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NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収へ? SBI株急騰で市場に波紋

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NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収へ?
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NTTドコモが住信SBIネット銀行の子会社化を目指し、株式公開買い付け(TOB)を実施する方針を固めた。SBIホールディングスは全株を売却し、株価は急騰。通信と金融の融合が本格化する。

 

ドコモ、銀行業参入へ大きく舵切り

NTTドコモは5月29日、インターネット銀行大手の住信SBIネット銀行を買収する方針を固めた。関係者によると、ドコモはSBIホールディングス(以下、SBI HD)が保有する約34%の全株式を取得し、一般株主からの株式取得を含めて過半数を目指す。最終的には3分の2程度の取得を通じて子会社化する見通しで、株式公開買い付け(TOB)を実施する。

これにより、ドコモはこれまでグループに欠けていた「銀行」という最後のピースを獲得し、ポイントや決済を軸とする「ドコモ経済圏」の完成に向けて大きく前進する。

通信各社の経済圏戦略とドコモの出遅れ

携帯電話市場が成熟し、契約者数の伸びが鈍化する中、通信各社は非通信分野の拡充に力を注いでいる。KDDIはauじぶん銀行、ソフトバンクはPayPay銀行、楽天は楽天銀行を傘下に持ち、金融機能の強化を進めてきた。一方で、ドコモはこれまでグループ内に銀行を持たず、競合に遅れを取っていた。

今回の買収により、ドコモも本格的に銀行業に参入し、通信・金融融合によるサービス拡大と顧客の囲い込みを図る。住信SBIネット銀行はAPI連携などの技術力にも強みがあり、若年層やデジタル世代の取り込みに有効とされる。

SNSで利用者から懸念の声も

 

買収報道を受け、SNSでは住信SBIネット銀行の既存利用者を中心に不安の声が広がった。ヤフーリアルタイム検索によると、「住信SBI dアカウント」に関する投稿の98%がネガティブな内容で、「dアカウントとの連携が強制されるなら口座を解約する」といった声も散見された。

これに対し、NTTドコモは「当社が発表したものではない」としつつも、29日に開催予定の取締役会に本件を付議するとコメントしており、報道内容を事実上認めた形となっている。

市場は好感 SBIと住信SBI銀の株価が急騰

報道を受けて株式市場は敏感に反応した。住信SBIネット銀行(7163)は一時ストップ高となる前日比+21.3%の3,985円を記録。東京証券取引所は同日午前、一時的に売買を停止した。

SBIホールディングス(8473)も急反発し、前日比+9.7%の4,501円となり、東証プライム市場の上昇率3位に入った。市場ではSBI HDが住信SBIネット銀行株を売却することで得たキャッシュの使途に対する期待が膨らみ、自社株買いや新規投資などの思惑が広がっている。

NTTとSBIが資本業務提携へ

今回の買収は、NTTとSBI HDが資本業務提携を結ぶ一環でもある。SBI HDの第三者割当増資をNTTが引き受ける形で、今後は通信と金融の融合による協業を強化していく。なお、住信SBIネット銀行のもう一つの大株主である三井住友信託銀行は出資を維持する見通し。

一方、SBI HDは傘下のSBI新生銀行が抱える約2,300億円の公的資金の早期返済を目指しており、今回の売却はその一助となる可能性がある。

今後の焦点

NTTドコモが銀行業に本格参入することで、通信×金融の競争が一層激化することは間違いない。ただし、既存ユーザーの不安やサービス統合の課題など、乗り越えるべき壁も少なくない。今後の正式発表と、買収後の運営体制に注目が集まる。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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