
「スマホを拾って警察に届けてくれた善人」が、実は「自ら盗んだ犯人」だった――。まるで三流ミステリー小説のような、呆れた事件が発覚した。
事の発端は、ある飲食店での出来事だ。被害に遭った男性がテーブルにスマートフォンを置いたまま、わずか1分ほど席を外した隙の犯行だった。席に戻ると、そこにあるはずのスマホが忽然と姿を消していたのだ。
数日後、諦めかけていた男性のもとに警察から「あなたのスマホを届けてくれた人がいますよ」と朗報が舞い込む。安堵した男性は、拾い主に直接お礼を伝えるべく連絡を取った。しかし、ここから事態は奇妙な展開を見せ始める。
電話口の拾い主は、開口一番こう要求してきたという。「すぐに謝礼が欲しい」
少し図々しい拾い主だなと思いつつも、スマホが手元に戻ってきた恩義がある。男性は要求に従い、拾い主に直接会って謝礼の5000円を手渡した。無事に解決したかに見えたその時、男の口から“ある言葉”が飛び出した。
「落とさないように、スマホはカバンにしまった方がいいスよ」
この一言が、男の命取りとなったようだ。男性の脳裏に激しい違和感が走る。「なんでこの人は、自分がテーブルに置いて無くした時の状況を知っているんだ……? お前、怪しいな」
不審に思った男性が飲食店の防犯カメラ映像を確認すると、そこには衝撃の事実が記録されていた。落とし物を拾った親切な第三者など存在しない。なんと、男自身がテーブルからスマホを盗み出す様子がバッチリ映っていたのである。
60回以上警察に届け出…“落とし物のプロ”の裏の顔
窃盗の疑いで逮捕されたのは、無職・中井三義容疑者(57歳)。驚くべきは、彼の異常なまでの「届け出歴」だ。
警察の調べによると、中井容疑者は過去になんと60回以上も警察に落とし物を届け出ており、そのうち14人から謝礼を受け取っていたというのだ。善意の市民を装い、他人の物を盗んでは警察に届け出て謝礼をせびる――。いわば“自作自演の常習犯”であった可能性が極めて高い。警察も余罪があるとみて捜査を進めている。
このあまりに滑稽な事件は、ネット上でも大きな反響を呼んでいる。SNSでは次のような呆れ声が殺到した。
「落とし物を届けた善人かと思いきや、実は自分で盗んで報酬目当ての常習犯だったなんて…。『カバンにしまった方がいいですよ』ってセリフが決め手になるの、ドラマより面白い」 「スマホを届けたと思ったら、拾い主が盗んでて、謝礼要求して自分で自滅。現実なのに小説みたいすぎる」 「そもそも拾い主が謝礼を請求したのは不味いよね。結局、拾ったではなく盗ったから更に悪い」
「自分は落ちていた物を拾っただけ」と、現在も容疑を否認しているという中井容疑者。しかし、自らの口を滑らせた「余計なアドバイス」の代償は、あまりにも高くついたようだ。
海外でも起きていた「謝礼泥棒」の悲喜劇!あの世界的歌姫も被害に…
実はこうした「盗んでおいて(あるいは一味に加担して)、善人面で謝礼を要求する」という手口は、海外でも度々ニュースになっている。
もっとも有名なのが、世界的ポップスターであるレディー・ガガの愛犬誘拐事件(2021年)だ。 ガガの犬の散歩代行者が銃撃され、2匹のフレンチブルドッグが奪われたこの事件。悲しみに暮れるガガは「無条件で50万ドル(当時のレートで約5300万円)の謝礼を支払う」と発表した。
すると数日後、ジェニファー・マクブライドという女が「犬を見つけた」と警察署に犬を連れてやってきた。彼女はちゃっかり50万ドルの謝礼を受け取ろうとしたものの、警察の捜査により、強盗犯の一人の父親と交際していたことがあっさりバレてしまった。当然、女は盗品等品受の罪などで逮捕されることとなる。
さらに驚くべきことに、この女はその後「無条件で謝礼を払うと言ったのに払われなかった!」として、ガガを相手取り提訴するという恐ろしいほどの図々しさを見せている(のちに裁判官により正当に棄却された)。



