
マクドナルドは8日、人気キャラクター「ポケモン」とコラボレーションしたハッピーセットの販売を全国で開始した。9日から11日の3日間は、オリジナルデザインのポケモンカードを数量限定で配布する予定だ。転売防止を目的に、同社はフリマアプリ「メルカリ」との情報共有や違反出品削除などの連携を実施。さらに期間中は購入を1人5セットまでに制限する方針を発表しているが、この数値をめぐってはネット上で賛否の声が上がっている。
ポケモンコラボの概要
今回のハッピーセットには、ピカチュウやイーブイをはじめ、10月発売予定の新作ゲーム『Pokemon LEGENDS Z-A』に登場するメガルカリオやメガリザードンXなど、メガシンカを遂げたポケモンが登場する。全8種類に加え、詳細非公開の「ひみつのおもちゃ」1種類を加えた全9種類が用意され、第1弾(8日~14日)と第2弾(15日~21日)に分けて提供。22日以降は全種がランダムで登場する。
特に注目されるのは、9日から11日までの3日間限定で実施される「週末プレゼント」だ。この期間中にハッピーセットを購入すると、マクドナルドオリジナルイラストのピカチュウカード1枚と、ニャオハ・ホゲータ・クワッス・ラルトス・リオルの中からランダム1枚の全5種がセットで配布される。いずれも非売品で、コレクターやポケモンカードゲーム愛好家の間で高い需要が見込まれる。
転売防止を狙うメルカリとの連携
マクドナルドは今回、過去の人気コラボでの教訓を踏まえ、初めてメルカリと直接連携した。5月に販売された「マインクラフト ザ・ムービー」や「ちいかわ」コラボでは、発売開始からわずか数日で多くの店舗が完売。フリマアプリでは未開封のおもちゃが高額で出品され、転売目的の購入が問題となった。
メルカリとの取り組みでは、発売前後の情報共有、商品画像の無断転載や著作権侵害の削除、規約違反出品の取り締まり、悪質な詐欺行為への対応などが含まれる。マクドナルドは公式サイトで「転売または再販売、営利を目的としたご購入や、食べきれない量のご注文はご遠慮ください」と明記し、在庫に関する店舗への問い合わせも控えるよう求めている。
購入制限の賛否
週末3日間の購入制限は「1人5セットまで」と設定された。この数字については、「制限を設けてくれたのはありがたい」という評価がある一方、「5セットは多すぎる」「1人1セットで十分」との批判も多い。
代理購入や複数店舗を回ることで実質的な制限が形骸化する懸念や、販売開始直後に在庫が尽き、カードが配布されないケースを心配する声も上がっている。
また、一部からは「人気商品の希少性が転売の温床になる」として、任天堂が過去に採ったような大量増産・長期配布の方法を参考にすべきだという提案もある。
明日からの週末に向けた見通し
9日から始まる限定カード配布は、全国的に需要のピークとなる見込みだ。過去の事例から、配布初日の午前中に在庫がなくなる店舗が出る可能性も否定できない。特に都市部や大型ショッピングモール内の店舗では、開店直後から混雑することが予想される。
マクドナルドは混乱防止のため、週末の購入上限について事前に公式サイトや店舗で案内を行っているが、現場対応の徹底が課題となる。今回の取り組みがどの程度転売防止に寄与するかは、週末3日間の販売状況によって評価が分かれるだろう。
今後への影響
今回の試みは、人気キャラクターとのコラボ商品販売における新たなモデルケースとなる可能性がある。メルカリとの情報連携や事前の購入制限告知は、これまでの「売り切れ→転売横行」という流れを変える第一歩だ。
ただし、実際に子どもたちの手に行き渡るかどうかは、今後の在庫管理と販売現場の対応にかかっている。消費者のモラルと企業の販売戦略、その両方が試される3日間となりそうだ。