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【ファンケル SDGs最前線】使用済み容器を植木鉢へ再生 25,000鉢突破が示す循環型社会の新モデル

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【ファンケル SDGs最前線】使用済み容器を植木鉢へ再生 25,000鉢突破が示す循環型社会の新モデル
提供:株式会社ファンケル

ファンケルが使用済み容器を植木鉢に再生する独自プログラムで寄贈25,000鉢を突破した。横浜市の緑化事業にも広がる循環モデルとして、企業主導のサステナビリティ施策に注目が集まっている。

 

25,000鉢が街に広がる“見える循環”

株式会社ファンケルは、直営店舗で回収した化粧品容器を植木鉢へアップサイクルし、横浜市を中心に地域へ寄贈してきた。同社によると、プログラム開始以来寄贈数は25,000鉢を超え、市の緑化事業やイベントで広く活用されているという。

寄贈された鉢は、「ガーデンネックレス横浜」や「人生記念樹事業」など、市民参加型の緑化イベントで利用され、街に彩りをもたらしている。2025年には横浜市や船橋市と協働し、親子向けワークショップを開催。廃棄予定の花や苗を使ったアレンジメント体験で、環境学習の場としても役割を広げた。

特例子会社と連携した社会包摂の仕組み

この取り組みを支えるのは、ファンケル独自の回収・再生プロセスだ。使用済み容器の分別や洗浄、粉砕を担うのは特例子会社「ファンケルスマイル」である。障がいのあるスタッフが中心となり、安定した作業工程を確立している点が特徴だ。

再生素材は協力企業で植木鉢へと再加工され、地域に戻されていく。2021年のプログラム開始以来、容器の回収数は137万本を超え、アップサイクルを本格化させた翌年からの植木鉢製造も25,500鉢に達した。資源循環と社会包摂を同時に実現するモデルとして、企業の枠を超えた意味を持つ。

“参加したくなる環境活動” の設計思想

 

ファンケルは、環境活動を「生活者が主体的に参加できる仕組み」として捉えている。店舗での手軽な回収導線を整えるだけでなく、アップサイクルによって「成果が市民の目に触れる形」で社会へ還元される構造が意図されている。

地域の子どもたちがワークショップで植木鉢を手に取る姿や、街路に並ぶ花々に再生素材が使われている事実は、環境行動を“遠い目標”ではなく“手触りのある実感”へと変えていく。同社が横浜市と深く連携する背景には、企業主導で都市型の循環を定着させるという責任感がある。

緑化・教育・雇用がつながるモデル

今回の25,000鉢突破は、単なる数字の達成ではない。
緑化イベントへの貢献、子ども向け環境教育、障がい者雇用といった複数の領域が一つのプログラムで連動し、地域循環のプラットフォームとして機能している点に価値がある。

企業が自治体と連携し、資源の再生と地域活動を結びつける事例は増えているが、ファンケルはその先行例として仕組みを実装している。今後、都市部のサーキュラーエコノミーをどう設計するかの参考モデルとなる可能性は高い。

企業が地域の未来を形づくる時代へ

 

ファンケルの取り組みは、企業が単独で資源循環を進めるのではなく、“地域と共につくる循環” を実現している点に特徴がある。
自治体、市民、子どもたち、特例子会社――複数の主体を巻き込みながら環境活動を継続できる仕組みは、企業主導のSDGs施策の新しい形を示す。

植木鉢が街に並ぶ風景は、資源が循環し、関わる人々が環境への意識を育てる象徴でもある。こうした小さな成果の積み重ねが、未来の循環型社会を支えていくはずだ。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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