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イラクのムツゴロウさん、ライオンに“愛されすぎて”食べられる 隣人が7発で射殺する騒動に発展

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イラク、ライオンが人を食い殺す
DALL-Eで作成

イラク・ナジャフ県で、「イラクのムツゴロウさん」として知られたアキル・ファフル・アッディーン氏(50)が、自宅の裏庭で飼っていたライオンに襲われ死亡するという、信じがたい事件が起きた。現地メディア「アル・ガド」などが報じた。

事件が起きたのは先週木曜日、ナジャフ県クーファの住宅街にあるアルディン氏の自宅裏庭だった。彼は長年、ライオンを含む野生動物を“愛情いっぱい”に飼育していた。だが、その愛が通じなかったのか、あるいは通じすぎたのか——新たに迎え入れたライオンに、首と胸を激しく噛まれ、命を落とすことになった。

 

「わしゃ動物が好きなんじゃ」で飼い続けた末の悲劇

アルディン氏は、かねてより珍しい動物を自宅で飼育していたことで地元ではちょっとした有名人だった。そのライフスタイルはまるで日本の動物愛好家・畑正憲氏、通称“ムツゴロウさん”を彷彿とさせる。そんな「イラクのムツゴロウさん」が、ライオンに食い殺されてしまったという。

彼が今回、新たに“家族”として迎えたのが、まだ飼い始めて1ヶ月も経たない大人のライオンだった。愛情を注いでいたつもりが、その牙が皮肉にも彼自身に向けられた。

家族の悲鳴で隣人が出動、ライオンに7発

 

地元紙によると、襲撃は突如として起こった。アルディン氏がライオンの檻に近づいたところ、猛獣は突然跳びかかり、首と胸を噛み切るように攻撃。家族が叫び声を上げたことで隣人が異変に気づき、持っていた銃でライオンを7発撃ってようやく沈静化させた。

「まさか、ライオンに食われるなんて…」と近隣住民は言葉を失っていたという。

なお、アルディン氏の遺体は搬送後、相当部分が損傷していたことが確認された。

SNSでは「懐くわけがない」「他の動物も危険だった」と冷静な声

 

この事件に対しては、SNSでも多くの反応が寄せられている。とくに注目を集めたのは、アルディン氏が「仔ライオン」ではなく、「大人のライオン」を突然購入して飼育していた点だ。

「仔ライオンのときから飼っていたわけではなく、いきなり大人のライオンを連れてきて懐くとは思えないし、ライオンも混乱したのでは」

「幼体のときから飼っていても猛獣は突然本能を剥き出しにする時もあるのに」

「他の動物と一緒に飼うために買ったって、コレクション感覚ですよね。他の動物も犠牲になる可能性が高かったと思う」

「亡くなったのは気の毒ですが、他の人に被害が及ばなかったのだけはまだよかったかと」

「よく海外の動画でライオンや熊とじゃれる飼い主がいるけど、あれは何年もかけて関係を築いた結果。素人がいきなり飼うなんて危険すぎる」

「野生動物と人間は一定の距離が必要。安易に“ペット化”して見せるSNS動画の影響もあるのではないか」

こうした投稿は、野生動物と人間との付き合い方に警鐘を鳴らすものであり、今回の事件が単なる事故では済まされないことを物語っている。

野生動物を“庭先”で飼う文化に懸念も

 

今回の事件を受け、イラク国内では野生動物の個人飼育に対する法規制の甘さが改めて問題視されている。イラクは2014年に動物保護協定に署名しているものの、戦争や不十分な法執行、高額な希少動物への需要などを背景に、今なお密輸や違法飼育が横行している。

ナジャフ県では、ペットとしてのライオンやトラの飼育が一部でブームになっており、「珍しければ珍しいほどステータスになる」という風潮もある。だが今回の悲劇は、その代償の大きさを改めて突きつけた形だ。

「動物たちとふれあいたい」——そんな純粋な想いが、“食われる”という結末を迎えたこの事件。愛が牙を持つこともあるという、皮肉な教訓がそこにはある。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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