能登」では業務設計からツール導入、マニュアル作成まで包括的にサポートし、地域住民が持続的に運用できる仕組みを提供する。これにより、資源の循環活用を通じた能登の持続的な復興を後押しする。
地域に寄り添う遠隔支援の広がり
LINEヤフーは2024年から、社員の専門知識を活かした「LINEヤフープロボノ」を展開し、宿泊施設の予約サイト制作や伝統工芸の情報発信支援など、遠隔による地域特化の支援を続けてきた。今回の「プロボ能登」では、能登自動車学校のサイトリニューアルや地域アクティビティ施設の情報発信支援など、多様なプロジェクトも控えている。
能登官民連携復興センターの藤沢烈センター長は「NECやサイボウズをはじめとする企業の参画は地域にとって心強い一歩。都市部の専門性と地域の知恵が交わり、新たな価値を生み出す場になる」と強調した。

LINEヤフーの西田修一執行役員も「現地の営みを止めない仕組みづくりが復興の出発点だ」と述べ、加盟企業と共に能登の課題解決に寄り添う姿勢を示した。
今後の展望
「プロボ能登」では、今後も参画企業を募りながら、1案件あたり約3か月のプロジェクトを推進していく。企業の専門性を遠隔で生かしつつ、地域との交流を通じて双方に学びをもたらす仕組みとして、全国の復興モデルとなる可能性がある。
能登から始まるこの取り組みは、持続可能な地域社会の構築に向けた新たな挑戦となりそうだ。