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「16億円は高すぎないか?」Sansan子会社・ログミーがユーザベースへ電撃譲渡! 強気価格の正体

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ログ三―がユーザベースに

2月6日、SaaS業界を揺るがすM&Aが発表された。NewsPicksやSpeedaを擁するユーザベースが、Sansan子会社の「ログミー」を買収する。

しかし、業界の注目が集まったのはその組み合わせ以上に、16.5億円という強気の価格だった。

 

M&Aのプロと有名社長がざわついた「16億円」の衝撃

例えば、スタートアップやM&A界隈に精通するマーケター、後藤将弥氏(@masaya_gotou)は今回の複雑なスキームを即座に整理し、こう疑問を投げかけた。

「ユーザベースがログミー(Sansanグループ)をM&A。2025年期売上は約9億円で黒字化。ログミーBusiness事業はSansan承継。取得価額16億円ほんとに?」

この投稿に呼応するように、リアルバリューのマフィアとしても人気なメガネのD2Cブランド「Oh My Glasses」を率いる清川忠康社長(@meganeyatokyo)も反応した。

「16億円って高すぎませんか、、、」

経営のプロたちが高いと感じた理由は数字にある。ログミー社の直近の純利益は1300万円。ユーザベースが取得する事業の営業利益は約8000万円だ。単純計算で利益の約20倍という価格は、確かに割高に見えるかもしれない。

果たしてこれは適正なのか、それとも高値掴みなのだろうか。

 

数字で見る「ログミー」の実力と今回のスキーム

今回のM&Aは、単純な株式譲渡ではない。まず、Sansanがログミー社から「ログミーBusiness事業(イベント・セミナー関連)」を会社分割(吸収分割)によって引き取る 。その上で、残った「ログミーFinance(IR支援)」を中心とする会社の全株式をユーザベースが取得する形だ 。

公開された資料からログミー社の直近実績(2025年5月期)を紐解くと、以下のようになる。

  • 売上高:8億9300万円
  • 営業利益:2200万円
  • 純利益:1300万円

ここから、Sansanに残る「ログミーBusiness事業」の売上高1億1100万円 が除かれる。 ユーザベース側の発表によれば、取得する事業の実質的な売上高は約8億円、営業利益は約8000万円の見込みだという。

営業利益8000万円の事業に対し、買収額は16.5億円 。単純計算でPER(株価収益率)20倍以上のバリュエーションとなる。メディア事業、かつ黒字化したばかりの企業への評価としては、清川氏が「高い」と感じるのも無理はないプレミアムな価格設定だ。

 

Sansanの「整理」とユーザベースの「野望」

売り手であるSansanの狙いは「選択と集中」だ。 資料には「資本効率の向上及び保有資産の効率化」と明記されている 。Sansanは自社事業との親和性が高いB2Bイベント領域だけを手元に残し 、専門性が異なるIR・金融メディア事業を切り離す判断を下した。

一方、買い手のユーザベースには、単なる数字以上の勝算があるようだ。 同社は、企業・業界分析プラットフォーム「Speeda」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」を擁する。ここに、決算説明会の全文書き起こしで投資家から熱烈な支持を得ている「ログミーFinance」を組み込むことで、「Speeda導入企業(約2,600社)へのクロスセル」や「独自データのAI解析」といったシナジーを狙う。

 

「成長と責任の選択」事業責任者が語った覚悟

実際にログミーFinance事業本部長、富山蔵人氏はM&A発表直後、SNSで静かながらも熱い決意を表明した。

「ログミーはこれまで、『経営者の言葉』を、できる限りそのまま、正確に、そして誰にでも届く形で届けてきました」

富山氏は、今回のグループ入りを単なる資本の移動ではなく、成長の選択であると同時に責任の選択であると定義する。

「この挑戦の先にあるのは、日本企業が正当に評価される市場、そして経営の意志が正しく伝わる資本市場です。その未来を現実にするために、ログミーは次の一歩を踏み出します」

彼の言葉からは、単なるメディア運営を超え、日本の資本市場における情報のインフラを担うという強烈な自負が読み取れる。

 

「言葉」と「データ」が融合するシナジー

では、ユーザベースとログミーが組むことで、具体的に何が変わるのか。 ログミーFinanceのコアバリューは、決算説明会などの「経営者の語り(ナラティブ)」を、全文書き起こしという形で正確に投資家に届ける点にある。

一方、ユーザベースの強みは「Speeda」が持つ膨大な企業・業界の「定量データ」と分析力だ。富山氏はこの両者の融合についてこう語る。

「SpeedaやNewsPicksとの連携によって、経営者の語りは分析データと結びつき、企業の意思はより立体的に理解されるようになります」

つまり、「数字(Speeda)」と「物語(ログミー)」が統合されるのだ。これにより、投資家は表面的な数値だけでなく、その裏にある経営者の熱量や文脈までを含めた立体的な理解が可能になる。これは、AI時代において最も価値が高まる独自の一次情報となり得る。

 

16億円は「未来のインフラ代」として安くなるか

今回の買収スキームでは、Sansan側がイベント事業(ログミーBusiness)を引き取り、ユーザベース側はIR・金融メディア事業(ログミーFinance等)に特化した形で会社を取得する

ユーザベースにとっては、Speedaを利用する約2,600社の上場企業に対し、ログミーのIR支援サービスを直接提案できるメリットは計り知れない。「高すぎる」という当初の反応は、裏を返せばそれだけこの事業が持つポテンシャルへの期待の裏返しとも言える。

日本企業が世界から正当に評価されるために不可欠な翻訳機。ログミーがその役割を全うし、ユーザベースのアセットと化学反応を起こした時、16億円という金額は「安い買い物だった」と評されることになるだろう。

日本のIR(インベスター・リレーションズ)をアップデートする両社の挑戦に期待したい。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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