湘南の海で「学び」と「行動」を促す コスモスイニシアが逗子市と連携し、持続可能な未来を描く

大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシア(東京都港区)は、逗子市および逗子海岸営業協同組合と連携し、官民一体の環境教育に取り組んでいる。同社が湘南・鎌倉エリアで展開するリノベーションマンションシリーズ「海プロジェクト」の一環で、環境配慮型の施策が実際の街づくりに組み込まれるのは、全国的にも稀な取り組みだ。
今年6月27日に予定される逗子海岸の海開きに合わせ、ペットボトルキャップの回収ボックスと、回収素材を活用したオブジェが設置される。これは、子どもたちが海洋ごみ問題を“自分ごと”として認識し、行動変容を促す狙いがある。
エコステーションをリニューアル 回収ボックスが「魚の口」に

設置されるペットボトルキャップ回収ボックスは、魚が口を開けたユニークなデザイン。色別にキャップを投函できるようになっており、海にごみを捨てると魚が食べてしまうという実態を視覚的に伝える。エコステーションでは、クイズ形式の掲示やイラストを通じて、海洋プラスチックの現状やリサイクルの仕組みを学べる場を提供。単なる「分別スペース」を超えた教育拠点として再設計された。
「アップサイクルタイル」でつくる逗子のシンボルオブジェも登場
この回収活動を象徴するのが、「ずし」の文字をかたどったオブジェだ。魚のうろこをモチーフにしたタイルは、逗子の子どもたちが昨夏に収集・洗浄したペットボトルキャップを、リサイクル企業のソリッドラボが成形したもの。背面には来訪者がキャップを貼り付けられる仕組みが施されており、海洋ごみが“再資源化”される循環の可視化を実現した。
この取り組みを通じて得られた資源は、今後竣工予定のリノベーションマンション『シーサイド逗子望洋邸』(2025年12月末)や『パークハウス江の島』(2026年1月)の建材として活用される予定だ。
市・企業・地域が連携し、学びと体験を通じた持続可能な街づくりへ
コスモスイニシアは、これまでにも親子参加型のビーチクリーンイベントや、NPO法人との環境学習ワークショップ、中学生向け校外学習などを実施してきた。こうした一連の取り組みは、行政・地域・企業の連携によって、地域住民の環境意識を高めると同時に、資源の地産地消や地域経済循環にも寄与している。
担当者は自社オウンドメディア「COSMOStyle」内のインタビューで、「海で拾われた“生活の跡”が再び暮らしに戻ってくる循環を、子どもたち自身の手で体験してほしい」と語っている。
「Next GOOD」を掲げ、循環型社会の実現へ
コスモスイニシアは、「Next GOOD お客さまへ。社会へ。⼀歩先の発想で、⼀歩先の価値を。」をミッションに掲げる。都市環境のプロデュース企業として、単なる住宅供給にとどまらず、社会課題の解決に資する取り組みを加速させている。
逗子の海岸から始まるこの官民連携型のサステナブルな挑戦は、地域の未来だけでなく、都市生活者の価値観すら変えていく可能性を秘めている。