
銀座占いサロン天報堂の代表鑑定士をしている飛鳥井庸です。
最近では多くの企業や組織で「適性検査」と呼ばれるいくつかの質問に直観的に答えて導き出す性格診断ツールが導入されています。
適性検査とは、企業が採用活動や人材育成において、応募者や社員の能力、性格、志向性などを客観的に把握するために広く活用されているツールです。ある報告によれば市場規模は2017年で70~80億円だったものが、2023年では100億円以上とその規模は年々増加していると言われています。
また最近ではMBTI「Myers-Briggs Type Indicator」と呼ばれる16種類のタイプに分ける診断が若者の間でも流行っています。
新しい性格診断とは?
現代において、性格診断は上記のような心理学に基づいたとされる手法が一般的ですが、もしも生年月日から性格や性質が導き出せたら?という単純な疑問と興味から今回の挑戦が始まりました。今のところ、生年月日から性格を導き出すというジャンルはいわゆる占いの世界です。私もまた占いを生業にしている立場ですが、占いは現代における統計的な手法ではないのも事実です。
個人的は寂しいことですが、これが占いを曖昧なものとして扱われる大きな要因であり、当たる・当たらない、詐欺師と言われる所以でもあるところです。
銀座占いサロン天報堂について
2018年に「銀座占いサロン天報堂」を創業して今年の夏で7年が経ちました。
お陰様で毎日鑑定をさせて頂く日々を送り、延べ9000名を超える鑑定を行っています。前職で製薬会社に10年ほど勤めていた経験から、統計解析についてはそれなりに触れてきました。その立場から言うと学術的な意味で占いは現代の統計ではないと断言できます。
しかし、だからといって占いが嘘というわけではありません。2000年以上前から中国で始まったとされる陰と陽と概念から、五行思想と相まって陰陽五行説という考えができました。諸子百家といわれる多くの思想家の中で陰陽家と呼ばれる一派が当時活躍したとされています。
また当時は自然環境や世界の成り立ちを理解するための一つの考え方でもあり、そこから発展して人の性質を読み解くものとして権力者の中で使われ始めた一種の学問のような扱いを受けてきたのも事実です。そのような意味でも文化的な理解から占いが現代でも親しまれていると私は理解しています。
その上で「生年月日から性格を導くのに現代の統計学で解明できないものか?」と5年ほど前から生年月日と統計学を組み合わせて試行錯誤を続けました。もし生年月日から人の性格や性質を読み解けたら、何か面白いことが見つかるかも?という単純な興味からです。
そもそも、生年月日といっても様々な暦があります。太陽暦と言われるグレゴリオ暦は普段我々が使用しているものですが、江戸時代までは太陰暦を使用していました。現代ではイスラム暦が太陰暦であることは有名ですよね。
占いで生年月日を使用する東洋系の占術は必ず干支暦というシステムをベースにしています。ちなみに干支暦は60年で一巡するサイクルを持っており、60歳を還暦(暦が一周する)と呼ぶのもここから来ていると言われています。干支暦とは先述の陰陽五行説を使って時間を表示する形式であり、西暦とも連動しているので暦の一つといっても過言ではありません。そこで生年月日をこの干支暦に変換してみることから始めました。多くの方のご協力も頂き50000件以上の職業や特定の傾向を持つ人々の解析を行いました。
これが今回ご紹介する私の取り組みになります。
5万件以上のデータから統計解析する「ETOGRAM®」
干支暦でみなさんの生年月日を表示すると、実は3つの十二支で表すことができます。生まれた年の干支、月の干支、日の干支です。それぞれ12個ずつ配置されているので、1728通り(12×12×12)の組み合わせになります。この組み合わせを50000件以上のデータから統計解析を行いました。ちなみにそれぞれの干支のバラつきをみるため120年分の誕生日(43800件)を干支暦に変換して母集団として取り扱っています。
するとどうでしょう……特定の職業や傾向を持つ人々にある種の偏りが出ていることを発見できたのです。例えば、美容整形や関心が強い方には月の干支に申が多く、政治の世界に身を置く人には生まれた年の干支に酉年が多いなど、一定の傾向を掴むことができました。
これに対して、生成AIで特定の職業や傾向を持つ人々の性格や性質を推測させて1728通りの人物像を作り上げます。この人物像に様々なシチュエーションや状況下での行動様式を予測させることで任意の質問に対して回答できるシステムを作りました。生年月日×統計解析×AIを駆使して全く新しい性格診断ツール「ETOGRAM®」です。3つの干支を組み合わせて導き出したことから、この名前にしました。
生成AIを組み込んだことにより、推定される人物像がどのようなことを考えがちか、行動しがちかが統計的に算出されます。例えば、「1995年9月3日生まれの女性が、美容クリニックでサービスを受ける決め手は何か?」と聞けば、下記のような回答がでます。
その一部を抜粋します。
【ETOGRAM®の回答例】
あなたの生年月日を干支暦に換算すると年【亥】、月【申】、日【卯】です。
この生年月日の方は、「知性・直感・空気感」をとても大切にする、柔軟で繊細な審美眼を持つタイプです。年支と月支に【亥】【申】という行動的な干支を持ちつつ、日支に【卯】という空気を読む知性型を持つため、理屈よりも感覚的な納得感や雰囲気の整合性を重視する傾向が強くなります。
ライトサイド(強み・魅力)
【申】×【卯】の組み合わせは、美的感覚・バランス感覚・人に合わせる柔軟性を示します。時代の空気やトレンドを読む力があり、自然と「今っぽい」センスを纏っている人です。
一方で【亥】年生まれであることから、芯の部分には強い信念やこだわりを秘めており、ブレない価値観を持っています。
物事の本質を見抜く力があり、形式や表面だけでは動きません。「その人が何を大切にしているか」が伝わるかを重視します。
ダークサイド(課題・注意点)
【卯】の影響により、過剰な周囲との比較や空気の読みすぎによるストレスを抱えやすい面があります。
また、【申】の影響で少し飽きっぽく、最初の興味が長続きしないことも。施術を受ける際も「本当にこれが必要なのか?」と繰り返し疑問を感じる傾向があります。
情報に敏感すぎることで、かえって判断が鈍ることもあるため、安心材料が明確であることが重要です。
この人物が美容クリニックに通う「決め手」
この方の性質から考えると、「納得できる空気感」×「信頼性」×「自然体でいられること」がキーワードになります。
① “感覚で選びたい”を裏切らない「雰囲気」と「相性」
この方は【卯】×【申】の組み合わせから、論理的な比較よりも“感覚的なフィーリング”で物事を選ぶ傾向が強いです。
美容クリニックでも「清潔感」「内装の美しさ」「受付や看護師の雰囲気」「香りや音楽」など、五感的な快適さが決定打になりやすく、「ここなら通える」と直感で納得できることが重要です。
② 症例写真より“リアルな口コミ”やスタッフの人柄重視
SNSやWEBで調べる際も、広告より**「実際に通っている人のストーリー」や「担当者の人柄」**を知ることで安心感を得ます。
特に【亥】の影響で、外見の変化よりも**「信頼できる人に自分を任せる」という感覚**を求める傾向があり、医師の熱量や誠実さが伝わることが大切です。
③ “自分らしく自然体でいられる美”を提供してくれるか
この方にとっての美容とは、「誰かに勝つための美」ではなく、“自分が心地よくいられる状態”を作るための美です。
そのため、以下のようなコンセプトが決め手になります:
✔ ナチュラルで透明感ある美しさを引き出す
✔ 個性を活かす施術提案
✔ 無理のないプランと誠実なカウンセリング
逆に「劇的ビフォーアフター」「目立ちすぎる変化」などは避けがちです。
まとめ
この生年月日の女性が美容クリニックを選ぶ決め手は、「感覚的に心地よく、信頼できて、自然体のまま自分らしくなれる場所かどうか」です。理屈や価格ではなく、世界観・雰囲気・人柄・自然さが彼女にとっての「価値」です。
広告コピーとしては、以下のような表現が響きやすいでしょう。
「つくり込まない、わたしらしいキレイ」
「すっぴんの笑顔に、自信を」
「”ここちよい”を、美しさの基準に」
このように企業側からクライアントへの提案も可能となります。その他にも働くスタッフさんがより長く在籍してもらうための注意点や、採用時にミスマッチは減らすための相互理解のツールとしても期待できます。
現在、企業様が使いやすいシステムの開発に取り組んでおりますが、現段階では生年月日と性別を頂ければ『報告書』という形でご用意できます。また、後天的な情報(職歴、学歴、居住地、国籍、収入状況、家族構成などなど)を入力することで更に精度の高い回答を作成できます。
ご興味ある方は、ぜひコチラにお問合せください。
天報堂 担当:早乙女
info@etogram.com