
「ただ捨てられるだけの服を救いたい」という15年前の衝動が、ついに形となった。古着を繊維に戻す「反毛」技術を駆使し、株式会社インターウーブンが放つ新作スウェット。その圧倒的な質感と驚きの循環戦略に迫る。
「ただのゴミ」が山積みに…15年前、ニューヨークでの衝撃
ニューヨーク・ブルックリンの古着工場。選別から漏れ、薄暗い一角に山積みにされた大量の衣類を前に、一人の日本人が立ち尽くしていた。株式会社インターウーブンの原点は、この「絶望」の光景にある。
「商品として選ばれなかった服に、もう一度命を吹き込みたい」
その純粋な想いが2026年2月27日、ついに一つの「究極の日常着」として結実する。
「反毛」という魔法。古着をバラバラにして蘇らせる凄技
今回、自社ブランド「FRONT 11201」のサステナブルライン「REDE(レデ)」から登場するのは、一見どこにでもあるグレーのスウェットだ。しかし、その中身が凄まじい。
自社で回収した古着を一度バラバラに解体し、再び繊維へと戻す「反毛(ハンモウ)」という技術を駆使。生地から完全オリジナルで作り上げたのだ。
他社との決定的な違いは、その「質感」にある。再生素材にありがちな妥協は一切ない。ヴィンテージ特有のドライな手触りと、深みのある霜降りの表情。バイヤーとして培われた「本物を見抜く目」が、捨てられるはずだった布切れを、誰もが欲しがる一級品へと昇華させた。
「袋は返して」500円デポジットに隠された商売の極意
彼らの仕掛けは、服を売るだけにとどまらない。同時にスタートする「SHARE BAG」サービスが実にユニークだ。
大きいサイズのバッグを500円のデポジット(預り金)で貸し出し、返却すれば現金が戻るか、店で使えるクーポンがもらえる。
「エコだから我慢して」ではない。スーパーの帰りでも気軽に立ち寄れる「利便性」と「無駄の削減」を両立させる。この絶妙なバランス感覚こそ、現代のビジネスパーソンが最も学ぶべき「商売の極意」と言えるだろう。
過去の負債を「未来の資産」へ。捨てない時代の勝ち方
「単なるリサイクルではない、本質的なモノづくりを」
この哲学が、15年の歳月を経てブランドの背骨となった。我々がこの会社から学ぶべきは、世の中から「不要」とされたものに光を当て、それを「価値ある日常」へと書き換える圧倒的な編集力だ。
古着の山を宝の山に変えたインターウーブン。彼らが提示するのは、ファッションの未来を占う、一つの「正解」なのかもしれない。



