
株式会社ウォーターデザインワールドの「UFB DUAL®︎」がJR九州で本格導入された。薬剤に頼らず、水の性質を変えることで尿石を剥離する独自技術は、清掃員不足という社会課題に対する一筋の光明となっている。
トライアルを経てJR九州4駅へ本格導入されたUFB DUALの衝撃
株式会社ウォーターデザインワールドが開発したプラチナノバブル生成ノズル「UFB DUAL®︎」が、九州旅客鉄道(JR九州)の駅トイレ美化プロジェクト「恋するトイレプロジェクト」に採用され、南福岡駅、大野城駅、九大学研都市駅、筑前前原駅の計4駅に本格導入された。今回の決定は、先行して実施された試験導入での圧倒的な洗浄効果が評価された結果である。試験開始からわずか1ヶ月で、便器の尿石が剥離・軽減され、洗面台の汚れも目に見えて改善された事実は、水の力だけで勝手にお掃除するという同社のコンセプトが、公共インフラの現場で極めて有効であることを証明したといえる。
プラチナノバブルが持つ独自の物理的および電気的洗浄メカズム
市場に数あるナノバブル製品の中で、ウォーターデザインワールドの技術が突出している点は、その洗浄の科学的根拠にある。生成されるプラチナノバブルは平均0.1から0.2マイクロメートルという極微細な気泡であり、マイナスの電荷を帯びているのが特徴だ。この気泡がプラスの電荷を持つ汚れに電気的に吸着し、浮かせ、剥ぎ取るという物理的な仕組みを持つ。JR東日本との共同検証では、35年間蓄積した尿石を100時間の通水で除去した実績も持ち、独自のキャビテーション方式により、導入時の懸念点となる水圧低下を4%未満に抑えつつ、バイオフィルム形成を最大30分の1まで抑制する。既存インフラの機能を損なわずに洗浄力を付加する点が、他社製品にはない圧倒的な独自性である。
清掃という重労働を仕組みで変える開発の哲学
ウォーターデザインワールドが掲げるのは、現場の負担をテクノロジーで代替するサステナビリティの哲学である。代表取締役社長の松尾優氏は、人手不足が深刻化する中で清掃員の努力に依存し続ける管理の限界を指摘してきた。同社の技術は、汚れたら掃除をするという従来のサイクルを、水そのものに洗浄力を持たせることで汚れを付着させないサイクルへと転換させる。これは単なるコスト削減ではなく、清掃員の労働環境を改善し、公共空間の衛生水準を永続的に維持するための、極めて人道的なアプローチといえる。
既存資産の再定義から学ぶべき本質的な価値へのアップデート
ウォーターデザインワールドの取り組みは、成熟した産業における付加価値の作り方を提示している。水道という既存インフラを、ノズル一つで洗浄装置へとアップデートさせる発想は、あらゆるビジネスに通じる示唆を含んでいる。大学や鉄道各社との共同研究を重ね、数値を伴う信頼性を構築する姿勢、さらには厳しい水道機器認証を取得し、飲料水としての安全性を確保しながらグッドデザイン賞を受賞するなどのブランド戦略。当たり前を技術で再構築し、社会課題の解決をビジネスの成長へと繋げる同社の歩みは、次世代のグリーン・イノベーションの模範となるだろう。



