掃除で繋がる高校生と特別支援学校生の交流
さいたま市立ひまわり特別支援学校と埼玉県立川口工業高校掃除部は12月11日、交流会を開催した。マンション・オフィスの日常清掃に関する講座・検定等を行う一般社団法人日常清掃協会(埼玉県さいたま市、代表理事:鈴木範之)も出席した。この交流会は、日常清掃協会が関わった“掃除”という接点から実現した。
同協会は8月、川口工業高校掃除部の「就活に活かせる掃除の資格が欲しい」という声を受け、「ToILET(トイレ)清掃検定」を設立。11月には、ひまわり特別支援学校の高等部で清掃講習会を実施し、鈴木代表理事が講師として4日間の講習を行った。
ゴミ拾い競争でチームワークを発揮
交流会には、ひまわり特別支援学校の高等部1年生8名と川口工業高校掃除部9名が参加した。生徒たちは自己紹介の後、3チームに分かれ、30分間でどれだけゴミを拾えるかを競った。集めたゴミの重さで1位から3位までが決定。順位発表では、ガッツポーズで喜ぶ生徒の姿も見られた。賞状は参加者全員に授与された。
ひまわり特別支援学校の生徒は前日にゴミ拾いのルートを確認していたため、掃除部の生徒を先導しながらゴミを拾うことができた。一方、ゴミの分別については掃除部の生徒がひまわり特別支援学校の生徒に教え、互いに助け合う姿が見られた。小さなゴミも見逃すまいと注意深く見て回り、落ち葉の中からタバコの吸い殻を見つける場面もあった。
日常清掃協会について
一般社団法人日常清掃協会は、日常清掃に関する情報を整理し、携わる人のスキル・マインドの向上を後押しする団体。日常清掃に関連する検定資格やオンライン講座やテキスト等を発行し、学ぶ手段を整えることで清掃品質の向上と普及に尽力している。HPでは検定資格のほか、清掃現場でよく使われる注意喚起ポスターも公開している。
清掃を通して学ぶ、働く、そして繋がる
ひまわり特別支援学校では、学部が肢体不自由教育部門と知的障害教育部門に分かれており、今回の交流会には知的障害教育部門高等部が参加した。清掃業は掃除内容をマニュアル化しやすい点などから、知的障害のある生徒に選ばれる就職先の1つとなっている。同校にも「アミューズメント施設の清掃スタッフになりたい」という目標を持つ生徒がいる。
川口工業高校掃除部は、校内・地域の清掃を部活動として行い注目を集めている。12月1日には高校生がゴミ拾いを競い合う「スポGOMI甲子園」全国大会で優勝に輝いた。
今回の交流会は、生徒たちに清掃活動の楽しさを体験させるとともに、働くことへの意識を高める機会となった。
ひまわり特別支援学校の先生は、「みんな楽しんでいた。また来年も機会があれば交流したい」と述べ、交流会の成功を喜んだ。日常清掃協会は、今後も日常清掃に関する情報を提供し、清掃業界全体の質の向上と普及に努めていく。