帯状疱疹とは？「過去の水ぼうそう」が再発する仕組み

帯状疱疹とは、子どものころにかかった水ぼうそうのウイルス（VZV＝水痘・帯状疱疹ウイルス）が、長年潜伏していた神経の中で再び活動を始め、皮膚や神経に症状を引き起こす病気である。

水ぼうそうが治った後もウイルスは完全には消えず、神経節に潜伏し続ける。加齢、疲労、ストレス、病気などで免疫力が低下すると、潜伏ウイルスが活性化し、神経を伝って皮膚に赤い発疹と激しい痛みを起こす。特に体の片側に「帯状」に広がるのが特徴だ。

再発は1回限りではなく、複数回起こることもあり、**顔面や目の神経に出た場合には重い合併症（視力障害・聴力障害など）**も懸念される。

50代から急増、80歳までに3人に1人が発症

年代別統計では、50代から発症数が急増し、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験する。特に女性に多く、明確な理由は解明されていないが、ホルモンバランスや免疫の変動が影響している可能性がある。

近年では若い世代にも発症が見られるようになっており、その背景には水ぼうそうの定期ワクチン接種によって流行が抑えられ、「自然な免疫ブースト」が得られにくくなった社会的変化もあるとされている。

帯状疱疹の症状・原因・治療・予防まとめ

発症経験者の声「眠れぬ痛み、何度も繰り返す」

発症者の証言によると、「心臓をつかまれるような痛み」「眠れないほどのかゆみと痛み」「2回かかった」といった声が多く、帯状疱疹がいかに生活の質を下げるかがうかがえる。

今後の対策と社会への啓発が必要

帯状疱疹は、誰もがかかる可能性のある疾患だが、一般には「年配の人がかかる皮膚病」程度の認識にとどまっている。だが実際には**神経を攻撃する“痛みの病気”**であり、重症化すれば後遺症も残る。

ワクチン接種による予防効果は科学的に立証されており、特に不活化ワクチンは高い予防効果を持つことが示されている。今後は自治体による費用補助や啓発活動が重要になるだろう。